ゲーム1
きれいにファーストラウンドが全て終わって、今日からセカンドラウンドです。スイープで勝ち上がってきたセルツと、スイープを逃したバックス。セルツからするとネッツがスモールのチームだったのに、バックスはヤニス、ブルック、ポーティスを並べているビッグなので、少々メンドクサイです。ブルズもスモールですが、セルツは割と普通なので、バックスの方が違いは少ないかな。
デローザンとテイタムじゃデローザンの方が確率も良ければ、パスも上手いよね。でも、テイタムの方が怖いよね。デュラントとヤニスではデュラントの方が遥かに確率も高ければ止められない得点力を持っているよね。でもヤニスの方が脅威だよね。そういうシリーズだ。
◎ホーフォード
ファーストプレーでホーフォードがヤニスを止めます。このマッチアップは3年前はホーフォードの勝利でしたが、進化したヤニスがどうなるか楽しみだったけど、いきなり止められた。さらに進化したヤニスはブルックへのロブパス絵を狙ったのに、自分のマークマンであるホーフォードに取られてしまいます。
やっとヤニスのフロントチェンジによってホーフォードをアンクルブレイク・・・したのに、ドライブをスティールされるヤニス。点数的には互角のスタートですが、内容的にはセルツの方が充実しているぜ。
4分が過ぎたところで、ヤニスはハイポストからのミドルをヒット。基本的に離されているので打つには打てる。これを決めたのがホーフォードがオクラホマでのバカンス中に行われた昨シーズンのファイナルだ。1年後に再びホーフォードがヤニスと対峙しているとは思わなかったよねぇ。
そのホーフォードがコーナー3Pを決めるなど、ストレッチ役としてスペースを作り、それでいてロバートがオフェンスリバウンドを押し込むセルツ。ビッグラインナップに対してイニシアチブをとっています。こうなってしまうとビッグマン3枚並べる意味はないよね。ミドルトンがいないので、他のチョイスもなさそうですが。交代のロバートに拍手が!
さらに開いたホーフォードのパスからスマートがカットプレーを決め、セルツが18-12と6点リードに。序盤はセルツのディフェンスがヤニスに対応し、オフェンスはバランスよく攻めて攻略しています。
交代ではいってきたグラントはコーナーへのパスフェイクから落ち着いて3Pをヒットし、ジャボン・カーターのステップインはホーフォードがブロック。カナートンが苦し紛れのディープ3Pを決めるものの、攻守にセルツの方が良い感じです。グラントが3P外したと思ったら、ヤニスの後ろから飛んできたブラウンの高い高いプットバックダンクでリードを維持します。
ただ、実はこのカードって「ディフェンスからの速攻」が勝負なんだよね。序盤はセルツのディフェンスが効いているからリードしているわけですが、ポーティスがホワイトから奪って速攻一閃すると流れも変わってしまいます。バックスはセルツが待ち構えているところでは攻めたくない。
そしてグラントのドライブをブルックがブロックするとヤニスがカウンター速攻。ムリヤリねじ空けてトランジションにしてしまうモンスターのアタックでしたが、まさかのレイアップをミス。しかし、次のディフェンスでマシューズのスティールから再びトランジションに持って行ったヤニスのパスからジャボン・カーターの3Pで逆転です。
「ネッツをスイープしたセルツのディフェンスを、ミドルトン抜きのバックスは攻略できるのでしょうか?」
ー攻略しなくていいです。ビッグマンカウンターで勝負するので。
1Qは27-24。内容的にはセルツですが、カウンター使えたバックスが3点リードでした。そういうものです。
◎ビッグマンカウンター
1Qの途中でヤニスを休ませ、1Q終盤から2Q序盤までセカンドユニットに混ぜて起用するのがバックスのローテですが、2Qはヤニス以外のスターターが並ぶスタートにしました。でも、やっぱりセルツの方が良い感じで、ワイドオープンも作っていきます。逆にバックスはブルックのリバウンド押し込みや、ポーティスのウソみたいにきれいなフェイダウェイミドルと高さでなんとか打っています。
セルツはロバートのブロックからテイタムが速攻を仕掛けますが、ディフェンスに囲まれてミス。そのカウンターでカナートンがディフェンスの駆け引きに負けてトラベリング。ポーティスのドライブはスマートがチャージドロー。どちらもディフェンスが目立ち始めていますが、やっぱり少しだけセルツが上に見えます。
ヤニスが速攻のレイアップを再びミスすると、スマートの見事なパスからテイタムの速攻。流れはセルツに見えるよね。ただ3Pが全然決まりません。
