さようならピストンズ’23

◎アイビーとヘイズ

期待のアイビーはルーキーで3位の得点と、トップのアシスト数を記録しています。なんとなくジェイレン・ウィリアムスの方がよかった印象はありますが、それはFGとターンオーバーの部分なので、2年目にディベロップメントしてくれればOKって感じです。

〇アイビー
15.3点
FG41%
3P34%
4.9アシスト
3.0ターンオーバー
0.8スティール

アイビーがボールを持つと明らかにスピードが違い、なんでもない攻守の切り替えをトランジションに変えてしまいます。このスピードの強みから周囲を見てプレーを作っていますが、ちょっと視野は狭い。インサイドのフィニッシュ力にも課題があり、全力スピードで突っ込むまでは怖いんだけど成功率が低い課題がありました。

それでも違いを作れるのは良いことだ。あとは伸びるかどうかが全て・・・なのですが、ここでもチームとしての課題が明確に出ています。

〇ペイント内得点
10月 8.9
11月 7.5
12月 5.6
 1月 5.7
 2月 3.8
 3月 4.6

見ての通り、次第にペイント内得点が減ってきました。その理由が「得点自体が減った」でも「3Pが増えた」でもなくて、純粋にペイント内に侵入しにくくなってきたことが原因です。ちなみにミドルの本数を見てみるとこんな感じ

〇アイビーのミドル
~12月 35試合 44本
 1月~ 29試合 73本

1月以降はアイビー本人が確率良く決めているので増えたってのもあるでしょうが、インサイド渋滞が強くなったことで、スピードで飛び込みにくくなっています。結構な大問題。

ただし、これにはアイビーがPG役が増えたことも関係しています。ポジティブに見れば「カニングハムがいない間にPG修行をした」ことにもなるので、否定的に見すぎても仕方ないかな。ここも来シーズンの成長次第ってことで。

〇アシスト
10月 3.7
11月 4.6
12月 3.8
 1月 5.6
 2月 5.8
 3月 6.6

コンボガードとしてはプレーメイクの下手さが目立っていますが、シーズン後半になるにつれてアシスト数を増やしており、カニングハムがいないことを成長の機会に出来ています。個人技で抜く必要があって辛そうなシーンも多いですが、プレーパターンを増やしていると思いましょう。

同じくカニングハムがいないことで苦労もありながら、それなりの結果を出し始めたのが3年目のキリアン・ヘイズ。3年目がこれでは物足りないけれど、先にNBAに来たことによるメリットみたいなね。下手すると今シーズンでさようならの可能性もありましたが、まぁまぁ、なんとか、それなりに。

〇キリアン・ヘイズ
得点 6.9 ⇒ 9.7
FG 38% ⇒ 37%
3P 26% ⇒ 28%
アシスト  4.2 ⇒ 6.2
スティール 1.2 ⇒ 1.4

・・・アレっ元に戻っているじゃん。ってことでシュート能力の改善は気のせいでした。11月から1月まで3P30%を超えてマシになったかと思いきや、2月以降急降下しており、どうにもならないヘイズです。

一方で、これだけ決まらなくても自信をもってプレーするようになったので得点とアシストが伸びています。とてもじゃないけど、高いサラリーは払えないけど、それはそれとして控えPGにするかどうか。

ということで、どうしようかヘイズ。もう諦めてもいいけど、ピストンズでまともにオフェンスを組み立てられるのもヘイズだけでした。第3PGもいないに等しいので、完成度の高いPGをドラフト2巡目とかで連れてこない限りはヘイズでいいんだよね。でも、このシュート力が改善するのかどうかと、アイビーのスタッツで見た通り、PGがミドルを決めていくのが前提のオフェンスになっているのも頭が痛い。

一方でディフェンスについては評価できる選手なので、やっぱり第3PGとして期待しておこうか。ここがピストンズの違う問題なのだけど後述しましょう。

◎ハンドラー過多

カニングハムがいなくなり、スペーシングの概念が消え、ウイングの活用が出来ず、オフェンスリバウンドに活路を見出し、PGがミドルを打つべき戦術へと・・・いや戦術のないチームになったわけですが、パスも回さないので当然のようにハンドラー勝負になりました。

〇プルアップアテンプト 25.7(5位)

その結果、プルアップが多いチームになりました。上位にいるのはホークス、サンズ、ネッツ、クリッパーズなので「スーパースターのハンドラーがいる」チームです。彼らは自分たちの強みですが、スーパースターのいないピストンズが同じようにプルアップ連発しているのだから救えません。

ちなみに同類と思われがちなロケッツだって20.3本で26位です。いかにピストンズが突出して変なチームかわかります。

このプルアップを打っているのがボグダノビッチ、ヘイズ、バークス、アイビー、ジョセフと続くので、これまた頭が痛くなります。バークスを売ることは出来なかったのかな。

結局のところ、勝てるようになるには時間がかかるわけで、その時に誰が残っているかを考えなければいけません。ボグダノビッチを混ぜておき、ロールモデルとして手本にさせるのは大事ですが、ハンドラーアタック中心では意味がないし、再建中なのにバークスのようなインスタントスコアラーに頼る必要性もありません。そもそも勝ってないじゃん。

ハンドラーの個人技とリバウンド勝負

こんな傾向が強い今シーズンでした。いや、段々とこの傾向が強くなってきました。勝ちゲームは負けゲームよりもオフェンスリバウンドが2本近く多いの変だよ。シュートが決まるから勝てるのに、落ちたシュートを回収している回数が多いんだもん。

ってことで、これがどう来シーズンに繋がるのでしょうか。特に個人技勝負するならばヘイズはもちろん、カニングハムも向いていないんだよね。PGから入れ替える必要があるのだよ。

ディフェンスの問題 ⇒

さようならピストンズ’23” への2件のフィードバック

  1. 新しいHCは誰になるか、超気になりますよね。
    基本的に選手が若く、それでいて成熟しているカニングハムがいるので、若手の育成も出来、かつ結果も残せるN.ナースだったら、面白くなりそうですけどね。
    元上司や同僚たちもいて、環境的には揃ってる気がしますけど…

    1. カニングハムの才能を評価しているHCを連れてかないと何にもならないでしょうね。1on1オフェンスしちゃうとダメですからね

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