さようならレイカーズ’24

「僕の意見としてはチームとしての経験が足りていないように感じます。彼ら(ナゲッツ)は5年間一緒にやってきているようなものでしょう」

Byバスケットボールキング

ゲーム4を前にした八村のコメントですが、ゲーム5の後にも同じようなコメントを残しています。

「これがチームだ。優勝できる。ただ、チームを鍛え続けなければならない。優勝しているチームはみんな何年もかけて鍛え上げてきたんだ。僕たちの相性はすごく良かったし、このチームでプレーするのはすごく楽しかった。」

この八村のコメントは半分は正しく、半分は正しくありません。

これは今シーズンのNBAにおける極めて大きなテーマでした。サンダーがウエストの首位となり、ウルブズはステップアップを果たし、ニックスはコアメンバーで勝ち抜き、ペイサーズとマジックは再建からライジングしました。全て継続的なチーム作りから来た成功であり、作り直して上手くいったのはマブスくらいです。

そのため、八村が言う通り継続性は極めて重要です。でも、やる前から負けるような発言をしていること自体がナンセンスというメンタリティの問題もあれば、

これが最も重要なことです。継続性といっても各チームがマイナーチェンジを繰り返しており、コアメンバーを弄っているかの方がポイント。ナゲッツだってヨキッチ、マレー、MPJ、ゴードン、KCPとフルに揃ったのは昨シーズンが初めてだし、ブルースやクリスチャンという新戦力のベンチメンバーで優勝しています。

八村個人にとっては継続性がなくても、レイカーズというチームにおいては継続性があり、しかもレブロン&ADの初年度には優勝しているのだから、少なからず「正解のチーム構成」もわかっています。

KCP、カルーソ、ダニー・グリーン、THT、クズマ、ハワード

レブロン&ADに必要なのは優れたディフェンダーであり、自分の役割を高水準でこなす仕事人。基本的にはコーナー3Pとトランジションを生み出せるハードワーカーとADの仕事を楽にするビッグマンが欲しく、唯一マルチウイングのクズマだけが特殊な要員となっています。

もちろん、時代は動くのでハワードを連れてきても仕方がないのですが、KCP、カルーソ、THTなんかは、そのまんま連れてきたいというのが切ないラインです。ただし、契約問題がつきまとうのでカルーソとTHTを同時に残すことが出来なかったように、トレードの失敗ではなく、チームのマイナーチェンジに失敗したというだけです。

ディアンジェロ、リーブス、八村、プリンス、ディンウィディ、バンダービルド、ビンセント、レディッシュ、ヘイズ、ウッド

そして今のロールプレイヤーたちは随分と様相の違う構成です。コーナーで仕事を出来るタイプのガードは用意されておらず、レブロンとの組み合わせに課題があるし、オフェンシブな傾向が強くなっています。

シーズンが終わった直後にHCハムが解雇されましたが、その理由として「昨シーズンに上手くいったディアンジェロ、リーブス、八村でのスターターを継続しなかったこと」が挙げられているようですが、この構成は優勝した時の構成とは大きく異なります。

レイカーズは極めて難しいチームです。継続性というワードだけみれば、様々な受け取り方が出来てしまう。継続しなかったのはフロントなのか、それともHCハムなのか。同じ選手を並べることが「継続性」であり、それで勝てるならば苦労はしない。

プレーオフの5試合だけのレーティングなんて大した意味はないものの、1勝4敗という成績においてチーム3位の36.9分もプレーしたディアンジェロは攻守に大きなプラスをもたらしました。ディアンジェロの36.9分は+4.4点、ベンチに座っていた11.1分で△6.6点という計算です。

オフェンスはともかく、ディフェンスでディアンジェロ不在があまりにも大きく響いたのは、チームディフェンスとしての成熟がなく、スペースを埋める動きをしていたディアンジェロの存在価値というか、ディアンジェロの個人戦術でカバーしていただけです。

果たしてそれは「継続性」なのだろうか。「相性の良い選手を連れてこい」でしかない気がするわけです。あと優勝時で言えばKCP、カルーソ、ダニー・グリーンでカバーしてくれる部分でもあるしね。

八村の言葉通り、ナゲッツのように5年間の継続性が必要なのであれば、優勝を狙えるのは3年後。その時レブロンは42歳。なんとものんきな話だ。まぁ42歳のレブロンより、34歳のADの方が衰えてそうだけど。

さようならレイカーズ’24” への5件のフィードバック

  1. 優勝した後ヴォーゲル好みのチーム構成から年々遠ざかっていったのを振り返るとフロントが一番問題だと思います。
    記事中で仰っているようにレブロン&ADで優勝する為の最適解はわかっているはずなのに年々チーム内での二人の負担が大きくなっていってるのをどう見ているのか。

    1. ADが相当頑張った珍しいシーズンだっただけに、逆に周囲がサボったようにもみえるんですよね。
      強いのかっていえばレブロン&ADは強いんだけど・・・みたいな

  2. LALの脇役陣に対して、
    レブロンから何か仕事を減らすくらいはして欲しいと思いました。
    全盛期ボッシュやウェイドすら一歩引いた仕事を懸命にやっていました。
    せめてリバウンドなり、ディナイやディフレクションなりもう少し気を効かせて常に全力でやって欲しいと。
    チャルマーズみたく時にはレブロンに食ってかかるくらいメンタルが欲しいと、今年のLALのロールプレイヤー達を見てて思いました。
    MINやDEN、DALの試合を見ると尚更です。

    1. コーナーでパス待っているだけってのがね。それ以外に仕事を定義できていないHCの問題でもありますが、定義したらできたのかっていうと・・・

      レブロン帝国すぎますね。

  3. そりゃあレブロンとADがいればある程度は強いですよね、、、
    それでも、西の3強と比べたら劣るわけで(サンダーは相性云々ありますが)、順当な敗退だとは思いますが、それにしてもナゲッツに粉砕された去年があるのに、ナゲッツに勝つためにどうしたらいいかを考えてないようなシーズンでした。チャレンジャーの精神が不足している風にも見えた中で、クリスティなんかは明らかに能力は不足してる中で自分が何ができるかを必死に体現していて見てて面白かったのに試合に出てもこなくなって、、、

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