プレーオフ②サンズvsナゲッツ

6試合を振り返ろう

ゲーム6をナゲッツが制し、白熱したシリーズは幕を閉じました。前半で30点差がつく一方的な内容であり、サンズとしては昨シーズンのマブスに続くエリミネーションゲームでの大敗としてショッキングな内容でしたが、実際にはナゲッツの強さを感じたというだけで、去年の程のショックはありません。気にしても仕方がない。

ということで、ゲーム6だけ振り返っても仕方がないので、シリーズ全体を振り返りましょう。

◎サンズの心変わり

ファーストラウンドでレナード対策だったクレイグがスターター起用され、25.5分、12.4点、3P56%と大活躍しましたが、そのままクレイグも酷使するのかと思いきや、ジャマール・マレー対策でオコギーをスターターにしてきました。結果、クレイグは9.3分という短いプレータイムに終わりました。

スターターになったオコギーはマレー担当としてプレーしていきましたが、連敗スタートになるとオコギーこそスターターでも、ベンチメンバーの使い方を大きく変更したモンティでした。

〇プレータイム
シャメット 14 ⇒  0 ⇒ 25 ⇒ 30
ペイン    5 ⇒ 17 ⇒ 30 ⇒ 25
ウォーレン  0 ⇒  0 ⇒ 26 ⇒ 19
ロス     0 ⇒  0 ⇒ 14 ⇒ 17
ランドール 10 ⇒  5 ⇒ 22 ⇒ 21
ビヨンボ   6 ⇒ 10 ⇒  0 ⇒  0
クレイグ  24 ⇒ 11 ⇒  3 ⇒  0

ペインにはクリス・ポールの離脱という事情がありましたが、シャメットを除いてゲーム2までとゲーム3以降では選手起用がガラっとかわりました。基本的にはディフェンス要員のプレータイムを減らして、オフェンス要員を増やした形です。

これでゲーム3と4はそれぞれ120点を超えて連勝したわけですが、言い換えれば初めの2試合でモンティが得た情報は

ディフェンスの勝負では勝ち目がない

ということです。つまり「ヨキッチを止めるのは不可能」であり「ナゲッツのディフェンスにハマっている」ということでした。プレーオフになると判断の悪さが目立つモンティですが、中3日という時間が空いたことで思い切った戦略変更に踏み切れました。これがなければスイープされていた可能性もあります。

ヨキッチ対策として最も有効な「ヨキッチに点を取らせろ」を実行し、そこにエイトンというのはヨキッチが最も苦手とする形だったため、ディフェンス勝負から始まったのは理解できるわけですが、従来は効きまくっていたエイトンのディフェンスが、今のヨキッチには何も関係ないものでした。

〇vsエイトンのヨキッチ
27点
FG13/25
2フリースロー
5アシスト
3ターンオーバー

とはいえ、ヨキッチ相手にエイトンは奮闘した方です。ゴベアはFG60%なので52%のエイトンはちょっとだけマシだった。ただ、ヨキッチからすると、、、いやナゲッツからすると得点のほとんどが正面からのマッチアップを攻めるのではなく、崩して崩して、しつこくパスを回して最後にヨキッチなので、エイトンとの勝負はそこまで重要ではなかった。&エイトンがいなくなったゲーム6はどうにもならなかった。

そのため「ヨキッチは止められない」が成立し、オフェンス重視に切り替えたモンティでした。まぁここは誰が見てもわかるよね。ロースコアに持ち込んでもヨキッチ&マレーを上回るのは簡単ではない。同時にブッカー&デュラントの個人技アタックでは、ナゲッツディフェンスにハマってしまうので勝ち切れなかったという面もあります。

FG80%だったゲーム3、FG78%だったゲーム4とブッカーのオフェンス力は偉大でしたが、それは同時にブッカーのキックアウトから周囲が得点をすることで、よりブッカーを止めにくくなったことが関係しています。ただの1on1ならばデュラントが止められている状況でブッカー単独で攻略できるほど甘くはない。

〇ベンチポイント
勝ち試合 31.0
負け試合 16.5

サンズが120点に届くかどうかは、ほぼここにかかっていました。ナゲッツの得点を抑えることが出来るならディフェンダー優先でもよかったですが、止められないならば点を取るしかない。ブッカーが目立ちに目立ったけれど、勝負はベンチメンバーが積み重ねることでハイスコアで戦えるかどうかでした。

この点で、クリス・ポールがケガをしなければ、ナゲッツディフェンスは「クリス・ポールを空けておく」が永遠と成立したので、スイープで終わったかもしれません。ケガの功名みたいな2勝でしたが、いろいろと厳しかったシリーズでした。

プレーオフ②サンズvsナゲッツ” への3件のフィードバック

  1. 最高の記事ありあとうございます。あと最低二回はこういう記事が読みたい(切実)
    レブロン、カリー、レナード、今年はKDも、、、西ではこの辺のスターを何人か倒さないとFINALにはいけないと思っていたので、次はレブロンを倒してほしい。
    そもそも彼らのようなスターF対策でAGを獲得したと思うので、てかカリーよりはよかったと思うんですけどね
    アントにもブッカーにもかなりやられましたし
    でもリーブスがいるかぁあまり好きなタイプじゃないなぁ
    とりあえずマレーとMPJとCBを全力で応援です。ヨキ様は応援しなくても30オーバーのトリプルダブルしてくれると思うので(むしろヨキッチが40点、50点に乗せてるとかなりヤバイ展開だと思うので)
    配信やTwitterも楽しみに見てます

  2. これからミカル達とKDのトレードは失敗だったという批判は多く出てくると思うんですが、トレードした各選手の活躍度合いもそうですが、モンティの起用法に合ったトレードじゃなかったことも問題でしょうね。
    サンズのフロント的には、「ロスやウォーレンもハンドラー枠で使ってね」というつもりで集めたんでしょうが、結局POではどちらも最初から信用が薄いか1試合で見限られるかで、ブッカーやKDの負担軽減は殆どできていませんでしたし、オーナー交代のゴタゴタでコーチ陣とフロントがきちんと連携できないままに一連のトレードが行われたのではないかと考えています。
    もちろんロス達を信用できなかったモンティにも問題があるのですが、新しいチーム作りに移行するためにフロントが今季のPOを捨てたようにも感じられて、選手にとっては単純に優勝への賭けに負けたという事実以上に辛い終わり方のシーズンだったように思えます。

    1. デュラントをとるチャンスがあったから手を出さずにはいられなかったのでしょうが、デュラントがいたら優勝できるってのは安易でしたね。
      周囲に置くロールプレイヤーを変更しないと機能しませんが、そこにスコアリングな選手が多すぎました。

      モンティで上手くいっていた部分は、NBAに残れなそうな選手を活躍させることですが、それがなくなったら厳しいですね

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