ナゲッツvsヒート
「ヨキッチにやられる方がマシ」というのはナゲッツ対策のスタンダードですが、41点をヨキッチに与えて勝利をもぎ取ったヒート。ナゲッツはこのプレーオフではホームで始めての敗戦。つまりシリーズが2-0にならなかったのは初めてであり、ゲーム3に負けると初めてのビハインドです。
◎パターンを明確に
ヒートはラブをスターターに戻してきましたが、これ自体がディフェンス力を上げるかは怪しいものの、明確に2人のビッグが備えるからローテの考え方は楽になりました。トランジションでヨキッチにアデバヨがマークできなくてもラブにスライドさせればよく、アウトサイドに追いかけてこないラブだけど、そこだって「インサイドカバーはラブがする」ことが明確なので、気持ちが楽になったように見えます。
アデバヨはヨキッチ対応で引き出されることになり、空いたゴール下にゴードンが飛び込んでくる・・・けどラブがいるじゃん。ラブがいるっていうか、ゴードンvsビンセントみたいなミスマッチを簡単には作られなくなりました。スイッチ要員が増えたし、誰がアウトサイドをおいかけて、誰がインサイドをカバーするかが明確になったのはケイレブとラブのディフェンス力の差を補えています。
その一方でハイポストのヨキッチ対応は困っています。困っているというか、シンプルにアデバヨとヨキッチのシュート力の差がそのまんまって感じ。カットプレーへの対処が改善したってことは「誰かが追いかけている」ってことであり、そうなると真ん中にいるヨキッチの厄介さが増してきます。でも、そこを止めるしかないんだ。止められないんだ。
オフェンスでは逆のことがいえて、3Pを打ちたいシューターのオフボールについてくるナゲッツ。だからラブとアデバヨはそこそこフリーになれます。試合の初めはラブの3Pとアデバヨのミドルで先行していったヒート。わかりやすい。
ただ、どうしてもね。ハイポストからのアデバヨの決定力というか、プレーパターンというか。ヨキッチ相手なので、もっとスピードで振り回してほしいけど、それがドライブだと読まれているし、じゃあ何するかって話だよ。うん。難しいよ。
例によってダンカンが登場すればオフェンスパターンが増えます。単純なハンドオフ3P以上に、オフボールのコース取りやギブ&ゴーが相性として明確に出てくるんだよな。選択肢が増えたようなアデバヨなので、ドライブも効きます。なお、ヨキッチはベンチの2Q序盤の話。
ナゲッツからするとアデバヨ&ダンカンの時間にノーセンターで誤魔化しています。ゴードンがアデバヨ担当ですが、スイッチングディフェンスでシューターを追いかけていく。だからアデバヨがハンドオフフェイクを使うのが大事です。こうしてオフェンスパターンを増やせるかどうかのシリーズだ。
同時にバトラーがボールを持たない方がベターというのも続いています。プレーが限定されるほどにナゲッツのディフェンスにハマりそうだし、カバーディフェンスの上手いナゲッツに対して、出来るだけ早いタイミングでパスを振っていこう。
そしてケイレブのドライブからゴール下でアデバヨがダンク、ブルース相手のジャンパーを決めたアデバヨ。バトラーが休んでいても、何も問題がないというこのプレーオフではみない現象も起きていくのでした。