20180320 キャブスvsバックス

ティロン・ルーが離脱したキャブス。しかしラブは復帰します。なんか突然じゃないか!?

最近のバックスは4勝7敗。大方の予想はヒートとの7位争いです。




◉ラブが作り出す違い

 

ラブのいるキャブスは一味違います。その理由はコーバーとのポジションチェンジです。オフボールでシューティングポジションを探す2人がポジションを入れ替える事でカットとオープンを作ります。

そのオープンになるポジションがボールから遠いのがラブらしさ。

ボール欲しい人達はボールに近づいていくものです。一方でレブロンからのパスをもらう人達は遠くで動かずに待っています。動いて遠くでミートするラブ。

 

ディフェンスでも細かくヘルプポジションを変えています。ボールマンが狙いたそうなコースをカバーする動きと自分のマークについていく動きを繰り返して、相手に迷いを生じさせます。そんなに珍しい動きではないですがキャブスでは珍しい。

バックスはアウトサイドからのドライブ狙いが多いので自分のマークではなく、ヘルプのラブと牽制する場面も。

 

攻守にフロアバランスを改善しているラブ

しかし、だからといって具体的なメリットがあるかは別の話。だってボールマンにプレッシャーかかってなかったり、ラブがヘルプに出ても誰もカバーしてくれません。むしろフリーを作る要因になるから誰かに怒られたり。チームで守る気は希薄な中でチームディフェンスするとこうなるのかな。最近はヒルのヘルプも怪しいよね。

 

怪しい方はさておき、ラブ&コーバーのシュートにより13点をとれた1Qです。ラブの復帰はコーバーの復活にもリンクします。



ラブが遠くでフリーになった時にパスが出るのは良い方向ですが、遠い理由はレブロンが自分で勝負するスペースを確保出来るからです。

レブロンvsアンテトクンポのマッチアップ

しかし、ビビっているのかアンテトクンポを攻略しようとしないレブロン。背中を向けてパスしか出来ないやり方。

もっと負けているのはアンテトクンポ。こちらは完全に腰が引けているというか、普段はやらないフェイダウェイ気味に打って外します。

 

このやりとりはレブロンは理解できるけど、アンテトクンポはよろしくない流れ。高さで勝るアンテトクンポが強引にインサイドを攻めることでバックスのペースになるし、レブロンのファールを引き出せます。大抵はあまりちゃんと守っていないし。

レブロンは単純にブロックされそう。代わりにスピードつけて抜けるドライブならイージーにフィニッシュ出来ます。

 

なんとなくキャブスペースで進みます。ちなみにお互いに相手がベンチに下がりマークが代わると積極的になるから何してるんだ状態です。ディフェンスは強気なのに。

1Qは26ー25でキャブスリードでした。



◉守らないキャブス

 

得点自体は接戦で進みますが少しずつ変化が生まれます。バックスはミドルトンが高確率で決めていきます。プレッシャーはかかっていません。
ベンチからパーカーもミドルレンジを決めていきます。プレッシャーはかかっていません。

全体的にプレッシャーがかかっていないキャブスのディフェンス。しかし、この2人くらいしか効率良く決められないバックスでもあります。そして決められたのでミドルトンだけには打たせないようにしたキャブス。

◯ミドルトンのFG
1Q 5/6
2Q 0/0

 

バックスのオフェンスは淡白です。淡白でも打ててしまうキャブスのディフェンス事情もあります。この淡白というのは2つくらいのパスで簡単にシュートに行ってしまうという事。

バックスは5人が大きくフロアバランスを取りドライブ&キックアウトが基本です。それはキックアウト後のエクストラパスのような連携は良いのですが、スクリーンは少なく崩しの段階では個人頼みになりがちです。

キャブスのディフェンスは悪いので、ドライブ1つでフリーが生まれます。そしてシュートを打ててしまうので2人くらいしかボールに触れない事もよくあります。PGブレッドソーだし。

そんなわけでとても淡白なオフェンスになっていきます。キャブスはとても守っているとは言い難いのですが、崩されている感じもないので悪くないかも。



2Qになるとアンテトクンポのインサイドが増えます。アーリー気味に仕掛けてミスマッチを誘導しフィニッシュが何度も出てきます。

大きくフロアバランスをとるのでヘルプが間に合いません。そうなると強さを発揮するアンテトクンポです。新加入のブランドン・ジェニングスが2本のアシストをアンテトクンポにしていますが、ベンチにPG置けたのは大きそうです。

