第二章:優しさのかたまり
引っ越してしばらく、僕は無敵だった。
SNSのフォロワー数は2000万人を超え、DMは相変わらず鳴りっぱなし。
「自由な僕」はどこまでも魅力的に映っていたらしい。
そんな中、「ネッツ」と出会った。
本名は音瀬(おとせ)つぐみ。少し珍しいあだ名だけど、理由は単純だった。「ネットを通じて出会ったからネッツ」。本人がそう笑っていた。
彼女の笑顔は、太陽みたいに明るいくせに、人の弱さも静かに包み込むような穏やかさがあった。
ネッツは何でも「いいよ」って言った。
僕の思いつきのデート、意味のない嫉妬、唐突な沈黙。全部笑って受け止めてくれた。
それが、とても心地よかった。
けれど、僕は次第に欲張りになった。
「今度、YouTuberになるから手伝って」
「海外で暮らしてみようかな。すぐにでも」
「このインフルエンサーと付き合えそうなんだよね」
できもしない夢や、ただの妄想を、まるで現実の計画かのように語った。
ネッツは、最初こそ「面白そう」と言ってくれたけれど、ある日ぽつりと呟いた。
「あなたは、私と一緒にどこかへ行きたいんじゃなくて、自分が輝く場所だけ探してるんだね」
その瞬間、心の奥で何かが軋んだ。
別れは静かだった。
ネッツは何も責めなかったし、泣きもしなかった。ただ僕の目を見て「これ以上、あなたに尽くしてたら、自分のことを嫌いになりそう」と言った。
その言葉が、今でもたまに頭をよぎる。
いつも面白いコンテンツをありがとうございます。
他の選手でもやっていただきたいです。
誰にも振り向いてもらえないビールちゃんもお願いします
これは面白い!
やいケビン! 熱心に大怪我の看病してくれたつぐみちゃんのやさしさは忘れるなよ!
でもつぐみちゃん、元彼と元鞘におさまってくれて読者としては良かった笑
2、3年くらいは楽しい恋をしてほしい