ピストンズの進化はどこにある

◎充実し始めたウイング

再建チームとしての昨シーズンはスモール戦略であったため、マグルーダーをコーナーに置いた形が機能していました。また、ジェレミがケガをしたことでディアロがスターターになると、中央のスペースをガード陣が使えるようになり、窮屈さがなくなりました。実はジェレミのケガはポジティブに働いています。

こうしてカニングハムとヘイズが中央のスペースを活用したプレーメイクがメインになってくると、シーズン後半には他にもロールプレイヤータイプのウイングが登場したのは驚きでした。GMはオフの段階で、両ウイングをこなせる新キャラ脇役をしっかりと確保しておいたわけです。なお、ケーシーはそういうタイプを好まない傾向があり、ハンドラー優先なのですが、ついにサベン・リーも放出されたしね。あとはコーリー・ジョセフくらいか。

特に管理人のお気に入りはディフェンス力が高く、オフボールで複数の仕事をしてくれ、3P42%だったアイザイア・リバースですが、ブラクストン・キーもいます。

オフの補強では、アレック・バークスとケビン・ノックスを加え、そしてボグダノビッチの獲得でした。オリニクがいなくなったことでバグリーだけになったPFタイプはツービッグ時のオプションみたいな雰囲気で、基本はウイングを手厚くしてきそうです。この方がゴール下でデューレンは働きやすくなるし、ワイドに広がるオフェンスだろうね。

ボグダノビッチ
サディック・ベイ
ディアロ
マグルーダー
リバース
キー
バークス
ノックス

気が付いたらマルチウイングだらけになりました。バークスを除けばボールを持たなくても仕事をするためのシュート力、カッティング、フィジカルなど複数の特徴を持ちます。ウイングには得点力も求めるけど、フィジカルな対応と運動量でハードワークしてくれることが優先の様子。ここはベイとボグダノビッチも奮闘するタイプだからね。

1年前に比べると分厚くなったウイング陣。このチームがカニングハムのチームである限り、インサイドフィニッシュ担当のセンターにはサラリーを費やしても、ウイングにまで大金を費やせそうにはないので、メインとなる2人がそこそこで、あとは常に入れ替えていくことになるでしょう。でも、手厚く用意しているのはチーム作りとして正解にみえます。

ただHCが使い分けるタイプじゃないんだよね・・・

◎走れ!ボヤン

以前にも書いたのですが、ジャズはボグダノビッチの使い方を間違えており、PFにすることで損をしています。ウイングが充実しているピストンズでは本来のボグダノビッチが見れるかもしれません。

ジャズはスローダウンチームな上、ボグダノビッチは得意ではないインサイドカバーやリバウンドが大事な仕事になっていました。それでも十分にこなせるだけの能力を持っているのですが、年齢も年齢だし、フィジカルな戦いから解放されると、ランニングプレーの強みが出てきそうです。決してスピードはないんだけどね。

ハードディフェンスが信条だったペイサーズはインサイドカバーが仕事のオラディポがいたので、ボグダノビッチはエースに張り付くディフェンス仕事と、切り替えの早さからの速攻が持ち味でした。シュート力が高いので、シンプルな速攻にならなくてもトランジションでのコーナー3Pも多く、判断力と正確性が活きました。

「何でもやる」カニングハムはリバウンドへの参加も多く、インサイドカバーのヘルプ役もこなしてくれるので、ボグダノビッチはマンマークに集中し、マイボールになった瞬間に走り出してトランジションを作り出す守→攻の切り替えの早さが武器になることを期待したくなります。

昨シーズンのピストンズは、スティールは7.7(10位)ながらも、速攻は10.5点(26位)と少なく、トランジションアタックに課題がありました。バグリーの速攻ダンクなどのイメージとはずれているように、ある程度のチャンスを生み出す能力はあれど、フィニッシュにきわめて大きな課題があったわけです。

そこをボグダノビッチが埋めてくれることが期待されます。それはオリニクには出来ない仕事なので、トレードで入れ替えたことには大きな意味があります。

シンプルなキャッチ&3P担当として、時に個人技アタック担当として、ハーフコートオフェンスでボグダノビッチに求められる機能性はわかりやすいですが、「速攻の得点を増やす」ことが出来ればピストンズはチームとしての武器が増えます。

充実したウイングは機動力重視の戦い方が可能になるわけですが、これまでのピストンズは機動力を活かせているとは言い難かったので、大きな変化を期待したいのでした。若手たちのロールモデルにもなるボグダノビッチの存在は様々な意味があります。シーズン前半で若手たちに教えてくれたら、デッドラインでトレードですけどね。

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ピストンズの進化はどこにある” への3件のフィードバック

  1. 偏見ですが、ニックナースの方がカニングハムをうまく扱えそうですし、ケーシーの方がスコバンを大きく育てられそうな気がします。もっとも、二人ともすでに十分魅力的なので、チーム事情に関わらず勝手に大きく育ちそうな気もしますが…

    1. それはわかります。
      誰がよいHCかではなく、選手のタイプとあうのかどうか。

      HCトレードしましょうか

  2. 初コメです。
    ピストンズ(カニングハム)をこの1年見続けた私にとって、whynotさんのお話しは『そう!そうなのよ!』の連続です。
    これは私の勝手な思いですが、カニングハムのスタッツに現れないあの支配力や統率力はちゃんと見てないと分からない様で、実はじわじわと体内に蓄積されている感があります。『カニングハム何かいいよねー』と聞くたびに、『あなたも侵食されてますな』とニヤケてしまいます。

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