1Qは外から2Qは中から攻めているバックスなので、得点はしっかりととれています。

 

同じように大きくスペーシングするのはキャブス。少し違うのはラブも加わりバックスよりはスクリーンやカットプレーで動きをつけていきます。

そしてまたも最近になって出番をもらえたカルデロンが出てくるとレブロンをスクリナーにして崩していきます。簡単なピック&ロールでフリーになるレブロン。

強かった頃はスターターだったのにケガ人が復帰したりトレード加入がいるとベンチに座り続ける事になったカルデロン。やっている事はあの頃とほぼ同じ。

同じことやって上手くいくのに起用しないHCは試合に帯同していません。



そんなわけでキャブスオフェンスの良かったのは試合中に様々な変化をもたらしていること。PGではなくなったクラークソンの単独突破も程よいアクセントになっています。

レブロンが主軸になりつつも
ラブ&コーバーのカット&シュート
カルデロンによるレブロン使用
クラークソンの単独突破

そうなるとジジッチのインサイドも効果的になるので誰もが活躍する展開になります。

あっジョージ・ヒルはいたっけ?

 

◯前半の3P
ラブ 3/4
コーバー 3/4

大きかったのは2人のシューターが高確率で決まった事。それは連携が生み出す高確率でもあります。JRスミスの単独とは違う。

特にラブはオフェンスリバウンドもとるし、ブロックもするしとケガ明けとは思えない好調さでした。

キャブスは前半64点まで伸ばし、7点リードで折り返します。



前半のキャブスはディフェンスは機能していませんが、「どうせオフェンスで上回れるし」という雰囲気満載の懐かしい感じでした。実際にそれで上回ってきたのが昨季です。イースト限定な気がしますが。

バックスのディフェンスは普通レベルですが正直信用していません。前半のキャブスはFG53%ですが、3Pが良く決まった事とペイント内で得点しました。

 

◯レブロン・ジェームス
18点 FG8/15
7アシスト

レブロンは18点のうち16点をペイント内でとっています。そして7アシストなので、何を守るかが中途半端になっています。前述の通りアンテトクンポ相手は避けていたので、その他で差をつけました。

カルデロンのいるキャブスが戦術レブロンというよりもオフボールのレブロンも利用していたので、ポストアップやカットプレーも多く得点の多くはイージーシュートでした。

なんとなく止めるポイントを絞れていないバックス

 

オフェンス面は2Qこそアンテトクンポがインサイドを攻めましたが、それまでは外でボールを回しているだけに。パーカーくらいが複数のパターンで攻めました。

◯フリースロー
バックス 3/3
キャブス 4/6

ちょっとシューティング勝負みたいになっていました。それはミドルトン以外はキャブスのほうが上手です。キャブスの余裕とも言えます。

要は攻守にパターンの単調さがもたらした変化に乏しい前半でした。それは自分達に有利と踏んでいるであろうキャブスがリードしたのは当然の流れに思えます。



◉ミドルトンvsレブロン

 

前半の反省からボールへのプレッシャーを強めることにしたバックス。スティールも生まれますが裏を取られる事も出てきて差し引きゼロみたいなディフェンスになります。

連動性がないといえばそれまでですが、ギャンブル性が高いプレッシャーの強め方だったといえます。ディフェンスの強いチームならばやらないような強め方。

 

対して前半と変わらずブレッドソーとアンテトクンポを離して守るキャブス。そこにムキになるブレッドソーなので効率が上がるわけでもなく、ラブにチャージングしてしまいます。

これだけだとキャブスのディフェンスは機能している風ですが、いくらなんでも離しすぎるのでブレッドソーだってミドルをそこそこ決めていきます。

さらにミドルトンの確率が落ちず、アウトサイドから決めればドライブにも繋がるので、バックスペースになり3Q半分が過ぎた頃に2点差まで縮まります。



そこからキャブスの得点は10連続レブロンになります。3Pを連発してからドライブ。ギアを上げたレブロンに対し抵抗出来ないバックス。

それでもミドルトンが3Pを返し、オフェンス面で対抗します。しかし、ベンチメンバーが増えたバックスはミドルトンは返すものの、その他が続かず。

キャブスはレブロンの後にジジッチとクラークソンが続けて決めたため、結局はキャブスの8点リードに戻って3Qが終わります。

 

ほんの小さな差ですが、レブロンが連発した後に周囲が続けた事がリードをもたらしました。



◉結局は守れない

 

追いかけたいバックスはスターターをコートに出して本気モードです。そこでディフェンスを強め早い展開に持ち込む算段です。

その狙いは序盤は機能します。ブレッドソーが単独で切れ込み、パーカーがアンテトクンポとの速攻を決め、前を走るアンテトクンポの高さを活かしたパスを出します。

しかし、同時にミスも目立ちます。アンテトクンポの遥か上にパスを出したり、バックボードにパスしたり。

 

◯4Qの速攻
バックス 13
キャブス 3

◯ターンオーバー
バックス 6
キャブス 3

見事に速攻を増やしたバックスなのですが、同時にターンオーバーを増やしてしまうので点差は縮まりません。



また5分あまりが過ぎるとお互いのファールが増えてきます。プレッシャーディフェンスをしたいバックスなのですが、慣れていないのか明らかに対応が遅れがちです。これがキャブスが素晴らしいというならばともかく、そんなに動いていないのにパス1つでファールにこぎつけるのだからイージーモードのキャブス

ただし、早い展開になりキャブス側もファールで止めるシーンが目立ちます。よくわからないおつきあいをしているキャブス

 

ちなみに「レフリーが酷い」というイメージが定着しており、選手がクレームしまくっていると「今日もレフリー問題か」という気分になりますが、そうでもなかった気がします。

3Qまでお互いにユルユルディフェンスでファールも少なかったこの試合。4Qになって突然手を出すのだからファールコールも増えて当然です。
選手の方はノーファール気分かもしれませんが、コンタクトしているプレーばかり。ある意味レフリーは選手の変化にアジャストしたけど、選手は自分達の変化に対応出来ていない様子です。

 

◯4Qのフリースロー
バックス 15/16
キャブス 14/16

突然増えたので、全く白熱してこないのに長かった4Qでした。考えようによってはしっかり決めたバックスがキャブスが落とすの待ちと考えればワンチャンありました。

4Qだけで19点を奪ったアンテトクンポにより、バックスは得点は取れていました。クラークソンの3P3/5もあり、フリースローと合わせて守れませんでした。

キャブスが危なげなく逃げ切った試合となりました。



◉ロストコントロール

 

何とも書き難い試合でした。どっちも守れないし、挙句はフリースロー合戦になるので書くことがない。

元々守れないキャブス目線でみればラブの復帰は大きかったです。

◯ケビン・ラブ
18点 3P4/9
4アシスト 7リバウンド

コーバーと2人でスクリーンをかけあうのは、最近失っていた部分です。インサイドプレーは怪しかったけど、シューターが増えたというよりは、シューターを使うパターンが増えたのは重要です。

 

またジジッチが普通によく出来ているのですが、スタッツみたらここ5試合はそんな感じに。トリスタン・トンプソンよりも強みがあるので、分かりやすいプレーをしています。ベンチメンバーとしては有能なビッグマンになりそう。

まぁシーズンのこの時点でなりそうってのが問題ですが。カルデロンも良かったけど、ケガ人が戻ったらベンチウォーマーに戻るのだろうね。



◯FG
バックス 51%
キャブス 49%

バックスもオフェンスの事を責めても仕方ないかな。1つ言えるのはシューティング勝負に持ち込まれた時点で負けているという事。

◯3P
ミドルトン 5/9
ブレッドソー 1/8
スネル 1/7

ミドルトンがいなければ散々だった3Pですが、だからといってブレッドソーを責めるのはちょっと違う。元々確率の良い選手じゃないし。

 

アンテトクンポがいるから戦術レブロンっぽくするのは1つの手段ですが、少なくとも今季のメンバーはそんな構成ではありません。

4Qは走ったわけですが、それって前半から仕掛けるとか出来なかったのかな?



バックスのディフェンスはスイッチ前提にしていて、マークミスをなくすやり方です。リスクを減らすパターンとも言えます。

しかし、途中からはコミニケーションミスのオンパレードになります。クラークソンなんか何となくドリブルで移動してたら、ポッカリとドライブコースが空いてました。

ドラフト指名権争いをしているかのようなディフェンスです。この時期に来て理解不能。キャブスもびっくりしたのではないでしょうか。

 

守れないけどそれもコントロールの範疇というキャブス。そして得点は取れているのにロストコントロールって感じのバックスでした。

若いで済ませて良いのかい?



退屈な試合でした。プレーオフチーム同士の試合とは思えない。次回はバックスなのですが、何を褒めれば良いのかすらわからない。

3月になってからバックスが勝った相手はホークス、グリズリーズ、ニックス、シクサーズです。シクサーズは何でバックスが苦手なんでしょうか?若いから?

