エースになったハリバートン

◎インサイドプレー

ハリバートン加入からペイサーズはペイント内得点が増えましたが、これはほぼ速攻の得点増です。その意味ではインサイドは弱くなったのですが、一方でサボニスが抜け、ターナーも出場していない割には、ペイント内の得点力が落ちなかったのも事実です。

サボニスをトレードするにあたっての不安要素は、サボニスしか出来なかったポイントセンターとしての役割以上に、サボニスかガード陣のドライブしかなかったインサイドの得点力でしたが、まずは無事に乗り切ったと言えます。

大きく変わったオフェンスはトップのハリバートン起点からフロアを広く使い、インサイドにスペースが生まれるようになり、そこにスピードのある選手がダイブしていく形となりました。

〇ペイント内
ハリバートン前
チーム  48.8
サボニス 12.3
ルバート  9.6
ブログドン 7.7
ターナー  6.2

ハリバートン後 
チーム  51.8
ジャクソン 8.5
テイラー  7.5
スミス   6.5
ビターゼ  6.3
ハリバートン6.1

サボニスやルバートがいないかわりに、アイザイア・ジャクソン、ジェイレン・スミス、ビターゼのビッグマン3人がターナーくらいまで得点を増やしています。ガードなのにセンターをやっているテリー・テイラーもいますが、いずれにしてもスピードで飛び込むのは重要になりました。

ハリバートン本人は6.1点程度ではあるものの、ビッグマンを活用して得点を生み出せています。ターナーとのかみ合わせ次第ではありますが、思ったよりもサボニス放出の影響は小さく、ハリバートン仕様に変化してきます。

ただ、サボニスを放出したのはディフェンス問題があったからですが、そこは悪化しているので、(タンクしないなら)新シーズンには改善したいところです。サボニス放出してディフェンスが悪くなったとかシャレにならない。

◎弱点

ペイサーズはピック&ロールにおけるロールマンプレーがサンズ(クリス・ポール&エイトン)に次いで多いチームですが、それはサボニスの上手さであり、サボニスがいなくなったらハリバートンの上手さへと変わりました。ロールマンが上手かったのが、ハンドラーが上手くなった。

ハリバートンをメインハンドラーにしたプレーは強力で、見事な連携と確率の高いミドルレンジで得点を生み出してくれます。エイトンがペイサーズに来ていたら、サンズでやっていたのと同じプレーが繰り返されたはずです。ツーメンゲームで正しい選択をしていくぞ。

一方で、ここにはハリバートンの弱点もあります。まだイーストで知れ渡ってないこともあり、ペイサーズに来てからは露出されていないかもしれませんが、ウエストでは一定の「ハリバートン対策」がありました。

・ロールマンを優先して守れ
・ハリバートンに打たせるためオーバーヘルプしない
・リングから離れるランニングショットを打たせろ

ハリバートンはミドルレンジですらFG47.9%も決めてくる正確性を持っていますが、その割にはペイント内のショートレンジの確率は高くありません。

何よりも、スピードでぶっちぎってこないので、ゴール下よりもミドルやショートレンジの方が多くなります。

〇距離別アテンプトと成功率
ゴール下 149本 64%
ペイント内 204本 46%
ミドル 167本 48%

他のシュートに比べれば、フローターの確率は高くないので、ディフェンス側は「なんとかフローターを打たせたい」になります。とはいえ、一般の選手よりは高確率なので苦渋の策にすぎません。

それでもハリバートン対策として機能していたのは、強引な突破がなく、スピードや高さのワガママがないので、同じパターンへと誘導しやすい面があったからです。プレーチョイスの正確性で勝負したらハリバートンは最高だけど、だからこそディフェンスからすると「このシュートを打て」に誘導しやすい。

ピック&ロールされないのが一番だけど、されてもFG50%以下へと誘導できるのだから、リスクを減らす守り方が可能でした。

〇ピック&ロール ハンドラー時
キングス時代 EFG47.3%
ペイサーズ時代 EFG56.9%

まだバレていないのか、それとも個人技任せだったキングスよりもやりやすいのかは、よくわかりませんが、今はネガティブにでていないだけで、ある程度の対策が作られている選手でもあります。2年目なのにね。

プレーパターンを増やし、ディフェンスの対策を無効化しろ

オフにどんなトレーニングをしているかは知りませんが、ハリバートンの課題はここです。

ファンタスティックなパスを出すわけではなく、ベーシックなプレーの中で「正解の選択肢」をとっていくハリバートンは極めてうまい選手ですが、前提としてチームのプレーパターンが少なければ、どんなに正解の選択でも止められてしまいます。

ハリバートンはハーフスピードで正確にプレーできる素晴らしい選手ですが、その反面でスピードやジャンプ力などの身体能力で圧倒してこないことが弱点にもなっています。自分の良さを生かすためには、選択肢を増やしていく必要があるのでした。

ポイントゴッドへの道は続く ⇒

エースになったハリバートン” への4件のフィードバック

  1. ハリバートン特集ありがとうございました!おかげでペイサーズの形が明確になりました。

  2. INDの昨シーズンはほぼ見てなかったのですが、ドラフトでのニーズが似ていた事から気になってはいたんです。改めてこうして文章で読ませていただくとやはりDETと課題や構成が似ていませんか?

    もちろんタイプ的には微妙に違うし、数字は全く違うのですが、これ、ハリバートンをカニンガムに置き換えても内容的にしっくりきてしまいます

    それぞれマサリンとアイビーというスコアラーを新しい相方に迎えて、どんなシーズンをエース2人が過ごすのか、来季一番の注目になりました、ありがとうございました

  3. CP3との対比だけでなく、ストックトン御大との対比も知りたいと思いました。
    ハリバートンのプレイはあまり見られていないのですが、スタッツからの印象として、高確率だが自分で点を取りまくるわけではない、視野が広く判断力のあるPGとしてストックトンに近いかも、と思っていたので。

  4. お疲れ様です。とても面白かったです。
    ブログ読む前のハリバートン像はペイサーズに移る前のブログドンと重なり判断力で勝負するイメージで、ブログドンはペイサーズを勝たせられなかったので、ハリバートンのエース役は余りポジティブに見てませんでした。
    (コメントするにあたってバックスのブログドンの成績見直してみましたけど想像の半分くらいしかアシストしてなかったです)

    ディアンジェロしかりゲームメイク能力についてぼんやり考えているのですが、評価が難しいですよね。
    ブログ通りポールは「ゲームメイク能力」+「正確無比なミドル」の両立があってこそのエースPGだったわけで、「ゲームメイク能力」だけの価値ってどれほどなんでしょうか?
    他のエースPGだとリラードは該当するかと思いますが、リラードも「ディープ3」などの個の武器も持ってるしなあと。

    エースでないゲームメイク能力が高い選手について考えると、よくブログで出てくるルビオや、晩年のラウリー、ドラギッチ、スマート(今年ちょっと怪しかったけど)くらいしか出てきませんでした。
    ラウリー、スマートはディフェンス面の貢献も大きかったと思うので、やはり「ゲームメイク能力」だけだと厳しいのかなあというのが個人的な感想です。
    是非、ハリバートンには個の武器を身につけてエースPGになるところを見たいなあと思いました。

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