◎必殺カットプレー
3Pが決まらないのにカットプレーは決めるMPJというのもありましたが、マレーへの対応を強めた結果、ゴードンを空けることになり、そしてスーパーゴードンへと進化されたのがヒートディフェンス最大の誤算でした。
〇ゴードン
27点
FG11/15
3P3/4
6アシスト
7リバウンド
いちばん決まる見込みの薄いゴードンの3Pを捨てるのは鉄板であり、ここを決められまくったことは諦めるしかありません。ヒートだってラブが決めたんだしさ。しかし、違いがあるのはゴードンはインサイド合わせがメイン仕事であり、そこをやられてしまったヒートだということ。3Pを無視したんだから、カットされるなよ。
しかも6アシストのオマケ付き。ヨキッチ代役のセンターまでこなされてしまい、踏んだり蹴ったりだったヒートです。でも、それは置いておこう。この試合のヒーローはゴードンだったってことだけ押さえてね。
似た者同士のシリーズとしてナゲッツがカットプレーを決めるならば、ヒートにもカットプレーがありました。好調のダンカン・ロビンソンは今日も12点をマーク。
ナゲッツのディフェンスはダンカン中心に3Pを嫌がっているので、明確にスイッチ&チェイスしてきます。ダンカンは3Pを打ち切れない代わりに、フェイクからドライブして柔らかなフローターを決めていったのが印象的でした。
3P狙いのオフボールをチェイスしてくるってことは、ヒートにとってもカットプレー連打のチャンスです。ダンカンが3Pからコースを変えてカットプレーもあれば、スクリナーをしていたバトラーがフィジカルにローポストポジションを押し込む形もあります。
ところが、パサー役のアデバヨとマッチアップしているヨキッチがカットプレーが決まりそうなところで悉くパスを止めました。何度もキックボールしていたな。アデバヨのパスコースを読み、そこに体と手足をだして止めてしまったヨキッチにより、ヒートのオフェンスはやり直しを命じられてしまいました。
しっかりとチェイスしてフリーを作らせず、フリーが生まれそうでもヨキッチが邪魔して元に戻す。
ナゲッツが必殺カットプレーでリードを広げていったのに対して、ヒートは苦しくなったところでカットプレーとハイローを使いたくても使い切れない。点差以上に内容の差があるのは間違いないですが、このアデバヨのパスにヨキッチが触っていなければ、点差そのものも開かなければ、ヒートの鮮やかなオフェンスという内容も生まれていた気がします。
ちょうどセルツはダンカンを止めることに気をつかいすぎ、それがバトラーへの警戒を緩めることになってしまったゲーム6のスマートみたいなね。同じようなことはナゲッツにも起きそうなのに、ヨキッチの「読み」が勝ってしまった。
また、それならばアデバヨがパスフェイクからのドライブを増やせばいいのですが、これは3年間ずっと続く課題だしさ。ちなみに、ヨキッチがアデバヨのパスを止めた直後のオフェンスで、ヨキッチはハンドオフフェイクからドライブしてねじ込んでいました。メンタルダメージを与えたそうだったヨキッチ。インテリジェンスの勝利。