2022/3/18 vsマブス
何故かチームを分けて書いていく今回。その方が理解しやすいからってのと、単純に相手がどこまで関係していたかがわかりにくいから。マブスで書いたようにエンビード対策となるアウトサイドへ引き出すのをゾーンで対処したシクサーズですが、これはついて回る問題なので、相手関係ないしね。
他方でベルタンスを狙い撃ちできたのはマブス相手ならではですが、10分程度のプレータイムの選手なので、そこだけをチョイスしてもね。はい、そんなわけでシクサーズだけの事情で語れるのがわかりやすいよ。
◎ハーデンとエンビード
今日も今日として、ハーデンとエンビードでした。正直、ハーデン7割、エンビード3割って感じですが、フィリーのファンはエンビードの方が重要だと主張するだろうね。ヨキッチを見てしまうと物足りなさ満開ですが、それでも今シーズンのエンビードは、過去のエンビードとは全く違うのは事実です。
〇エンビード
2P9/14
3P2/6
5スティール
6ターンオーバー
3Pを使ってコートを広く保つマブスと、それをゾーンで追いかけるシクサーズの事情もあってインサイドを守る重要性が増した試合で、5スティールが機能しました。ドンチッチからパウエルへのアリウープパスにしてやられていたけど、それも後半になるとパスカットに動けたシーンもあったので、昨シーズンまでの鈍さが消え、細かい反応が出来るようになっています。
また、シュートの安定性は段違いだし、ハーデンのゲームメイクがあるので2Pの確率が向上しています。これらのことがマブスを大いに困らせたし、困るからこそマブスはどちらかというとハンドラー側を止めようとした意向がありました。フィニッシャーへのパスさえとめればOKさ。
〇ハーデン
FG6/14
12アシスト
そこを上手くコントロールしていくのがハーデンのゲームメイク。エンビードのインサイドを使いつつも、ディフェンスの配置に寄ってパスを振り分けていったので、インサイドだけでなく3Pも効果を発揮させました。点を取るよりもゲームメイクなのは、ロケッツ時代との違いです。
〇シクサーズの3P 16/38
42%という確率もさることながら、ドック・リバースといえばアタック&フリースローだったのがハーデン加入によってスマートな形が増え、3Pをきれいに決めていきます。その分だけトバイアスの存在価値が薄まり、ニヤングの方が適しているかもしれない。
なお、こないだはネッツがハーデンを消しに来たことで、シクサーズは見事に機能不全を起こしています。そうなるとトバイアスの仕事も出てきたけど、どうなんだろうね。
◎ニヤングとグリーン
そのニヤングが3P4本決めて12点を奪ったのが非常に大きかったです。ハーデンというゲームメイカーがきたことで3Pが打ちやすくなりました。実際、3月はアテンプトが6.9本まで増えており、ハーデン加入の恩恵を受けまくっています。なお2Pは1.4本しか打っていないよ。
〇ニヤング
ハーデン前 ⇒ ハーデン後
2P2.6本 ⇒ 1.4本
3P4.9本 ⇒ 6.9本
非常にわかりやすい変化です。コルクマズがいないとか違う要因もあるのですが、2Pが減って3Pが増えているのは、プレータイムとは関係ないしね。一方でトバイアスも観てみましょうか。
〇トバイアス
ハーデン前 ⇒ ハーデン後
得点 18.7 ⇒ 14.2
2PA 11.6本⇒ 7.1本
3PA 3.4本⇒ 4.5本
こちらはFGアテンプト数を大きく落としたわけですが3Pは増えています。やっぱりハーデン現象が強いわけですが、救いようがあるのはトバイアスは3Pうっても問題ない選手であること。だから、このままトバイアスが単なる3P担当になるならニヤングの方がベターだけど、ワンパターンに陥らないためのオプションとしてトバイアスが機能するなら良い関係性でもあります。
さて、トバイアスの話はプレーオフの事なので置いといて、ニヤングにとってありがたいならば、同じくスポットシューターのダニー・グリーンにとってもありがたいはずです。
〇ダニー・グリーン
ハーデン前 ⇒ ハーデン後
2P0.9本 ⇒ 0.5本
3P4.7本 ⇒ 3.6本
うーん、何故か上手くっていませんね。そして、この現象は今日の試合でも非常に気になりました。いちおう3P1/6なので、アテンプトは多かったのですが、気になるんだよねぇ。
従来のシクサーズはドライブアタック好きのチームで、ベン・シモンズがいなくてもマキシーのドライブもあれば、エンビードも今よりもドライブしていました。そこからコーナーのダニー・グリーンは鉄板です。加えてセスとのコンビネーションもあり、ギブ&ゴーやスクリナーになって動くセスのオフボールは有効な形でした。
