20180422 ヒートvsシクサーズ 第4戦

ホームに戻るも敗戦を喫したヒート。神通力以外に対抗手段がないのか。

 

ウェイド様の神通力によりスローダウンに大成功にアウェーで勝利したヒート。しかし、迎えた第3戦ではやっぱり走りまくって4Qに力尽きて負けたのでした。もはや走るのはデフォルト。走り合いで十分に対抗して最終的に逆転されるというわかりやすさ満点のヒートです。スポルストラの戦略はさっぱり読めず、悪い意味で。

そのためシクサーズの本領なんて見えてきません。第3戦はほんの少しだけシモンズがディフェンス面で勝利を演出した感じもありましたが、その前に点差が開いてしまいました。ヒートが追い込んでシモンズが乗り越えるというのが予想です。

 

◉前半

 

〇エンビートがいるということ

そしてやっぱり遠慮なく走ります。早い展開の応酬で勝負するヒート。しかし第3戦からはエンビートがいます。話に聞いていた通り、全く動きません。「走らない」のは想定内ですが、そもそもハーフコートになっても「動かない」のでレベルが1段階上です。そう考えるとヒートには有利な面があるのですが、それを享受するわけでもありませんでした。

動かないって悪いことばかりではありません。例えばレディックがコーナーで動かなかったらディフェンスもまたコーナーに居続けます。で、エンビート。微妙だけどマークされているので実質4対4になっていくシクサーズ。なのでランニングプレーが面白いように決まります

 

とはいえ、ここまで誰がもっとも効果的にバックドアをしていたかというとイリャソバです。ホワイトサイド相手に裏抜けしまくっていました。でもエンビートが出ているのでベンチに座っています。だからエンビートがいることは収支としてはトントンみたいな。明確にプラスになったのはディフェンス。さすがの存在感でイージーシュートを許さないのでシクサーズが先手をとります。

しかし、一回休んでから1Q終盤に再び出てくると、相手がホワイトサイドではなくアデバヨに変わっており、完全に走り負けてしまうのでヒートが追いつくのでした。やっぱり収支はトントンみたいな。

 

 

〇オフェンスリバウンド

ここでおさらい。4月のシクサーズは7試合中5試合が3P40%オーバーというキャブスに並ぶシューティングチームでした。ギャンブラーズ。しかし、それを支えたのはオフェンスリバウンドです。ここまでの3試合でイリャソバがとりまくり。ならばエンビートがいるとより取りそうですが、動いてないのでそうでもないです。

しかし1Qだけでサリッチが4本をゲットしました。ホワイトサイドがいるので何とかして欲しいところですが、エンビートのマークだからやっぱりリングから遠いよね。時には高さで何とかしてくれましたが、結局の所悩み続けるディフェンスリバウンド問題のヒートです。

 

〇1Qのターンオーバー

シクサーズ 8

ヒート 5

早い展開でミスがおこるという非常にわかりやすい例示でした。良くも悪くもシクサーズの持ち味なので気にすることはなさそうです。ヒートはウィンスローが積極的過ぎる気もしますが、それはジョシュ・リチャードソンやウェイドも同じだから、もうアグレッシブに行くしかないのでしょうね。

ヒートがここまで走るようになった理由をどなたか教えて下さい。走るっていうか、積極的に打つよね。2月頃から急激にFGアテンプトが増えているので、シーズンの中で判断されたのでしょうが。ウェイド獲得前後から走るなんて理にかなっていないしな。

 

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〇互角のウェイド

再び動き始めるシクサーズ。レディックが2本の3Pを含む10点で引っ張ります。走って3Pというレディックなシクサーズ。だけどやっぱり、ウェイド様は3Pなしで7点を奪って互角の戦いが続きます。これがエンビート登場と共に崩れ始めます。

まずドラギッチ&ホワイトサイドで得点していきます。重要なのはホワイトサイドの活躍。エンビートがいれば何の問題もなく試合に出れます。スピード負けしないし、インサイドでもショートレンジで得点していき、課題のオフェンス面で結果を残します。

 

〇劣勢のエンビート

さらにシクサーズはエンビートのシュートが全く決まりません。2本の3Pを含む4FG全てをミス。シクサーズの3P確率を1人で下げているからね。相変わらず走れているシクサーズなのですが、そこで生まれたフリーの3Pをエンビートに打たせるとマイナスです。第3戦はそれで勝ったから何とも言えないけど。

そうなってくるとトランジションが早くなります。ヒートのシュートが決まらないと走られることに悩んでいたわけですが、エンビートがいると今度はシクサーズが悩まされます。明らかに周囲から遅れていき、ヒートの早い展開が奏功します。だいたいアウトナンバーなので、もっと高確率で決めたかったくらい。最大8点リードを得たヒートでした。

エンビートの問題はもうひとつあって、ターンオーバーが増えることです。エンビートの見えない角度から狙いまくるドラギッチ。はまるマッカナムなんていうシーンも出てきました。単純にアデバヨが止めるシーンも。

