万能だったアヨ・ドスンム

◎ギリギリまで見極める

ディフェンスは最後の最後で長い腕を使ったシュートストップが特徴でしたが、オフェンスでもギリギリまで見極めて判断するPGらしい能力を持っています。

試合に出始めた当初はウイング起用で、コーナー担当の事も多く、そこからスピードのあるドライブでフィニッシュしていたドスンムは「身体能力でどうにかするタイプ」に見えていました。しかし、ケガ人が増えてポジションがPGへとスライドしていくと、スピード突破以外の部分が増えてきました。

一瞬の加速力があるドスンムは、ドライブの一歩目が早いものの、強引にリングに飛び込むのではなく、ルックアップした姿勢で、しっかりとヘルプの立ち位置を確認し、ゴール下にカットしてくるチームメイトへも、コーナーへのキックアウトでも、的確にパスを出していきます。

ロブパスも上手く、チーム全体がスピードで振り回すブルズのオフェンスにおいて「次の動き」を促すパスが活きています。スピードのあるチームでスピードを殺さないパスを出せるのは貴重な能力です。

そして、この判断が正確だからこそアシスト/ターンオーバー率に優れており、逆にドライブ時にヘルプディフェンスが間に合っていないという判断をすれば、高確率でフィニッシュに繋げています。

〇2PFG 59.6%

フィニッシュスキルが高いタイプではないものの、密集地帯にムリに飛び込むことがないので、ドスンムの2P成功率は非常に高く、FG成功率も50%を超えています。これをルーキーがやるんだからスゴイわ。

逆に判断が良いからこそ、フリースローが少ないのも特徴です。ドライブはチームで4番目に多いのに、殆どフリースローがありません。課題といえば課題ですが、今のままのプレースタイルで何も問題はありません。

ディフェンスのいないスペースにアタックしてフィニッシュに行き、ヘルプが寄ってきたらフリーのチームメイトを見つけて的確にパスを出す。実はかなり良いPGなんだ。

また、マイボールからの走り出しが非常に早く、速攻にも何度も絡んできます。ものすごく「ガムシャラ」に見えるのに、「正しい判断」でプレーするから驚いてしまうぜ。

トランジションでの切り替えの良さはディフェンス面でも出ており、ハイライトになるチェイスダウンブロックを連発しています。

ランニング役にも、パサー役にもなれれば、ディフェンシブストッパーとして働くドスンムは、デローザンとラビーンのチームにおいて理想的なPGにすら見えてきます。ハンドラーとしての能力が高いガードは多くいますが、ドスンムが持つ万能性は希少な能力です。

ただし、PGとしてイマジネーションに溢れているタイプではなく、ディフェンスを手玉に取るようなプレーや、ピック&ロールを駆使したコンビプレーが上手いとは言えません。やっぱり他に主役がいるチームのPGが合っているね。

まだルーキーらしかったシーズン序盤のハードワーカーぶりに騙されていたけど、NBAに慣れてくるとオフェンス面でシンプルなプレーながら冷静な判断も目立つようになり、ドスンムのイメージは一新されました。まだまだ深みがあったぜ。

どうなる新シーズン ⇒

万能だったアヨ・ドスンム” への1件のフィードバック

  1. 面白い考察でした。
    アヨのディフェンスは素人目に見ると、スピードで振り切られるのが目につき、やや過少評価してしまっていたのですが、ここまで被3PFG%が良いとは。自分の目が節穴だったと痛感しました。
    ブルズのディフェンス戦術は(けが人が多かったことも含めて)かなり雑に感じてましたが、その中でアヨは確実に貢献していたのですね。
    主力の大幅な変更を伴わない今季、より洗練されたブルズで、アヨの落ち着き・IQが光ることを祈ってます。

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