さようならジャズ’25

◎マルカネンが美しくない

2年前のジャズはラウリ・マルカネンというプレイヤーの才能を存分に生かすバスケをしていました。現代バスケにおいて最高レベルの効率的な得点の奪い方はマルカネンにしかできないプレーでもありました。そのプレーを端的に示していくと

①鮮やかなシュータームーブをする7フッター

マルカネンは単にシュートの上手いビッグマンではなく、普通のシューターのようなオフボールムーブからタフな3Pも簡単に沈める213センチでした。追いかけるのも難しいムーブなのに、高さまであるから止めようがない。

②スクリーン&ポップからの3Pを決めるビッグマン

同時にビッグマンとしてスクリナーの役割も的確にこなします。ポップしての3Pはお手の物だし、ダイブしてもゴール下をねじ込む能力を持ち合わせています。姿勢の良さが次のプレーへとスムーズにつながっていくんだ。

③ディフェンスを見て方向を変えるオフボールムーブ

しかし、マルカネンの特殊性はコレ。①と②をやれる選手はサイズを無視すれば他にもいますが、マルカネンの場合は3Pを打つようなオフボールムーブから、ディフェンスの動きを見て急に方向転換してゴール下へダイブします。それを7フッターがやるのだから、当然のようにイージーショットになるわけです。

例えばこのプレー。スクリナーの動き(フェイク)から、シュータームーブへと切り替わり、3Pを狙うわけですが、ディフェンス(ウエストブルックかな)に先回りされるのですが、その瞬間にダイブに切り替えてゴール下のスペースへ飛び込みました。この「切り替え」のスムーズさこそがマルカネンの美しさ。

そしてこのプレーにはもう1つのジャズの謎が含まれています。エンドラインからのスローインにおいて、スクリナーとなるケスラーの動き1つとっても細かく複雑な形で準備されています。ウィル・ハーディがHCになってから、この手のオフェンスが多くあったはずですが、今では特に工夫のないオフェンスになってしまいました。

・・・タンクしたいだけにしか見えない・・・。

マルカネンの得意技を活用するためには
・ポジションチェンジを多く行う
・スペースを作り、囮の動きを混ぜる
・タイミングの良いパス
こんな要素が必要ですが、イタリア式3ウイングビッグの構成は、まさにマルカネン用のオフェンス戦術となっており、今シーズンは3P45%決めているジョン・コリンズもいます。ジャズがやりたいことは、マルカネンにやらせたいことだし、そのためのロスターなはずです。

ただし、パサーについては微妙どころか、全くもって重視されておらず、基本的には個人技でアタックするガードを好んで使っています。かと思ったら、コリアーがスターターになっていたりして、よくわからないんだけどね。

マルカネンのペイント内得点はシーズン毎に減っていっています。これがアタック能力の衰えならば個人の問題ですが、基本的にはカットプレーと合わせでペイントを攻めるのがマルカネンのため、明らかにチームオフェンスの影響を受けています。

なにもジャズはマルカネンと心中する必要はないわけですが、そうなるとマルカネンとの契約はジャマになります。果たしてタンクするための一過性のものにすぎず、来シーズンは元に戻るのか。それとも賞味期限が切れただけなのか。はたまた選手の組み合わせが悪いのか。

特に最悪なのは3つめで、単なる組み合わせの問題となれば、いろいろと試していかなければいけません。再建3年目なのに、これから試すのかよ・・・ってね。

さようならジャズ’25” への1件のフィードバック

  1. 私は前半で観るのをやめてしまいました
    シーズン終盤の風物詩のさよならシリーズがもう始まりましたか

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