さようならナッシュ

2年目を迎える前に師匠ダントーニがチームから離れてしまいます。ウドカはセルティックスのHCに就任しており、チームは混乱に陥りました。

混乱っていうか、例によってカイリーが離脱したのです。この3年間のカイリーの欠場の多さは、チームに連携が生まれない要因の1つでもありました。そこに戦術がないナッシュなので、自然発生的な連携構築も難しかった。

思い起こせば、カイリーについてはアトキンソン時代が最も輝いていた気すらします。平均得点もアシストもアトキンソンでの19-20シーズンが最も良い成績でした。

〇カイリーの出場と欠場
19-20 出場20 欠場52
20-21 出場54 欠場18
21-22 出場29 欠場53

〇デュラントの出場と欠場
19-20 出場0  欠場72
20-21 出場35 欠場37
21-22 出場55 欠場27

〇カイリーもデュラントも出場した試合
20-21 27試合
21-22 17試合

なんだこれ。酷すぎるだろ。そりゃあ戦術担当ACがいなくなったら崩壊します。ちなみに今シーズンは既に8試合も2人同時に出ています。3年間合計52試合のうち8試合が今シーズンです。

ってことで、ナッシュの2年目はハーデンがブチ切れました。

〇21-22のハーデン
得点 22.5点
リバウンド 8.0
アシスト 10.2
スティール 1.3

リバウンドとアシストでチームトップ、得点が3位でスティールが2位。負担の大きさに切れたのか、こんなに負担が多いのに勝率は5割前後、オフェンスレーティングも10位前後のチーム事情にキレたのか不明ですが

外から見ると「ダントーニがいなくなって耐えられなくなった」ようにしか思えず、ただただムリヤリでも突破することを求められてしまい、意外と論理でやりたい派のハーデンには耐え切れませんでした。ステップバック3Pが論理なのかっていう疑問はあるけどさ。

この頃になるとナッシュの評価は地に落ちていました。「勝てない」とかそういうことではなく、戦術が何もない上に、時間と共にダントーニ成分が消えて酷くなっていきました。スペーシングって知ってる?状態。

「自分で決めきる能力」においてカイリーやデュラントには劣るハーデンなので、なおさら耐えられなかったのでしょう。チームの雰囲気も悪かったらしく、ハーデンがいなくなるとハッピーになった選手もいたような。

しかし、ナッシュにはツキもありました。「ハーデン大好き」のダリル・モーリーが多大なアセットを送り込んでくれたことです。シモンズは出なかったけど、セスとドラモンドが加わり、ドラギッチもやってきたので、実はハーデンがいなくなった後はオフェンスは改善しました。カイリーとデュラントがプレーしただけですが。

しかし、あまりにも守れないのでシーズンは7位となってプレーインに回り、なんとかプレーオフには進んだものの、ウドカのセルツに4連敗でした。

〇プレーオフのプレータイム
デュラント 44.0分
カイリー  42.6分
ブルース  34.7分
セス    33.1分

このプレーオフで私たちは「デュラントも疲れる」ことを知りました。終盤に落ちていくデュラントと勝利を決定づけるテイタム。それは時代のバトンを受け継いだようにすら見えました。

ということで、ナッシュ采配のエースへの依存度の高さはサイボーグだと思っていたデュラントが人間であることを教えてくれたのでした。

さて、何故ナッシュはこの時点でクビにならなかったのでしょうか?

2勝5敗の開幕スタートよりもプレーオフのファーストラウンドで4連敗の方が罪が重い気がするのですが、ここを乗り切りながらも生き残るほどのナッシュへの信頼はどこへ消えてしまったのでしょうか。そもそも信頼すべき功績なんてあったのでしょうか。

ナッシュの功績? ⇒

さようならナッシュ” への1件のフィードバック

  1. 戦術シモンズをしようにも、センターがクラクストン、シャープと(スリーの無い2人)だったのが、致命的だったように感じます。

    セス、ハリスの序盤離脱もありましたが、スペーシングが乏しいことで、シモンズから生まれるのがドリブルハンドオフ程度で、カッティングやロール等の多様性に限界があったのは補強の失敗とも言える気がします。

    ウドカが2ビッグでホーフォードを起用したように、デッドラインでの動き次第で優勝も見えてくるように思います。それこそ昨季のBOSのような飛躍を期待してます。

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