ピストンズvsブルズ

2022/1/11

大連敗している最後の方の試合を見て「意外とピストンズはいいじゃないか」と驚いたんだ。その後、ベイやディアロの好調もあって、そこそこ勝つようになってきたぜ。ってことで、ピストンズについてから触れて行こう。

◎ピストンズの良い所

カニングハム、ヘイズ、ベイ、ディアロ、スチュワートという若いユニットのピストンズ。開幕当初の酷さは、ジェレミやベイがよくわからない1on1をしていて、スチュワートは3P打って、ヘイズは迷子になっており、あっちもこっちもダメダメでした。戦術的な理由なので、そう簡単には改善しないように見えました。

しかし、ディアロがスターターになると両ウイングがワイドに広がるので大きく改善し始めたのです。だからといって、「ディアロで改善した」も違う。まずは1Qを見ながら、良いプレーをいくつかピックアップしてみましょう。

ドライブからスチュワートの合わせ

4人がワイド広がるので、スペースのある中でドライブしていきます。そしてヘルプが来たらインサイドのスチュワートが合わせる。シンプル過ぎる構図ですが、それはスチュワートのポジショニングやタイミングが改善したってことでもあり「シンプルなプレーがスムーズになった」わけです。

ただし、まだまだフィニッシュへのステップに余計なプレーが混じるスチュワートなので、完璧には程遠い。でも、それは個人の伸びしろじゃん。チームとして合っていないならば先はないけど、これなら個人が伸びればいいだけ。

ピック&ロールからヘイズがジャンプシュート⇒スチュワートがリバウンド

迷子の迷子のヘイズちゃん。それが改善していたのが、スチュワートのスクリーンから抜け出てのジャンプシュートを打ったシーン。カバーのブーチェが前に出ようとしたので躊躇わず打ったのですが、以前ならば判断に時間がかかっていたシーンです。それを迷わず打つことで、今度はデローザンとマッチアップになったスチュワートが飛び込んでのオフェンスリバウンドでした。

「スクリーンからディフェンスを見て瞬時に判断する」が出来ていたよ。あとはシュートを決めるだけ。個人の問題じゃん。

コーナーからドライブしたベイ。苦し紛れのキックアウトをスチュワートが受けて、エクストラパスでヘイズの3P

この前にコーナー3Pを決めたベイは、空いたインサイドにドライブしました。ここでスチュワートはスペースを空けて3Pラインの外にいたよ。でも、ブルズのヘルプが早くて潰されるとベイは苦し紛れのキックアウトパス。完全に空いていたスチュワートだけど、自分で打たず、瞬時に横でフリーになっているヘイズを見つけてエクストラパスでした。

スペースの作り方だけでなく、「ヘイズがどこにいるか」が見えていた。チームメイトの位置関係を感じることが出来ているピストンズ。あとは、正確性をあげるだけさ。なお、スチュワートの絡みが多いように、このオフェンスだとセンターは大事。サボニスでもとろうか。

トランジションで前を走った2人が両コーナーに広がり、遅れて入ってきたスチュワートがど真ん中をつきってダンク

トランジションだし、2on2だったし、強引に勝負に行ってもいいくらいの場面でしたが、そんな時でもしっかりとコートを広く使っており、広いからこそ視野も広くなっているので、後ろから走ってくるスチュワートが見えていました。こんなことになるなんてビックリ。

そんなわけで、オフェンスに意図がある。意識してスペースを作り、そのスペースに飛び込み、次に繋がってくる選手を意識し、チームで攻めている。キーになるスチュワートが10点5リバウンドと活躍した事もあっていい感じでした。ただし、ベンチメンバーが増えると、何故か1on1が増えたベイによって、最後に得点が伸びず27-28と1点ビハインドの1Qでした。純粋に層が薄すぎるだけかもね。

スペースを作って飛び込み、次の選手へ繋げていくのって、局面だけ見れば個人なんだよね。だから、その個人の部分を伸ばせばいいじゃん。そして、個人の質が上がったのがブルズって気もするぜ。

◎似ているのかもね

サンダーとラプターズの時に思っていたけど、ドノバンとケーシーって似ているような。ロスター構成が違ったことでチームっぽかったのはラプターズだけど、サンダーとやると局面のウエストブルックに困っていた記憶。何よりもレブロンに抵抗できなかったしね。チーム力では上のはずが、局面で完敗していた。

さて、ブルズもスペーシングして個人が仕掛け、そこにパスワークというエッセンスが加わって成功しているチームです。ファイティングスタイルはケーシーにはない要素だな。ピストンズの思わぬ抵抗にビックリした立ち上がりでしたが、MVPデローザンが早くもギアを上げて逆転しました。

ブーチェがベンチに下がってから目立ちまくりのデローザン。見事なスピンシュートを決めれば、逆サイドへのキックアウトでラビーンの3Pをアシスト。リバウンドからワンパスでドスンムの速攻もアシスト。見えまくっているデローザン。ちなみにMVPと言ったのはケーシーです。

控えセンターがライルズになるくらいピストンズが小さいこともあって、デローザンが下がると4ガードにしてきたドノバン。日常ではあるけど、厳しいロスター構成なんだよね。なんだけど、全く関係ないんだよね。局面を個人が強く守っている事で成立しているだけなんだけど、モチベーションって大切。

サベン・リーがダンクに来たのは、マッキーニーがヘルプに飛んできてブロック。オフェンスはコビー・ホワイトがショートフローターに3Pです。ベンチポイントが22-1になって、点差も二桁に。大きな差がある両チームのベンチ。名前だけならブルズのベンチは強くないんだけど、充実しているぜ。

そんな中、ピストンズに連続でオフェンスリバウンドを取られると即座にタイムアウトのドノバン。

この後、テクニカルをコールされるブーチェですが、明らかに気合のディフェンスに変わります。そこまでインサイドへの合わせをされていたのが、ヘルプに出ながらもスチュワートへのパスコースをシャットアウト。こないだのウィザーズ戦も同じことしてたよね。目立たないけど、コース消すディフェンスが上手い。

そしてミスを誘うと走るぜスモールラインナップ。見事な修正を見せた前半のブルズ・・・だったけど、最後の最後にデローザンがスティールされ0.4秒でファール。そのフリースロー2本目が落ちたのをジョシュ・ジャクソンにプットバックされてしまい61-52と9点差の前半でした。

◎おしまい

前半もスターターは良かったのだから追いつきたい後半の立ち上がり。ヘイズがノールックパスでスチュワートにパスを出すものの、読んでいたロンゾがスティール。つまりはそういうことだね。スチュワートへのパスコースを狙っているブルズ。狙われていることを逆手に取るまでは熟成していないピストンズ。

それでもカニングハムが上手く動き、ベイがワイドオープン3Pにするのですが決められず。逆にブーチェが突然の3Pを決めて点差が17点になります。そうね。ブルズというかブーチェはディフェンスが考えていないことをするのが上手い。心理面で完敗しているピストンズ。

あら。試合が終わった匂いがするね。働けカニングハム!

しかし3Pを外したカニングハムに対して、ボールムーブからデリック・ジョーンズが3P。点差は20点を超えたぞ。また3Pを外すカニングハム。決めろや。そして3Pを決めるブーチェ。

〇3P
ピストンズ  6/35
ブルズ   18/34

3Pだけで36点差がついた試合でした。ダメダメだったピストンズ。自分たちの形は作れるようになってきたけど、自分たちの形を防がれるとニッチモサッチモ。まぁそれでも形が出来てきただけ良かったよ。開幕時はどうなる事かと思ったもんね。

まぁそんなわけでおしまい。ブルズは強かった。そこにはブーチェとロンゾがいることで、相手の狙いを読める強みってのもあるね。デローザンとラビーンが点取って目立っていたけど、ピストンズを消したのはこの2人でした。うーん、上手くいきすぎじゃね。

なんだかものすごく相性の良い選手が集まった気もするし、選手の個性が出ているのだからドノバンの仕事な気もするし。戦術が足りないドノバンの弱点を見事に補ったGMの仕事な気もするし。全員の仕事が上手く回っているって事だな。

ピストンズvsブルズ” への2件のフィードバック

  1. ブルズは今日はネッツに大敗してしまいましたけど、シーズン前は肝と言われてたパトリック・ウィリアムがいないのに、今の成績を残せてるのは驚きです。

    アンマッチブルズから見事に変わりましたよね。

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