ある意味キャブスは負けておいてバックスの順位上げてプレーオフでの対戦狙っても良かったかもね。それくらい問題外にされていたバックスでした。

ブログトンはまだか!?

20180320 キャブスvsバックス” への8件のフィードバック

  1. ブレッドソーのバスケIQが
    低いような気がします
    いきなり3P打ったり速攻で
    突っ込んでオフェンスファール
    もらったりなど…
    復帰したら
    ブログトンスタメンの方が
    良い気がしますがどう思いますか

    1. 前回バックスを書いた時点でバレバレだったので言ってしまうとブレッドソーは嫌いです。ゲームメイクという概念がありません。それでもバックスならばアンテトクンポがファーストオプションと理解出来るので、かなり良くなっていますが。

      ブログトンは逆に頭の良さで成り立っているような選手なので重要です。しかし、今季のバックスは個人技突破を増やしたので、少し迫力に劣るのも事実です。昨季は逆に頭の良さが必須だったのですが。

      そこら辺が難しいですね。

      1. ブレッドソー、ウェイド、カイリー辺りは嫌いなのかなと思って読んでます。
        プレーメイク、ゲームメイクが出来ずかつディフェンスレスな選手はあまり好んでない印象を受けますね。
        こう書いてみると好かれる要素皆無なので納得ですけど

        1. ウェイドは嫌いではないですが、全盛期のキレはないけど全盛期のようなプレーをしているので考え直すべきだと考えています。レブロンと一緒の時間は悪くなかったです。

          カイリーはあの超絶シュートスキルは絶賛しています。ただゲームメイクはしていないので本ブログではクラッチタイム以外にはほぼ出番がないです。
          世間一般の高評価に比べると評価が低いだけで嫌いではないです。

          ブレッドソーは嫌いです。そこには何故かホームだとタックルみたいなディフェンスしてもノーコールという事情も含まれています。

          今季はディフェンスのシーズンなので、「ディフェンスが出来る選手を紹介しよう」みたいな裏テーマがある事も関係しています。データではわからない部分を伝えたいわけです。

          1. 返信ありがとうございます。
            今日の試合みるとBOSはクラッチ強い選手が多いのでやっぱり必要性が見出せないですね。

      2. 返信ありがとうございます
        確かに前半戦ではオフェンス
        手詰まり状態が多いところを
        個人技で突破する場面が
        多かったですね
        ちゃんとチームで打開できるようなシステムを作れる
        ヘッドコーチに
        来て欲しいです
        管理人さんはジャバリと
        メイカーについて
        どう思いますか
        私はどちらもチームに
        必要な存在だと思って
        いますがメイカーの
        伸び悩みが気になります
        またまだ早いですが
        来期以降に向けて
        どういった
        選手が補強として
        必要なのでしょうか?

        1. キッドは良かったと思うのですが決別したので方向性自体を見直す事になりそうですね。HC選びが全てです。
          アンテトクンポは言うまでもなく、パーカーも中心に据えたシステムにして欲しい。実はそれは昨季なのですが。

          ソン・メイカーはどうなんですかね?そこまで魅力はないですが、バックスだと主役になり難い面も関係しています。この試合の4Qには積極的にレブロンを守ろうとしていたのは好印象でした。
          現代型センターとしてはディフェンス力が重要なのでそこを磨いて欲しいです。機動力はあるので攻守にもっとボールサイドに寄る方が好ましい。

          来季はディフェンダーが必要です。強くてプレッシャーをかけるブラッドリーやインサイドを守れるアンソニー・トリバーとフェイバーズあたりがFAになります。

          1. キッドはクンポとの
            関係性含め
            好意的に見てたので
            残念です
            バックスは
            腕の長さと運動力で
            どのポジションにも
            対応できる選手を
            集めているイメージ
            があったので
            メイカーは機動力と
            アウトサイドを
            持ってる選手なので
            クンポやジャバリの
            スペースを阻害
            しないかなと
            思っており、
            期待してました。
            バックスのセンター
            ポジションは
            誰がハマるか考えると
            中々難しい気がします
            やはりDF良くて
            リバウンド取れる
            4番ポジション
            は補強したいですよね
            ジャバリはベンチから
            出て4番に入ってますけど本来であれば
            クンポミドルトン
            ブログトンメイカー
            あたりと
            一緒にスタメンで
            出ているのが見て
            みたいです
            長文失礼しました

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