一方でバックスはヤニスのパスアウトからの3Pが決まります。これの切ない所はセルツのディフェンスが積極的にヤニスへダブルチームへ行くから3Pになっていること。バックスが能動的にディフェンスを崩しているというよりも、セルツ側へのリアクションで3Pが決まっています。
タイムアウトのセルツは即座にブラウンの3Pでアンサー。しかし、そのブラウンがロバートへのパスをスティールされ、またもトランジションでグレイソン・アレンの3Pです。カウンターばかりでやられているな。
テイタムも3Pで続くと、更にホーフォードも3Pをヒット。全然決まらないと思ったら3連発かよ。しかし、テイタムの3Pが外れるとカウンターでヤニスのレイアップ。まじでカウンターのオンパレードなバックス。これで優勝したもんな。点差が8点に広がります。
段々と明確になってきたのは、セルツのオフェンスの方がきれいに攻めているものの、3Pが決まらないとインサイドを固められて苦しくなること。またロバートがリバウンドに絡んでいない時間帯は、ディフェンスリバウンドからバックスが走っている事。今どき、こんなに走られちゃダメなんだけど、そこはビッグマンカウンターの怖さで、誰かが走ってもビッグマンが多いからリバウンドがとれる。
ヤニスを囲もうとしたグラントのファールでフリースローを決めたヤニス。56-46と10点差で前半が終わります。カウンターのオンパレードでしたが、程よい休日があったことで元気に攻めている印象のあったバックスでした。ちょっと走り負け始めたセルツかな。
◎ブルックの壁
お互いのシュートミスが続く後半の立ち上がり。2分経ったところでテイタムが3Pをヒットすると、さらにブルックのブロックの上へとプルアップ3Pをヒットし追い上げます。ただ、これがどっちもなかなかの難しい3Pだったので、前半とは事情が違います。両チームのコンタクトが激しくなってきたぞ。
ヤニスのパスアウトから3Pを決めたホリデーは、スマートのボール運びをスティールし、そのルーズボールをポーティスとマシューズが食らいついてマイボールにし、最後はポーティスのロング2Pで10点差に戻します。ハッスルホリデーに押され始めてもいる。
さらに今度はボール運びのテイタムにプレッシャーをかけたマシューズに対してホーフォードがオフェンスファール。セルツディフェンスもヤニスから自由を奪い取り、3P以外は何もさせませんが、奮闘したロバートが金的くらっていた。可哀そう。
引き続きホーフォードがヤニスを止め、アレンのドライブはロバートがブロック。ホーフォードのキックアウトからホワイトの3P。得点が表示されていなければセルツが勝っていそうなんだけどね。そしてホリデーのパワーアタックをスマートが止めるのですが、足が痛くて立ち上がるのも辛そうなスマート。まぁプレーが始まったら普通にカナートンからチャージドローするんですけどね。
テイタムが久しぶりにペイント内にドライブしてレイアップを打ちますが、これをテンディングギリギリで(?)ヤニスがブロック。なかなかインサイドは攻めこめません。3Pなら打てるんだけど、プルアップが延々と決まるわけないもんね。
しかし、フリースローを外したヤニスが、自分でリバウンドに行ってホワイトにファールしてくれました。ボーナススローを貰うホワイトで追い上げるセルツ。ヤニスは3つ目になったのですが、その30秒後にテイタムに対してショルダーチャージして4つ目をコールされます。お前はタウンズか。
攻め手を欠くバックスですが、ディフェンスはブルックが1人でインサイドを支え、テイタムのドライブもブロック。オフェンスでもリバウンドを奪うブルックですが、これは決めきれません。それでも時間はたっぷり使ってヤニスのいない時間を過ごしました。あと3Pラインの外に居たらカナートンがドライブ決めてくれた。上手くできているのか、運がいいのかわからないですが。さらにスクリーンでホリデーvsホーフォードにしてドライブでねじ込み。
とにかくゴール下を塞ぎまくったブルック。ホワイトの3Pが決まったくらいのセルツだったので、ヤニスが不在でもバックスはリードを守ったのでした。ありがとうブルック。オフはジブリパークに遊びに来なよ。
◎3Pと速攻
ヤニスが戻りますが、今度はブラウンのディフェンスを抜くことが出来ません。ちなみにダブルチームに対してはパスアウト徹底が出来ているヤニスなので、この時点でトリプルダブルです。フリースローが決まらないので、得点だけは伸びず、まだ17点。まだ?