 

あまりにも見事すぎたエンビートがいるシクサーズの問題点。1人ペースに乗り遅れるだけでなく、存在感があるが故にミスが目立ってしまいます。普通ならそもそもボール運びのセンターにパスしないよね。

 

〇アクシデント

しかし、そんなトランジションで有利になっていく中でヒートにはアクシデントが。ルーズボール争いでエンビートと衝突したジョシュ・リチャードソンが肩を痛めてロッカーに戻ってしまいます。ウィンスローも出血するなど、ちょっとずつ不安要素のでてくるヒート。2人とも後半に戻ってはきます。

そんなルーズボールからの速攻でドラギッチをシモンズがファールで止めますが、コビントンがアフターファール。怒るジェームス・ジョンソンがコビントンを突き飛ばした後でシモンズともめます。これでダブルテクニカル。

いまいちルールが不明なのですが、こういう時って両成敗なのにシモンズはテクニカルでコビントンにはおとがめなしでした。ジェームス・ジョンソンが揉めたのって本当はコビントンだよね。

 

そんなわけで前半は本当にエンビートが足を引っ張って、61-56でヒートリードで終わります。

 

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◉後半

 

〇ジョシュ・リチャードソンの1人トラップ

ホワイトサイドがショートレンジを決め、ジョシュ・リチャードソンがシモンズのパスをカットし速攻に繋げます。

前半から、いや第1戦から疑問なのはこのディフェンスのやり方です。ジョシュ・リチャードソンは見事にスティールしていきますが、狙いすぎてサリッチに裏をとられる事も多いです。攻撃的なディフェンスなのは良いのですが、運動量を求められると共にリスクもあるディフェンスを繰り返して、様々なパターンのパスを通されています。

それでもジョシュ・リチャードソンはサリッチからスティールし、速攻でホワイトサイドのアリウープに繋げます。ドラギッチの素晴らしいフェイク&シュートもあり、10点リードに広げていくヒート

 

〇互角に戻っていく

その間のシクサーズは何をしていたのかというと、ひたすらファールを稼いでいました。スティールもされるけどファールも誘っている。なかなか微妙な関係性だったりします。6分経たずにボーナススローに突入します。レディックとベリネリがフリースローで地味に得点していきます。

ホワイトサイドがシモンズをブロックし、速攻アリウープも決め、12点差まで広げている圧倒的なヒートペースなのにそこから広がりません。同時にホワイトサイドが長くなります。エンビートはベンチに引っ込むけど出続けるホワイトサイド。良いプレーはしています。

ヒートにもパスミスやオフェンスファールが出始めて、シモンズのアタックが決まったりと互角の流れに戻っていきます。お互いにオープンになるけどエンビートとジェームス・ジョンソンだから3P決まらないし。

 

〇流れを決定づけるイリャソバ

皮肉なシーンが。トラップからウェイドのパスをスティールするシモンズ。しかし選んだのはベリネリの3Pなので決まらず。エンビートやイリャソバも絡むリバウンドを奪ったアデバヨからウィンスローが速攻を決めますが、前に人が残っているのでカウンターでイリャソバが&ワンとなります。

自分達が速攻を決めたのに3点返されたヒート。そしてそんなプレーが続けばシクサーズの流れです。

アデバヨがエンビートを抑えたのに、イリャソバにオフェンスリバウンドをとられるオリニク。毎試合こりもせずディフェンスリバウンドを確保出来ていません。さらにイリャソバはエリントンからテイクチャージ。イリャソバに圧倒される展開が思い出されます。

そして3Qラストプレーでもイリャソバに3Pを決められたヒート83-79と4点リードに縮められて終わります。

 

このシリーズ大活躍のイリャソバが見事に仕事をしたのでした。エンビートの復帰により仕事時間が減りましたが、短い中でもしっかりと結果を示します。どう考えてもエンビートよりも良いというのは内緒。

この辺はちょっと別の要因もあって、エンビートがいるとヒートはホワイトサイドを起用しやすくなり、この3Qはスローダウンに成功しています。アデバヨ含めてディフェンスリバウンドを確保してくれます。しかもリムプロテクターがいるからジョシュ・リチャードソンの1人トラップもやりやすくなっています。1Qは享受出来なかったエンビートの恩恵を活かした形です。エンビートの3Pは打たせておくのが正解と判断しているのでインサイドを中心に守れます。

つまりエンビート<イリャソバという以前にエンビートがいるとホワイトサイドが活躍するという別の問題が大きかったです。代わりにオリニクは全く活躍していないし。

 

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〇シモンズ&エンビート

アーリーオフェンスで強引に決めていくシモンズ。エンビートのブロックから走ったシモンズがゴール下であっさり追いつきます。完全に3Qのイリャソバでやられた感じのヒート。

エンビートはマスクを捨てますがタイムアウト明けにやっぱりつけて出てきます。外すとベンチに怒られます。あのマスクでプレーしているだけで偉いと思う。だから尚更3P打つなというか・・・。

そんなエンビートに対するホワイトサイドで苦しくなっていきます。まぁこの辺は試合の中で劣る時間もあるよねって感じですが内容とタイミングが悪かった。ウェイドのアリウープパスを完全に読まれていたり、決まっていなかったシュートのフェイクに引っかかったり。そしてイリャソバからレディックのバックドアを食らってしまうヒート

 

〇シモンズとイリャソバ

エンビートが下がって2人の時間がやってきます。タフなフェイダウェイを決めるシモンズとオフェンスリバウンドをとっていくイリャソバで7点リードするシクサーズ。ジェームス・ジョンソンの3Pが決まるもイリャソバがオフェンスリバウンドで押し込みます。イリャソバが夢に出てきそうなヒートの面々。

ヒートは一番大きいのがジェームス・ジョンソンなのですが、それはサリッチのマークです。ここでオリニクを使えない苦しさがあります。

 

〇クラッチタイム

ミドルの選択が多いヒート。ドラギッチがドライブしてキックアウトを狙ったときに、1人しかきてくれなかったり走れていない疑問が出てきます。一方で再び出てきたエンビートは走ります。オフェンスリバウンドを奪ってフリースローに繋げるなど、終盤になると働くのは良い部分・・・なのか。不良が優しいみたいな。

なのでホワイトサイドが出てきます。するとこちらもオフェンスリバウンドを押し込んで働きます。エンビート様々なヒートとホワイトサイド。残り2分半で4点差。

選ぶのはウェイドのミドル。この辺のヒートは本当に良く分からなくて、ドラギッチのドライブからのプレーを選択しません。ただ、選択したウィンスローのターンオーバーに。その次はウェイドが飛び込んで&ワンなので終盤のウェイドは正しい選択なのか?残り1分半でシクサーズ3点リードに

 

行くのはポストのエンビート。しかしホワイトサイドに守り切られ、ボールを繋いでいって最後はゴール下のウェイドが決めます。

今度はシモンズがドライブでぶっちぎってダンク。残り1分3点差に戻します。

再びウェイド。フェイダウェイでミドルを決めて1点差。シクサーズはそのウェイドに決められたレディックにハンドオフで渡して残り30秒3点差になります。これ絶対エンビートはイリーガルスクリーンです。

 

コビントンをスピンでかわしたウェイドにエンビートがファールします。これウェイドはスピンの後にミスしてボールを離しています。が、エンビートがウェイドに接触したのも事実。正しかった終盤のウェイドのフリースローで18秒2点差に。最悪だったのは2本目をミスした際にレディックがリバウンドを取ったこと。レディックにファールゲームしてしまいます。ヒートは何故リバウンドに飛び込む人数が少なかったのか?

16秒4点差でヒートオフェンスはリチャードソンとジョンソンが続けて外しタイムアップとなりました。

 

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◉ヒートの試合で上回ったシクサーズ

 

前半はシクサーズペースでヒートが上回りましたが、後半はヒートペースでシクサーズが上回った印象です。試合を通してシクサーズは7本の3Pしか決められず、それはヒートのディフェンスが機能してきた形でした。でも、それで負けてしまうのだからスポルストラの走る方向性が正しかったような雰囲気です。もはや良く分からない。分からなくしたのは走れないエンビートですが。

26のターンオーバーを強いたヒートディフェンスはシクサーズの勢いを無効化しています。

 

〇オフェンスリバウンド

サリッチ 6

シモンズ 4

イリャソバ 3

そんな形に持ち込みながらも、結局はオフェンスリバウンドを取られ続けたヒート。ヒートってこんなにリバウンド弱かったの?

この試合で違うのはホワイトサイドがいて、エンビートに対してはしっかり守ってくれていたこと。リバウンドも確保していました。なので周囲がとってあげないと苦しいです。第2戦ではウェイドの7リバウンドを評価しましたが、ドラギッチとタイラー・ジョンソン含めてガード陣が取りに行かないと苦しい気がします。レディックとベリネリ担当のディフェンスは参加出来ないし。

 

お互いのラインナップの関係性が大きな影響を与えているシリーズになっていますが、こんな時も出てくるからガードのリバウンド力というのも重要になってきた時代といえます。センターがアウトサイドに引き出されたときに誰がとるのか。それがないチームは苦しいよ。

 

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もう少しでシモンズが支配する試合になりそうだったのですが、まだそこまでは辿り着けていない雰囲気です。惜しかったね。いずれにしても「シクサーズの勢いを止めてから初めてスタートする」と評した中で「勢いを止めて負けた」という試合です。

両者の力関係はヒートの流れになって互角くらいだと思うので、ホームで勝ちきれなかったのは痛いです。1勝しか出来ないのは寂しすぎるから、マイアミに戻ってこれるように頑張って下さい。

 

 

 

 

 

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