さようならピストンズ’23

◎それスチュワートにやらせるの?

ピストンズの補強ポイントは明確でした。カニングハムがいる以上、人もボールも動くし連動する。ただ、どんなに連動してもフィニッシュ力に欠けるロスターでした。あとは高確率で決めてくれる選手を連れてくればOKだった。特にペイント内でのフィニッシュ力が低く、素晴らしいプレーメイクからゴール下を堅実に押し込んでくれる選手は重要な補強ポイントでした。

そこでドラフトではジェイレン・デューレンを獲得。スチュワートとポジションを争い、切磋琢磨させていくのだと思われました。ところが開幕からスチュワートの方が予想外のプレーを見せます。

〇スチュワートのアテンプト
3P 0.6 ⇒ 4.1
2P 6.3 ⇒ 4.7

なんとオフに3Pビッグになって帰ってきました。「補強ポイント」は「インサイドのフィニッシュ力」だったのに、スターターセンターを3Pビッグにしたのです。全く打てないと思っていたスチュワートが32%決めたのは驚きでしたが、結局、TS56%程度なのでフィニッシュ力は何も改善していません。嘘だろ。

〇オフェンスリバウンド 3.2 ⇒ 2.3

今でも十分に強いものの、オフェンスリバウンドを減らしてしまいました。またブロック数も1.1⇒0.7と総じてセンターとしての圧力はなくなりました。というか、驚くことにシーズン途中からスチュワートはウイングになり、デューレンやワイズマンをスターターのセンターに据えました。嘘だろ。

スチュワートが3Pを打つといっても確率は32%程度。この程度の確率の選手なら吐いて捨てるほどいます。ドライブ能力やパス能力などを考えていくと、普通のウイングを起用した方が遥かにマシです。もちろん、ツービッグとしての魅力そのものはあるので、スチュワートがPFを出来ることはマイナスではありませんが、それなら本職を探せばいいし、バグリーがいるじゃないか。何故かスチュワートの競争相手はデューレンではなくバグリーになったのです。

また、スチュワートの良い部分は「センターながら運動量が多く、ガード相手でも平然と守れるマルチディフェンス」にあります。こうしてセンターがガード相手にスイッチすると、インサイドにはカニングハムがスッとカバーにはいってくれるチームディフェンスがピストンズの特徴になっていました。

しかし、それは「センターがガード相手でも守れる」から生まれるメリットです。ウイングがガード相手に守れても、他にセンターがいるならば、相手からするとそっちのセンターを狙えばOKです。しかもそれがワイズマンなら何の問題もなく狙えるよね。

3P打たせてPFにし、スチュワート最大のメリットが消えた

3Pを打っていることについてはマイナスだけではないし、40%決めるならば大成功でした。でも、それで守れないセンターを置いてしまったらスチュワートの意味なんて何もないよね。この判断は10人いたら9人が「ベイの方がいいじゃん」ってなるのですが、残り1人がケーシーでした。

なお、ツービッグにしたピストンズはリバウンド数が43.0⇒42.7と微減しました。せめてリバウンド中心にディフェンス力がアップすればよかったのですが特に意味がなかったってことですね。ひょっとしたらカニングハムがいれば、カバーリングもしてくれれば、リバウンドも取ってくれるので、ツービッグは発生しなかったかもしれません。

◎期待のデュ―レン

一方でルーキーのデュ―レンについては、期待通りの高確率フィニッシュをもたらしてくれました。ピストンズにはいなかったタイプのセンターで、ゴール下の強さに加えて、アジリティの高さもあり、なんかもう別にスチュワートはベンチでいいんじゃね。

〇デューレン
8.8点
FG63.3%
8.9リバウンド
0.9ブロック

3Pは打たないのでFG=EFGのデュ―レンは、ピストンズで唯一の60%オーバーです。つまり「デューレンに打たせるのが、チームで最も効率の良いフィニッシュ」ということです。デュ―レンに合わせていくこと、もしくはデューレンを囮にして打つことが基本ラインになります。

シーズン当初、セカンドユニットでヘイズと組んでいたデューレンにはその傾向がありました。シンプルなツーメンゲームからのフィニッシュはスチュワートだとポロポロとシュートを落としていたプレーです。

やっとヘイズにもインサイドの相棒が出来たのかと喜んでいたのですが、そんな時間のも束の間。シーズンが進むにつれてハンドラー過多で、プレーモデルがなく、ロールマンプレーが減りました。

〇ピック&ロール ロールマン
6.4回 ⇒ 4.9回(19位)

まぁいうまでもなくカニングハムがいないから・・・。せっかくビッグマンが増えたのにスチュワートは3P担当になるし、デューレンへのパスは少ないし。個人で打開するタイプではないだけに、連動してフィニッシュさせるのが大事なのですが、どうしたらいいんだ。

〇デューレンへのパス
回数   14.1
シュート 4.7

14本のパスは思ったよりも多いくらいですが、そのうちシュートにまでいったのは4.7本のみ。これを2.5本決めているのですが、実質的にデューレンはチームメイトのパスから5点しかとっていないことになります。

なお、デューレンはオフェンスリバウンドに強く、セカンドチャンスで3.1点を奪っており、個人能力ではしっかりと点を取っているイメージです。ピストンズは補強ポイントにルーキーを加え、期待通りのゴール下の強さを発揮してくれたけど、チームとしては上手く活用できていないのです。嘘だろ。

高確率のフィニッシュ担当は加わったが、パスがこなくなったので大した意味はなかった

そしてセンターにワイズマンを加えました。そのワイズマンをスターターにしています。ワイズマンはタイプが違う上にあわせのプレーがへたくそ。でも、そんな選手を優先しているっていうのはいかにもケーシーらしいわけです。

カニングハムナイズされた昨シーズンに足りなかった要素は、カニングハムがいないなら不必要な要素とすら見えているような今日この頃。シーズンが進むにつれてカニングハムがいたときのことを忘れてしまうHCでした。

ウイングの仕事は何なのか ⇒ 

さようならピストンズ’23” への2件のフィードバック

  1. 新しいHCは誰になるか、超気になりますよね。
    基本的に選手が若く、それでいて成熟しているカニングハムがいるので、若手の育成も出来、かつ結果も残せるN.ナースだったら、面白くなりそうですけどね。
    元上司や同僚たちもいて、環境的には揃ってる気がしますけど…

    1. カニングハムの才能を評価しているHCを連れてかないと何にもならないでしょうね。1on1オフェンスしちゃうとダメですからね

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA