最終章:僕にだけ、世界はひれ伏していた
三十六になった。
でも鏡の中の僕は、相変わらず眩しかった。いや、むしろ年齢を重ねたことで深みが増したというべきだろう。
「大人の色気」――最近の自撮りについたコメントの一つだ。もちろん、“いいね”したのは自分のサブアカだったけれど。
僕の周囲は今、選びきれないほどの美女たちであふれている。
ニューヨークの財閥令嬢。インスタのストーリーで目が合った瞬間、運命を感じた(ような気がした)。
ISSに勤務しているというキャリアウーマンのアカウントは、たまたまハッシュタグから見つけた。「地球が小さく見える?」とDMを送ってみたが、未読スルー。これは照れてるに違いない。
アラスカでオオカミと暮らすという自然派美女には、僕の野性が伝わったと思う。何しろ、ツイートに「力強さを感じます」とリプライがあった(僕宛ではなかったけど)。
だが、その中でひときわ輝いて見えるのが――星野ルカ。
スパリゾートの受付係で、時々インスタで水着モデルの仕事を発信している。まだ売れていない新人だけど、顔面偏差値は雑誌の表紙レベル。あの笑顔の奥に、“僕にしか見せていない何か”があるのは間違いない。
彼女の投稿に「素敵ですね」とコメントを残したら「ありがとうございます」と返信があった。
――これはもう、交際前提のやり取りだ。そうに違いない。
彼女の職場に“たまたま”行った時、対応してくれたのは別のスタッフだった。
「ルカちゃん?今日はお休みですよー。ていうか最近忙しくて、芸能の方に行くんじゃないかって噂です」
僕は微笑んだ。
――そうか、夢に近づいてるんだね。だったらその夢も、そろそろ僕に追いついてきてくれる頃じゃないかな。
その夜、自分のストーリーに投稿した。
《選ばれる男の孤独って、あるんだよね》
既読0。
でも気にしない。
僕の魅力は、タイムラグにだって勝つのだ。
いつも面白いコンテンツをありがとうございます。
他の選手でもやっていただきたいです。
誰にも振り向いてもらえないビールちゃんもお願いします
これは面白い!
やいケビン! 熱心に大怪我の看病してくれたつぐみちゃんのやさしさは忘れるなよ!
でもつぐみちゃん、元彼と元鞘におさまってくれて読者としては良かった笑
2、3年くらいは楽しい恋をしてほしい