U18日本代表アジアカップ

◎ザ・ロールプレイヤー

中部第一の小澤飛悠は言ってしまえばザ・ロールプレイヤーです。オールスターみたいな代表でロールプレイヤーってのも変ですが、スペシャルなロールプレイヤーだと思いましょう。準決勝をYouTubeライブしている時に絶賛していたら、「ケンリッチ・ウィリアムス」とコメントされましたが、それくらいの便利屋さんになっています。

いち早くコーナーにポジショニングしてコートをワイドに使うポジショニングで川島にスペースを与えるだけでなく、周囲のアクションにより空いたスペースに飛び込む判断力の良さ、そして何でもできる器用さがあるので、コーナー担当でありつつ何でも屋になっています。

ゾーン攻略時において、当初は川島をハイポストにしていましたが、途中から小澤に切り替えただけでなく、準決勝ではコーナーではなく、ガード陣に加わってアウトサイドのパス&ムーブからシュートチャンスを作りまくりました。展開の中で変幻自在に役割を変えています。

マルチネスの信用も高く、接戦になるほどプレータイムを伸ばしており、準決勝は37分もプレーしていました。

この準決勝では周囲の主役たちへのマークが厳しくなる中で、フリーになるポジションを見つけまくり、3本の3Pを含む21点で勝利の立役者にもなりましたが、そんな試合があっても平均得点は12点に過ぎず、1.5アシスト、3リバウンドとスタッツは稼いでいません。

低調なスタッツに高い信頼、気の利いたポジショニングに、何でも屋なので、確かにケンリッチ感があるね。

〇得失点差 +11.5

そしてチーム最高の得失点差を誇っています。大したことないスタッツだし、目立ちもしないけど、チーム戦術を軌道に乗せてくれるバランサーの価値は非常に高いものがあります。

特に目を引く・・・というか、目を引くことすら難しいのが「マイボールになった瞬間の走りだし」で、普通に見ていると「いつ走り出したのか」すらわからないです。リプレーを見て初めて気が付くジャッジの早さは特筆すべきものがあります。なお、足は速くないと思う。

3Pは得意技みたいですが、パスを受けてからのジャッジも早く、ためらいなく3Pも打つし、ワンタッチでエクストラパスもします。ボールを貰う前にプレーのジャッジが終わっているし、そのためにディフェンスの動きをしっかりと見ています。

これまで日本にいなかったタイプというか、代表に入ってくるようなタイプの選手ではない気がする小澤ですが、マルチネスが短期間にユーロ系のバスケに変更できたのは、小澤の存在が大きかったと思います。

「戦術理解力」と「判断力」を武器にプレーしているようなレアキャラは、ある意味で今回のU18の特殊性を体現しているような選手です。

なお、中部第一でのプレーも観たくて5分くらいvs開始国際を見ましたが、意外と似たようなプレーをしており、センターの留学生への繋ぎ役だったり、ショットクロックがなくなるタイミングで動き出しての3Pなんかも打っていました。コーナー担当ではないかな。

あと、YouTubeのコメント欄には小澤の「お」の字も出ていないほど、目立っていなかったよ。この選手の良さは理解されないって事だね。ケンリッチか。

コーナーの3P担当、ディフェンダー、速攻のランニング、プレーメイクへの参加、ハイポストでの裁き役、などなど、実にオールラウンドなザ・ロールプレイヤーなのでした。

ただ、今回のU18が「日本らしくない」のは、小澤だけでなくオールラウンダーを揃えている事でした。

次は川島、湧川、ジェイコブスら ⇒

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