U18アジアカップ2024

◎改善

全般的にイマイチだった内容に反して、試合ごとの「アジャスト」という点では明確な進化があったのは良いチームでした。アピールが足りないと書いたように「そもそも何もできてない」ならばアジャストなんてできないわけでして、もっと自分たちが出来ることを表現するメンタリティがあればねぇ。

同時に所属チームではマルチネスみたいなバスケはしていないだろうから、このやり方に慣れるのに時間がかかっているということでもあるのでしょう。その意味ではもっとマルチネスのバスケを学ぶ時間があればなぁと思ったし、そのためのU19出場権を逃したのは、個人レベルでももったいないものがありました。

まず、前回ふれたスクリーンの「リジェクト」においては、次戦となったフィリピン戦では一気に解消されたどころか、ピック&ロールをオフェンスのメインに置くという驚きの変化をみせてくれました。中1日あいたこともあり、悪かった部分を改善したわけです。なお、瀬川が1回だけリジェクトをチョイスしたら目の前のマークマンに1歩目で止められていましたとさ。

フィリピン相手にピックプレーを選んだのは、フィリピンのインサイドが弱かったことも関係しています。続くオーストラリア戦では前述のとおりポッププレーから渡邊や深澤に3Pを打たせており、相手に応じたプレーチョイスの変更を実行していました。こういうことをしているのはホーバスでは見ないので、非常に興味深かったです。

またフィリピンは日本のディフェンスをスカウティングしており、ヘルプポジションをとることを前提に、逆サイドコーナーへのキックアウトパスと3Pで攻略してきました。マルチネスになってディフェンス面でも細かいポジション調整やオフボールスイッチなどが増えたことは戦術的にプラスなのですが、わかりやすく弱点として扱われたわけです。

ここで試合中にディフェンスの修正が行われ、フィリピンのコーナーシューター担当に関してはマンマーク優先になりました。この手の試合中の戦略変更が普通に行われているのもグッドでした。「誰が誰を守るか」ではなく、チームとしての修正なので、こういう経験を積み上げていくことが個人の戦術力アップにもつながるでしょう。やっぱり追加で10試合くらいして欲しいわ。

カタール戦でダメだったチームオフェンスは、カザフスタン戦でオフボールスクリーンとカッティングの多様という形で修正され、リジェクトばかりの中国戦からピック&ロールのフィリピン戦、ピック&ポップのオーストラリア戦という様々なアジャストが行われたことは特筆しておきましょう。

ただ、これらが全て「効果的なチョイス」ではなかったのも事実。戦略を実行するにはインテリジェンスだけでなく、マルチなスキルというのも足りませんでした。スペイン流を実行するには育成のベースを見直さないといけないよね。

また、頼りなすぎたベンチメンバーですが、オーストラリア戦では良さも出始めており、スターターとは異なる武器が必要になったからこそ起用された感もあります。自分の武器を表現できることは、チーム戦術にも繋がるってことを、もっと実感できればよかったんだけどね。

U18アジアカップ2024” への1件のフィードバック

  1. 前回大会はタレントが揃ってましたから、前回と比較するのは可哀想なのかもしれませんね。
    ただそれでもある程度仕上げてくるマルティネスマジックよ。
    瀬川は国内ではスペシャルですが、まだPGというよりスコアラーですね。
    将来性は高いとは思いますが。

    話は変わりますがYouTubeのBリーグ公式でユースの試合観れます。
    今回の中国代表とも対戦してますので、よろしければ。
    ペイントタッチが徹底されてちょっとでも空けばスリーを打つあたり、こっちの方はホーバスっぽいバスケをしてます。

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