そこに連動するダニーもまた効果的だったわけで、スポットシューターとしての有能さに加えて、ベテランらしいポジショニングの上手さもありました。今シーズンは出番減らしていたけどさ。やっぱりシモンズが欲しくなるのは事実。
驚くことにニヤングが10試合で29本の3Pをハーデンのパスから打っているのに対して、ダニーは9試合で6本に留まっています。同時に試合に出ているかどうか(ニヤングはハーデンとセットが多い)という事情もありますが、同じようなシューターなのに差が出すぎです。
これが「ハーデンとの相性」なのは致し方ないのですが、それだけでなく、「スクリナー不足」であったり「インサイド担当不足」な一面もあるのが厄介です。つまりはエンビートとハーデンがインサイドを攻めこむから、他の選手は外で待っている担当になるけど、そこにはスクリナーが足りていない。
シンプルに言えばニヤングの3Pは、ハーデンとのピック&ロールから打てるパターンもあれば、実はダニーがスクリナーになってニヤングを空けてあげるシーンもありました。ダニーはわりとスクリナーをすることが多く、複数の動きを絡めてから3Pポジションに行くのですが、自分自身は恩恵を受けれなくなってきた。
ということで、ダニーはキープレイヤーに見えました。それは「ハーデン&エンビードと周囲の3Pシューター」の匂いが強まってきたシクサーズにおいて、ボールのない所で仕事をしている珍しい存在だからです。まぁやっていることは以前も同じだし、プレーオフもダニー不在はボディブローのように効かされていたしさ。
ただ、この流れの怖いのはニヤングの方が活躍しているから、ダニーはプレータイムを減らしそうなことです。トバイアスにしろ、ダニーにしろ、オプション的な要素をもたらしてくれる選手をどこまで有効活用できるのか。割と大事なことに思えたよ。
◎ゾーン
サイブルとダニーを中心にしたゾーンは強烈でした。マキシーも良く動くし、2-3の前にいる選手がしっかりと3Pを抑えていき、抜かれてもエンビードが待つシステムはシクサーズ向きだよね。あとハーデンがサボれる。
このゾーンの完成度はシクサーズの命運を握るでしょう。ポイントは3Pを追いかけながらも、抜かれずに対応することもあるサイブルなんだろうね。他のチームからすると「エンビードを誘い出す」「サイブルを避ける」の両方が大事なのに、ゾーンだとどっちも思うようには出来ないからなぁ。
その一方でブロンソンのドライブに切り崩されたし、パウエルの合わせを止めるのは困難でした。エンビードは身体能力は圧倒的だし、今シーズンは動きもシャープ。だけど、戦術力は低いままだから、ゾーンが攻略されるかどうかもエンビード次第かな。
ドンチッチとディンウィディの3Pが決まらなかったことが勝因でしたが、問題はやっぱりカイリー&デュラントになってきそうです。ミドルトンだけなら何とかなる気もするな。あとはテイタム&ブラウンは天敵かも。
良い意味で淡々と同じことを繰り返せた試合でしたが、それはハーデンのゲームメイクの適切さでもあったね。これを止めるためには基本はマンツーを行いスイッチしても対応して、ハーデンを孤立させることです。ネッツがやっていたわけですが、そこには「全員がハーデンを守れる」ということでもありました。エンビードよりも、エンビードへのパスを止めたい。
ここについてはバックスやヒートもやってくるので、オフェンスはやっぱりダニーとトバイアスでオプションアタックできるかどうかが重要な気がします。
そんなこんなで、ちょっとまとまりのないレポートではありますが、キレイに決まったハーデン&エンビード作戦であり、ディフェンスはゾーン活用でうまく弱点を隠すことも出来ました。ただ、気になったのはダニーのスクリーンが機能していた一方で、ダニーにはスクリーンがないので、地味な部分の仕事がフューチャーされていないことです。
イェーガーはこういうのを嫌がるので修正してくるでしょうが、リバースは直接的に得点に絡むハンドラーばかりを並べてしまう癖があるよね。クロフォードとか、息子とか。
ハーデン、エンビード、リバースとプレーオフで勝てないと呼ばれる人たち。そこにあるのは本人のメンタルとかではなく、ワンパターンに陥りがちな事や、オフボールの仕事を重視しない面にもあります。
きれいに勝った試合は、キレイにオンボールが機能していたので、良い部分が強く輝いたのでした。