さようならキャブス’25

美しく儚きシーズン

コーチ・オブ・ザ・イヤーの呪いに勝てなかったアトキンソン。どんなに素晴らしいシーズンを過ごしても、肝心のプレーオフで真価を発揮できなければ何の意味もない。そんな典型的なシーズンだったし、タイプ的にもシーズンのようなアトキンソン・マジックを発揮できませんでした。

サンダー、ペイサーズと同様にプレータイムシェアをしながらシーズンを勝ち進んだはずが、プレーオフになるとけが人が続出。なんのためのプレータイムシェアだったのか、その答えが見えない中で、残されたドノバン・ミッチェルが奮闘すると、奮闘しすぎてケガという悪循環。グリズリーズと共に辻褄が合わない終わり方でしたが、それもまたプロスポーツではよくある話です。

最大の誤算はタイ・ジェロームが完膚なきまでに叩きのめされたことでした。ヒートとのファーストラウンドではTS68%と大活躍だったので好不調の波ではなく、ペイサーズディフェンスの戦略勝ちでした。

1on1にフォーカスしたディフェンス
シュート前にバランスを崩させるディフェンス

ペイサーズの対策は大きくいってしまえば、この2点です。オフボールでもプレーに絡んでくるキャブスにおいて、ジェロームのクビ振りや視線のフェイクは効果的で、そこに引っ張られるからシュートスキルが活きまくっていたのですが、ペイサーズディフェンスはフェイクを完全に無視してきました。

それは同時にマッチアップしているディフェンダー以外は、自分のマークに集中して「パスコースを作らない」守り方でもあり、あくまでも1on1対応することでジェロームのプレー選択が『シュート』しかない状況にするのが狙いでもありました。そのためジェロームのアテンプトは倍の16点取っていたファーストラウンドとほぼ変わりません。

そしてシュートの上手いジェロームに対して、シュート前に止めに行く形を採用しており、左右のドライブからのシュートへ行くパターンを読み切り、ハンドチェックでドリブル中のボールに絡めていきました。まぁゴタゴタいうまでもなく「完璧にプレーを読まれていた」ということです。

ジェロームと最も多くマッチアップしたのは、ディフェンスの悪いハリバートンでしたがFG2/15に抑え込んでいます。プレーを読む、ハンドチェックで嫌がらせをするという点において、ハリバートンは非常に上手いので効果的だったわけです。スピードやフィジカルでぶん回されるのには弱い。

今シーズンのキャブスはガーランドがいなくても、タイ・ジェロームが時にはガーランド以上の働きでチームを勝利に導いてきました。昨シーズンはプレー機会すらなかった選手が、プレータイムシェアの導入と新たなオフェンス戦術の中で輝いたのはアトキンソンらしい美しさがありましたが、そのジェロームが完膚なきまでに止められて敗退するという何とも儚い終わり方でもあります。

サンダーとペイサーズがドラフトした若手を活用して層の厚いチームを作っているのに対して、キャブスは他のチームで上手くいかなかった選手を再生して層の厚さを作ったような今シーズンでしたが、だからこそ「ジェロームで負けた」感があるのは切なかったのでした。まぁガーランドが離脱したからなんだけどさ。

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