U18日本代表アジアカップ

◎山田哲汰という発見

ビックリしたのが白樺学園という北海道にある学校からやってきた187センチのPGでした。イラン戦では前半だけで8アシストしたベンチメンバーはオールラウンダーなPGにして、日本ではまず見ないようなゲームメイカーでした。

ワンプレーそのものは大したことないし、シュート力に欠けるのでオフェンスに優れているわけでもありません。あるいはジャパニーズバスケ的な「走れや走れ」におけるPGとしては評価されないかもしれません。

まず目を引くのが連続したプレーチョイスです。ドライブを決めたと思ったら、次のオフェンスはギブ&ゴー、次はトップでゆっくりと構えてオフボールで動いたシューターに合わせ、次はシンプルにポスト利用、そして次はピックプレー・・・と次々にプレーを変えていくので、相手ディフェンスは極めて守りにくそうにします。

しかも、ディフェンスの動きを見ているので、裏へのパスも出てくるし、ドライブで引き付けてのキックアウト系もあれば、リングに向かわないドライブでディフェンダーを釣りだして、裏のスペースへのノールックパスも通します。パスセンスは高い。

いわゆるゲームメイク能力があるPGで、ディフェンスに的を絞らせず、しかも何でもやれるので逆をとることも可能。ちょっと見かけないタイプだよね。

近年は定期的にビッグガードが登場しますが、そういう選手はスキルは持っていても、ガードとしてのディフェンス力だったり、判断力に欠けることが多くて成功しないイメージです。要するにサイズに依存したプレーで優位性があるだけって感じ。

だから優位性が活かせないステージに行くとディフェンスや判断力不足になってしまう。高校時代からのビッグガードでディフェンスがエグイのって鵤しか知らない。ラマスでは同じくディフェンスが良い田中大貴がコンバートされて正PGになったしね。

山田の魅力はオフェンスよりもディフェンスかもしれません。普通にガードとしてのディフェンス力を持ち、カバーリングも早い。ガードでありつつサイズの優位性も使えるのは実はレアなのです。

そして試合中に普通にダンクする身体能力も持っています。ハーフタイムに凄いダンクしていたな。

こんな選手がいるとは想像だにしていませんでした。彼もマルチネスがHCであるが故に見いだされた選手なのでしょう。今のホーバス路線では選ばれないタイプな気もしますが、フル代表に入ってきて欲しい逸材です。

出来れば大学ではなくBリーグに進んでPGになるか、日本の強豪ではない大学に進んでオールラウンダーとしてワンマンチームを作るか。んー、でも間違っても今のレバンガには入らないでくれ。ジェイコブスとの相性が良さげだから、2人で慶応を3部から1部にあげるとかさ。今、3部に一橋大学がいるのスゲーな。

なお、マルチネスに見いだされたであろうPGっぷりですが、何故かマルチネスは主軸のPGにしません。どうみてもNO.1のPGなのですが、何が気に入ってて、何が気に入らないのか、よくわからんのだよ。U19ワールドカップで世界を相手にするならば、山田を主軸にした方がいいよ。

◎次はどこへ行く

極めて日本らしくない日本代表になっている今回のU18。U17の時は同じ戦術を使っていても、ここまでではなかったので、戦術に見合った選手が多くいたこともわかります。普通ならマルチネス戦術に慣れたU17から数人は引き上げられそうなのに、川島オンリーだったもんね。

優れたHCだったロイブルを辞めて、気合と根性の佐古スタイルへと移ったバスケ協会の乱心ぶりには頭痛しかありませんが、それが急にユーロバスケに切り替えるのだから、何が起こったのかブラックボックスでしかないけど、これまでの日本には感じた事のない楽しみなチームになっています。

とりあえずは今夜のファイナルですが、来年のU19ワールドカップも楽しみです。

で、そこに向けて高校3年生はどこへ行くのでしょうか。U19には毎度のように問題があるのですが、その中の1つが「大学1年生になってプレータイムが少ない」ことです。主力からわき役になってしまうと意味がないじゃないか。

NCAA構想なんてものもありますが、レベルアップしたいならば、1年生からガッツリと主役になれるチームに行ってほしいし、ちゃんと競り合える対戦相手も必要だ。アメリカはデュークに進んだって1年生から主力だぞ。

そして川島が高校でプレーする意味なんてないよね。既にU18でも最重要プレイヤーなのに、もう1年も高校でプレーしてどうするんだ。今ならBリーグにも進めるんだし、本気でNBAに行きたいならプレップスクールに移籍したほうが良いぜ。バスケよりも勉強が大変だしさ。

ジェイコブスのケガは不運ではあるけれど、あと3人くらいはオールラウンドに振舞える選手を増やしたいところなのでした。来年のU19ワールドカップを見据えるならば、ここからの1年で加速度的に成長を積み上げていかないとダメだぜ。

なんなら、このままマルチネスがU18を引き連れて海外遠征だったり、B2に参加するJリーグ方式でもよさそうなくらい面白くなっているだけに、1年後にトーンダウンするのは辞めて欲しいのでした。

何はともあれ22時30分からファイナルです。YouTubeで雑談配信もします。

韓国戦の予想は、前半にトランジションや八重樫の3Pで少しリードを奪うものの、3Q中盤からスタミナ切れが始まってペースが落ちてしまい、韓国の変態ディフェンダーの7番に止められるシーンが増えて逆転負けです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA