ジェイレン・グリーンはハンドラーなのか

KPJとエリック・ゴードンによるハンドラーオフェンスをしていたロケッツですが、今シーズンはジェイレン・グリーンのハンドラー化に取り組んでいます。「いや、違うだろ」って感じですが、この「違う」とは何なのかを考えてみましょう。

まず、グリーンの選手としての特徴に触れると、身体能力に優れ、得点力に特徴がある反面で、判断力が足りず、パス能力やコンビプレーに課題があります。

かつてブッカーがPGやりはじめてパス能力が向上したように、グリーンもハンドラーになることで判断力やパス能力が向上する可能性があり、「勝たなくていいからさ」という修業期間のロケッツにおいて、グリーンにハンドラーをやらせるのは悪いことではありません。最終的にブッカーはルビオ→クリス・ポールと良いPGと組んでるわけですが、同じようにディアンジェロを連れてこい。

これだけなら悪くない話なのですが、ブッカーだってスコアリング能力を向上させてからPG修行をしており、そこには様々な途中経過がありました。そういえば初めはブレッドソー問題もあったな。ある意味で今のロケッツと似ているのかな。グリーンには様々な課題があります。

「スクリーンの有効利用」
「得点パターンを増やす」
「1on1スキルの向上」
「フィニッシュスキルを増やす」
「シューティングの安定」
「ファールドロー」

グリーンには(たまに)オフボールのスクリーンも用意されますが、全く活用できておらず、キックアウトパスを受けての3P以外はオフボールでの得点パターンがありません。ブッカーがミドルレンジに飛び込んでのジャンパーだったり、ポストアップからのフェイダウェイなど、現在でも活用しているスキルを身に着けていったのに比べて「3Pかドライブか」なのが現状です。

「得点パターンを増やす」は重要な課題です。なんせハンドラー云々の前に、グリーンはドライブの確率が悪く、身体能力やシュート能力はあっても、フィニッシュスキルの低さが際立っています。

〇ドライブ
8.4点
FG43.4%

ほぼスピードだけで抜いているのに、これだけ点が取れるのはスゴイのですが、フローター系統のソフトなフィニッシュがなく、レイアップかジャンプシュートが基本です。リング近辺でのステップワークもないので、FG成功率に課題があります。

ちなみにKPJもFG43.9%と悪く、ロケッツはリーグで4番目に多いドライブ数なのに、FG成功率はワースト2位です。自分たちが得意ではないプレーを多く実行しているというドMチームです。ちなみにFG最下位はホーネッツですが、ロケッツよりも多くドライブしています。ラメロが決まらないんだよ。

グリーンがペイント内で威力を発揮するほど、ディフェンスは集中し、集中するからキックアウトのスキルが必要になります。だからこそ、まずは「フィニッシュスキルの向上」にフォーカスし、それが必然的にキックアウトの向上に繋がるはずですが、先にキックアウトを向上させる修行をしても、その効果は低いです。

ルーキーシーズンのアンソニー・エドワーズが、シーズン途中から驚くほどにコーナーへのキックアウトをしていきましたが、そこにはドライブからのFG成功率の改善もありました。

〇ルーキーのアントマンのドライブ
オールスター前 5.2点 FG39.2%
オールスター後 8.2点 FG52.4%

この数字を見ると、キックアウトの向上も納得です。エドワーズも柔らかなスキルなどはありませんが、豪快なフィニッシュはディフェンスをひきつけ、ひきつければキックアウトは大事になります。ちなみにエドワーズは、この方向性で伸ばせばよかったのに、2年目の改善がプルアップ3Pになっており、そして3年目は得意のインサイドアタックをチームに封じ込まれました。

グリーンのハンドラー化は「順序が逆」

って感じです。あるいはドライブ能力が改善する可能性が低いから見限られたのかなんなのか。マブス出身のサイラスってこともあり、ドンチッチを中心としたオフェンスを夢みているだけなのでしょうが。

オフボールで取り組むこと ⇒

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA