2022/1/13
並んでいると思っていたナゲッツに大差をつけられ、遥か後ろにいると思っていたグリズリーズに追い抜かれ、同類だと思っていたサンズはファイナルへ進んでいる中、ウルブズも5割まで上がってきました。
お互いがお互いの持っていない要素を強みにしているようなカードでして、
誰もがうらやむタレントを誇るウルブズ
誰もが活躍する見事なロールプレイヤーを揃えたグリズリーズ
万能なタウンズを中心にオールラウンドなかみ合わせをするウルブズ
各ポジションで働く選手を集めチームとして機能するグリズリーズ
オフェンス中心、ディフェンス中心など、お互いの違いが鮮明なので、リズムを掴んだ方が優位になるんだろうね。
◎改善も不足も
先に流れを手に入れたのはウルブズ。常に分断されていたようなエドワーズが、もう少し周囲をみるようになり、ドライブすれば逆サイドコーナーから合わせるバンダービルドのダンク。さらにアイソと思いきや、ディアンジェロがオフボールスクリナーになりつつも抜け出してきての3P。
「わかりにくくなった」ような変化があるウルブズ。前はエドワーズの突進アタックパターンと、タウンズのポストパターンでわかりやすく、「ディアンジェロがいる時だけ、チームになる」ような状態でしたが、様々なプレーが混じるようになってきました。だから「わかりにくくなった」わけで、ディフェンスからすると対応するのが大変になってきたよ。
でも、わかりにくいのはチームメイトにとっても同じなので、こういう時は残り2人がどれだけ柔軟に役割を変えられるかが大事です。そこを頑張っているバンダービルドと、いるのかいないのか微妙なベバリーでした。なので、リズムは掴んだけど、一気にラッシュとはならず。
ちょっと惜しかったよ。バンダービルドはオフボールカットだったり、リバウンドだったり、スペースを使って躍動していたけど、ちょくちょくスペースがなくなる状況がありました。それがベバリー付近の出来事。もっと動き回れよ。理想はここにレイマンですが、それだとディフェンスが不安なんだろうね。
さて、ベンチメンバーが増えるとティルマンやらメルトンやらが出てくるグリズリーズの方が良かったのですが、タウンズとディアンジェロを残したので、ツーメンゲームからシューターのビーズリーと、ダブルセンターのリードがインサイドに合わせるので、これまたパターンが変わったので悪くなかった。良くもなかった。
31-25でウルブズが6点リードの1Qとなりました。勝てるようになった部分と、トップチームに成り上がるには物足りない部分と。どうしてもロールプレイヤーになにをさせるかが定まり切っていないし、何が正解かもわからん。
◎コンチャー
ウォリアーズを倒したグリズリーズですが、その最後のユニットがモラント、JJJ、クラーク、ベイン、タイアスっていう若すぎるユニットでした。エグイな。これでリーグトップになるんだからタイラー・ジェンキンスが優秀過ぎ。そのジェンキンスも30代半ばだもんな。なお、本日は不在です。
管理人がメールを見ている間にレビューが続き、揉めています。こういう時にわりと落ち着いた対応をしているのがグリズリーズの選手で、レフリー近辺であーだこーだ言っているのがウルブズっていうイメージはあるね。みんな自分の仕事に集中している。だから気が付いたら追いついていた。
そんな中、ジャンプボールから時間のない中でディアンジェロが3Pを打つとファールコールで3ショット。ながーいリプレーの結果、これがショットクロック内のシュートだったと認められます。するとコーチチャレンジしたグリズリーズ。リプレーの結果、これが認められ「ファールはなかった」だってさ。長いしルール難しいし。
そして流れはグリズリーズへ。バンダービルドがハッスルしてルーズボールに飛び込むも、他の4人の足が止まっていたウルブズ。ボールを奪ったグリズリーズは4人が走ってトランジションを決めます。4on3なので守りようがあった気がしますが、シンプルに飛び込まれてしまう。さらにスティール速攻で逆転のグリズリーズ。
さて、モラントが戻ってくるのですが、最近のグリズリーズはPGモラントを減らし、ハンドラーを次々と変えます。モラントはオフボールで動き回る役割もこなしており、実はグリズリーズ側も「わかりにくくなった」ことが成功の要因かも。あるいはアダムスがいないので、モラントの突破を続けるのが難しいのかもね。
カイルだったり、ベインだったりがトップに出て、さらにはJJJもトップからアタック。そうかと思ったら、モラントのディフェンスリバウンドに対してティルマンが先頭を走っての速攻。なんだよ。グリズリーズの方がオールラウンドだな。
