トルコとジョージアの試合で乱闘が発生し、退場になったコルクマズがロッカーでジョージアの選手3人や警察にボコボコにされたというニュースがでています。「なんでコルクマズは1人だったんだ」とか疑問もあるけど、真偽のほどは別にして、なんでこれで乱闘になるんだろ。
試合を通してみれば、もっと揉める理由もあるのでしょうが、普通にブロックに行った感じだし、なんならボールを叩いているようにすら見える。(もっとアップにしろ)ファールコールもされているし、別に揉めるようなシーンじゃないよね。
さて、このシーンの真偽はどうでもよくて、両国の因縁とか無視して、好意的にみてあげると「バッチバチのやりあいが認められるルールだからヒートアップした」といえます。仮定の話だよ。
また、クロックが20秒流れてしまったけど戻されなかったとか。全体的にレフリングのマズさが目立っています。そういやヌルキッチもそんなことをいってたね。
https://basket-count.com/article/detail/119425
ヌルキッチなんて普段からファールしているんだから、話半分に聞いといて良いのですが、気になるのはこの部分です。
俺が攻める時、(ダニエル)タイスはポストで俺を押していたのにファウルではなかった。そしてワグナーにブロックを食らったんだ。
実際にファールがあったかどうかは別にして、この大会で目立つのは
「コンタクトがあった際に、片方がバランスを崩さなければノーファール」
「片方がバランスを崩せば、なんらかのコールがある」
というレフリングだということ。ヌルキッチの件だと、ヌルキッチがタイスに押されても耐えてスピンで抜いた結果、ブロックされるという不運があったことです。
実際、酷いくらいにペイント内でガッチガチのムッキムキのバッチバチな戦いが行われており、なんでファールじゃないのか疑問な事と、その割にはリバウンド時は頻繁にファールコールされるというダブルスタンダードがあることです。
ゴール下はフィジカルな戦いが許される
ジャンプ中に軽く押されても(バランスを崩すから)ファールコールが多い
後者がなければ、ただただフィジカルに寛容なのですが、どうもそうじゃないんだよね。というのも、何年か前に日本の国際レフリーの加藤さんがそんな発言をしており、ビビったことがあるからね。
https://basket-count.com/article/detail/29175
コンタクトを起こした選手がいて、起こされたことで影響が生じた選手がいたら基本的に我々は笛を吹かないといけません。正当にプレーしていて起きたコンタクトであれば、もちろんその人に責任はありませんし、私たちはファウルとして扱いません。ただ、コンタクトを起こされた選手がバランスを崩したとなると、ファウルとして笛を吹く条件がすべて揃っているので、私たちとしては吹かざるを得ないんです。それをノーコールにしていくと、今度はケガのリスクが増えてきたり、感情がだんだん高ぶってきて、皆さんの望まない争いが起きる可能性もあります。
これは日本国内のレフリングとワールドカップのことを対比した発言で、いってしまえば「日本国内のコールが軽いのは、日本人が簡単にバランスを崩すから」です。
でも、ちょっと待ってくれ。私たちの一般的な認識はこうです。
ファールがあった ⇒ バランスを崩す
このインタビューだと、そうではなくて
コンタクトがあった ⇒ バランスを崩す ⇒ ファールの条件が揃った
ということで「ファールが成立する」ことになっています。ここに大きな違和感を感じるし、この前提に立つと前述のヌルキッチの件も
コンタクトがあった ⇒ ヌルキッチはバランスを崩さなかった ⇒ ファールの条件が揃わない
ということで「タイスに押されていたけど、お前がバランス崩さないんだからファールじゃないよ」という判断をされた可能性があります。違和感ありあり。
ということで今回はコルクマズの事もあったのと、日本代表の試合でも感じた違和感も含めて、最近のFIBAレフリングについて思ったことを書きます。ユーロバスケはFIBAなのか知らないけどね。
ちなみに、この手のファール基準の話をすると「昔に比べてフィジカルが許されないから、オフェンス優位過ぎてゲームがつまらなくなった」という人が出てくるのですが、このFIBAルールの解釈をすると間違いのないことが1つあって
ゴール下の攻防なんてファールコールされないんだから、3P打っておくのが最も効率の良いオフェンスだ!
になるので、もっともっと3Pを打ちまくる試合になります。そういうことをホーバスはやりたがっているし、そういうことがわかっているからラマスはディフェンスを重視したともいえます。
黒人選手が多いNBAと白人選手が多いFIBAの違いとかあるんですかね?
知らんけど
そこは別に関係ないですね。
単純にルールも違えば、NBAのレフリーはFIBAは担当しないと思うので
接触、影響、責任の三原則でいったら、「押した」ことだけで、「影響が見られない(バランチューナスがプレーを継続できている)」か「責任がない(リーガルポジションで押し合っているだけ)」のであればファールにならないというのは当然に感じます。
でも、押して「耐える」とノーファールで、「耐えられない」とファールなんですよ。
何よりも「耐えた」結果、「押した方がバランスを崩す」と耐えた方のファールになります。
そして、この後、急にレフリングが変更され、バランスを崩さなくてもファールコールされるようになりました。
もうわけがわからないです