10点ビハインドのセルツは、少しの焦りもあって、より強くプレッシャーをかけますが、ファールコールも増えてしまいます。ネッツ相手ならこれでよかったけど、バックスの方がヤニス以外はボールを動かしてくるし、ヤニスは早すぎるしで、遅れ始めているディフェンスです。
そして、リバウンドから速すぎるヤニスのトランジションアタックからのキックアウトでポーティスのコーナー3Pで15点差に。いかん、早すぎるぞヤニス。いや、それよりも試合開始から速すぎるのに、なんで4Qになっても元気なんだ。スタミナが異常だろ。
タイムアウトのセルツはホーフォードが3Pを決めて引き出しますが、次のオフェンスでインサイドを狙ったパスはカットされます。でも、サイドに出してブラウンの3Pは決まった。ひたすらインサイドを固めているバックスなので、セルツもひたすら3P決めるしかないのか。
ところがテイタムがブラウンへのパスを出そうとしたところで、マシューズが絡みついてスティール。ホリデーとマシューズが効きまくっています。そして相変わらずドライブで抜けずに困っているヤニスは思い切ってバックボードパス&ダンク。オールスターみたいなプレーで盛り上がるバックスベンチ。点差も変わらず、1勝目が近づいてきました。
するとテイタムはオープン3Pをエアボール。ブラッド・スティーブンスもVIPルームから出ていったので、終戦モードかな。
〇ペイント内得点
セルツ 20
バックス 34
どっちも驚くほどに少ないですね。シーズンだと50点前後なのに、固い固いディフェンスをみせた両チームです。特にセルツの方はヤニスやブルック相手に奮闘を重ねており、ホーフォードおじさんとロバートだけでなく、チームとして素早いローテが目立ちました。バックスは「固めてる」って感じ。
〇3P
セルツ 18/50
バックス 12/34
そのため3Pの差は確率よりもアテンプトにありました。セルツの50本は多いね。36%なので悪い確率ではありませんが、インサイドを固められているので、もっと決めなければいけなかった。あと、それなりに決められているのに、出て行かないバックスってのも凄い構図だよね。
バックスがリードしてからセルツが追いつく時間帯がなかったことも、バックスの選択を楽にした気がします。試合展開に応じて変化した気がしますが、「応じる」必要がなかったのでした。
〇速攻
セルツ 8
バックス 28
そしてバックス最大の攻撃手段がこれでした。セルツのディフェンスはすごく良かったし、ほぼほぼ完ぺきにミッション遂行したと思います。ただ、バックスはカウンターアタックこそが得点源なので、これを止めないといけないわけだ。
なんで、こんなにカウンターが出来るかといえば「セルツが3P多くて、ロングリバウンドから走れる」からでもあります。ってことで
セルツが3Pを決めれば、失点も減る
こんなシリーズになるかもしれません。ゲーム1はある意味でバックスの沼にハマったセルツですが、ゲーム2は3P決めて大勝するかもしれません。セルツ次第で一方的にもなりそうなわけです。7試合シリーズで4試合が3P決まりまくりってことはないでしょう。それ以外の試合をどうやってとるのか。実はその「3Pが決まらないでの1勝」を巡るシリーズなのかもしれません。
〇ヤニス
24点
FG9/25
13リバウンド
12アシスト
5ターンオーバー
シーズンのFG55%のヤニスを鮮やかに止めたホーフォード&セルツ。それでもトリプルダブルのヤニス。
デュラントの方がシュートも上手いし、ドライブが上手く、フィニッシュスキルも多彩で止められない武器を多く持っている。でも、ヤニスの方がずっと怖い。
見事にそんな試合でした。リバウンドからのボール運びが早すぎる。4Qになっても早すぎる。削りに行っているセルツだけど、スタミナを削られているのもセルツ。ザ・モンスターなヤニスのゲーム1でした。
お疲れ様です。
セルツのプレーオフの印象ですが、試合内容(特にディフェンス)と、実際の点差に物凄い乖離を感じています。点差を確認したらセルツがビハインドでビックリしたことが何回かありました。
いいディフェンスから効率のよいオフェンスになっていないんですかね?
まあ、単にスリー外してるだけとは思いますが…
レギュラーシーズンのトランジションオフェンスの数値はよくなかった(下から3番目(16.8点))ですが、プレーオフでは22点まで伸ばしていました。
ただ、対ネッツのときも内容と点差の乖離に違和感を感じていたので不思議です。
個人的にはセルツはホリデー加入前のバックスと似た匂いがします
素晴らしいディフェンスでリーグに旋風を巻き起こした当時のバックスでしたが、ヤニスもミドルトンも必ずしも気の利いたプレーが(少なくとも当時は)できず、ヤニスが止められ細かい綻びを突かれると崩れていく脆さもありました
それがポイントガード、ブレッドソーの限界だったのかなと思っています
それと似た雰囲気をスマートをポイントガードに据えたセルツからは感じました
ミドルトンがいないことを考慮するとバックスには勝てるチャンスはまだ、あるのかもしれません
でも、ヒートやウォリアーズ、サンズと当たるとかなり辛いだろうなという限界が垣間見えた一戦だった気がします(セルツファンの方ごめんなさい)