ところがモラントがベバリーに連続で止められてしまいます。やっぱりスクリナーいないと単独突破を繰り返すのはムズカシイネ。かわりにポストアップするタウンズを囲むグリズリーズ。同じ形でヘルプに来られているのに、誰もゴール下に飛び込んでこないウルブズ。いかんて。
ってことでシュートが決まらなかった分だけグリズリーズがビハインドの2Q後半ですが、ディアンジェロがいないとワンパターンなウルブズ相手にイージーに守っています。そこから走るってのもわかりやすく、モラント関係ないところでアドバンテージを持っているぜ。
残り3分でも、モラントとJJJをベンチに置きます。これでウルブズのスターターと互角に戦わせている。なんていうかさ。余裕がある。これは勝っていることがもたらす余裕だね。自分たちを疑っていないから、どんなユニットでも関係なく戦える感じです。
しかし、ディフェンスは良いけどシュートが決まらない。ベインが速攻に行ってもチャージドローされてしまいます。逆に3Pファールドローしたディアンジェロで点差が8点に広がってしまいます。余裕があるだけじゃダメ・・・と思ったら、ここでコンチャーが3Pです。お前まで活躍するのかよっ!の代表格ですが、マジで毎試合のように活躍しているんだよね。
〇前半のコンチャー
8点
FG3/3
10リバウンド
10リバウンドだぜ。10リバウンド。ロスター12番目の男にしか思えないのに、活躍してしまうのがグリズリーズの怖さ。ウルブズからすると考えられないでしょ。なんだか、象徴的なロールプレイヤーの活躍でした。
前半は60-53でウルブズがリードなのですが、両チームともとにかくシュートが決まらない展開でした。
〇FG
ウルブズ 42%
グリズリーズ 42%
〇3P
ウルブズ 36%
グリズリーズ 19%
なんでこれで60点も決まったのか。それだけペースが速かったわけですが、トランジションに行ってはミスしていたので、それがペースアップの要因でしたよ。ある意味でミスの戦いの中でウルブズがリードしたのだから、メンタルも成長しているのかな。
◎攻略と個人技と
JJJの3Pから始まった後半は、お互いに3P連打する立ち上がり。先にインサイドのスペースを有効活用し始めたのはグリズリーズでしたが、インサイドで決めきることが出来ず、逆にタウンズがミドルレンジにローポストアタック、そしてべバリーのパスからダンクと流れを掴みに行きます。
スターター同士だとウルブズの方が強そう。そう思っていたら、まさかのザイアー・ウィリアムスのアリウープダンク連発。うーん、マジでサマーリーグの時はザイアーは苦労していたんだぜ。それがこうなるのかよ。グリズリーズの環境はクレイジー。
そんなわけで鮮やかにインサイドフィニッシュしたのがグリズリーズなので、流れはグリズリーズです。ウルブズのディフェンスは焦点を絞れなくなってきた。一方でオフェンスはディアンジェロとタウンズで形になるので点の取り合いの様相を呈してきました。攻略しているのはグリズリーズで、タレントパワーがウルブズ。
ちょっと気になるのはエドワーズが消えていること。ドライブが足りない。チームオフェンスに絡めるようになってきたら、個人技が減ってしまう。迷っているね。それも成長かな。モラントもそのバランスに悩んでいるような今シーズン序盤だったし。
そんなわけでディアンジェロが下がると、ビーズリーのアタックになって、これが決まらずグリズリーズが追いつきます。エドワーズの頑張り所だったけど、頑張ろうとしたビーズリーでした。主役は多過ぎない方が上手くいく。オフボール担当増やして成功したサンズのように、ウルブズももっとオフボール担当が欲しい。
そして再びベンチメンバーが活躍するグリズリーズ。コンチャーもクラークもメルトンも決めていったグリズリーズに対して、マクダニエルズの2点しかなかった3Qのウルブズ。っていうか、この試合はトータルで凄い差が出ています。
〇ベンチポイント
グリズリーズ 48
ウルブズ 13
ってことで、ウルブズからするとうらやましいほどにベンチが活躍しているグリズリーズ。自分たちが持っていない武器を持っている。ディアンジェロ、エドワーズ、タウンズと揃っているからなんだってんだ。12人が活躍したほうが強い。というか、ウルブズのベンチが弱いのか、戦術が弱いのか。・・・まぁ戦術だよね。
最も頭を抱えているのはクリス・フィンチなんだろうな。そんな3Qでした。選手の質ではないところで完敗しているようだ。90-84で6点リードのグリズリーズです。スターターの圧力ならばウルブズは負けていない。それも示しているんだよね。
◎主役とわき役
