第三章:陽葵(ひまり)は、完璧な装飾
陽葵――名前の通り、彼女は太陽のような人だった。
その笑顔はパーティーの中心を飾り、歩くたびに誰かが振り返った。カフェで彼女がメニューを開くだけで、隣のテーブルの視線が自然と集まる。まるでこの街の景色に、彼女は“装飾”として配置されたようだった。
僕は、そんな彼女と一緒にいる自分が、悪くなかった。
高級ブランドのペアウォッチ、週末のシティホテルステイ、セレブたちの集まるルーフトップパーティー。SNSに載せれば“いいね”が爆発し、「理想のカップル」「人生勝ち組」なんてコメントがずらりと並んだ。
でも――その“勝ち”の中身は、やけに空虚だった。
陽葵は、僕の話をあまり聞いていなかった。
僕も、陽葵の悩みにほとんど興味がなかった。
なのに、「一緒にいて幸せそうだね」と誰かに言われるたび、僕たちはさらに寄り添ってみせた。
“世間からどう見えるか”というラベルのために、関係を続けていた。
本当はもう、お互いの温度にうんざりしていたのに。
ある夜、鏡越しに陽葵がぽつりと呟いた。
「私たちさ、たぶん、お互いのことより、“見られてる私たち”が好きなんだろうね」
鏡の中の僕は、笑っていた。でも、その笑顔にはどこにも熱がなかった。
いつも面白いコンテンツをありがとうございます。
他の選手でもやっていただきたいです。
誰にも振り向いてもらえないビールちゃんもお願いします
これは面白い!
やいケビン! 熱心に大怪我の看病してくれたつぐみちゃんのやさしさは忘れるなよ!
でもつぐみちゃん、元彼と元鞘におさまってくれて読者としては良かった笑
2、3年くらいは楽しい恋をしてほしい