ディアンジェロの3P、リードのフリースロー、プリンスのミドルで2点差に。ディアンジェロ以外がベンチメンバーですが、それでも形になるっていうね。例によってウルブズのディアンジェロ現象が出ています。ゆっくりとゲームを作って、ディフェンスの逆を取ってシュートに行く。
しかし、本日は守れない。いや、カウンター食らっていないし、崩壊もしていないけど、3Pが決まり始めたグリズリーズ。逆にディアンジェロしか決まらないウルブズ。これは個人の差です。オフェンスリバウンドとっても、やっぱり決まらない。仕方ないからタウンズ戻したら、1発で決めた。
そしてディアンジェロの3Pで同点です。グリズリーズからすると羨ましいであろう個人の躍動。ただやっぱりエドワーズは消えている。ドライブ突破して欲しいけど、3P打っちゃうんだよね。決まらない時のエドワーズは袋小路にはいっちゃう。
グリズリーズはモラントがディアンジェロにブロックされるというビックリプレーがでてしまうものの、コンチャーがプットバックダンク!働き過ぎだろ。タウンズがプットバックで返すも、JJJがドライブ&ワンで残り4分3点リードに。
ウルブズはタウンズがタフでも外から打ち始めてしまいますが、これを決めてしまうのもタウンズ。JJJがこんなに決めてくれたら・・・逆にそんなシュートを打ち過ぎちゃうのかなぁ。タウンズはさらに速攻を追いかけて、再びプットバックで逆転。スキルフルな上に、走ってくれるんだぜ。でも、今度はクラークがプットバックで再逆転。
〇オフェンスリバウンド
ウルブズ 12
グリズリーズ 16
ウルブズは厳しい中でもフィジカルに踏ん張って取った感じ。グリズリーズは空いていたスペースに外から飛び込んだ感じ。頑張っている感じはウルブズだけど、上手く賢くやっているのがグリズリーズだね。
タイムアウトのウルブズはディアンジェロがドライブから決めきって逆転。残り2分で1点リードにします。モラントがドライブに行くとエドワーズがついているけど、カバーにいったベバリーで、フリーになったクラークがダンクに行きます。これを大振りスイングでブロックに行ったバンダービルドがファール。いろいろと荒い。フリースローを決めて1点リードのグリズリーズ
ディアンジェロはタウンズとのピック&ロールからエドワーズへキックアウト。そこでドライブを選んだエドワーズ。。ここまでは良かったけど、さらにキックアウトしたらプレゼントパスに。やっぱり今日のエドワーズは・・・。
さらにタウンズの3Pに対してブロックに来たクラーク。これがタウンズのファールになります。リプレー見てもよくわからなかった。ノーファールだったとしてもオフェンスファールはないだろ。いずれにしてもエドワーズ、タウンズとミスになったウルブズ。
逆にグリズリーズは、モラントにダブルチームがきたのでクラークに繋ぎ、最後はコンチャーがワイドオープン3Pをヒット。っていうか、なぜコンチャーが試合に出ているんだ。見事過ぎる起用で試合を決めたのでした。タイラー・ジェンキンス不在なのにさ。前の試合(ウォリアーズ)ではタイアスの出ていたポジションにコンチャーつかうんだぜ。
なお、その後でタウンズがさらにオフェンスファール。勝負所で決めきれなかったタレント2人と、決めたロールプレイヤーでした。
〇コンチャー
15点
17リバウンド
3アシスト
いやいや、信じられないわ。といっても、やっていることはシンプル。すごくシンプル。シンプルが出来るっていうチームだし、役割分担だし。
〇ディアンジェロ
29点
〇エドワーズ
30点
〇タウンズ
25点
エドワーズが30点取った記憶がないのですが、管理人は寝ていたのか。前半25点で後半5点なので、エドワーズに左右された試合といえば試合だ。まぁいずれにしても3人で84点も取って負けるかね。
はい、非常にわかりやすく両チームの差が出た試合でした。グリズリーズからすると羨ましいほどの個人技を持っていたウルブズ。でも、グリズリーズが勝つのに重要なのはそこじゃなかったね。それぞれが自分の仕事をすること。相手を攻略すること。出来るだけ賢く、適切に点を取ることさ。
面白かったのですが、両チームの差は埋まる可能性ってあるのかな。少なくともトレードでは埋まらん。そして、アトキンソンとディアンジェロのネッツを見たくなってしまう管理人でした。グリズリーズには似た匂いを感じるぜ。
アトキンソンネッツに近いにおいのあるグリズリーズ推しになってください!!どんどん面白い記事が読みたいです!!
実際ファンからみても、全員が活躍するカルチャーは非常に魅力的です。
最初はコンチャーを使わなきゃいけないなんてきついなーと思っていましたが、最近は完全に戦力なのも、普通に驚きです。
ただ、やっぱりロスターは優位ではないと思うので、プレイオフどこまでいけるのかなーとも思います。まだ勝負の年じゃないのが救いですが。