ホークスvsウィザーズ

2021/11/1

プレシーズンから続く流れで、勝ちまくりそうだったのに勝っていないホークスと、負けまくりそうだったのに勝っているウィザーズ。YouTubeでも語ったけど、今シーズンは突如としてバスケの質がリーグ全体で変わっているので、いろいろと苦労することが増えているぜ。

◎序列のあるウィザーズ

ディフェンス優位に動いている今シーズンですが、その中身を見るとルール改正からの流れで「インサイドでのファールコールがされない」という当初のイメージとは違う改正になっています。そのため、ガードのファールドローが多かったチームが大苦戦。

ウィザーズもそんなチームの1つのはずが、HC交代でプレーそのものが変わったから影響を受けていない不思議なチームです。プレシーズンでは両コーナーにシューターを置いて、それはスペーシングには役立っていたけど、カウンターアタックに激よわでした。プレーパターンも限られていたから、「やっていることは正しいけど、時間がかかる」って感じ。

それがシーズンになったら勝ってるじゃん。ルール改正のマイナスを受けていないのは理解できるけど、プレーシーズンと何が違うんだろ。

まず、両コーナーにクズマとKCPが配置されるのは基本として変わらず。センターラインをディンウィディ、ビール、そして今日はギャフォードでプレーメイクします。この時、ビールが昨シーズンまでのようにオンボールプレーをするのではなく、ギャフォードのスクリーン利用から動いています。これは改善要素というか、プレーパターンを限定しないことに繋がっているのかな。

さらにオフボールで動くから、連動してクズマも動きます。それはプレシーズンとの大きな違い。おそらくクズマの好調さがウィザーズに勢いをもたらしているのですが、それを感じさせる全体の構成になったオフェンスが展開されていきます。

まぁでも、そんなもんかな。時間を使ったけど、手詰まりになることもそこそこある。そんな時にディンウィディがステップバック3Pで助けているな。なんとなく、この当たりのバランスは奇跡なのか、狙ったのか不明ですが、機能している感じです。つまり

①オフボールで動くビール
②スクリーンからダイブするギャフォード
③空いたスペースに連動して動くクズマ
④手詰まりになったら個人技でいくディンウィディ

延々とスペーサーなKCPも含めて、ある意味で「順序がわかりやすい」ようなオフェンスです。序列がハッキリしているわけですが、そこに④ディンウィディが大人しいことがポイント。こんなにおとなしいイメージはないぞ。

ちなみにホークスは昨シーズン後半に勝ち始めた理由が、ヤングが①じゃなくて④になったからってのあるよね。レブロンとか、ドノバン・ミッチェルとかもそんな感じ。でも、みんな必要な時にアッサリと①に繰り上がるんだよね。モラントだけは延々と④やってたのが、プレーインになって①に気持ちを入れ替えたかな。

コーナーでボールを貰たクズマがドライブすると、逆サイドからビールが合わせのカッティング。そんなプレーもあるのか。これが八村だとドライブが止まっちゃうから出てこない気もするな。ビールとクズマを中心にフロアスペースを保って、効果的な合わせが出来ているぜ。

ディンウィディが下がるとネトのところで苦しそうになりますが、それをビールとクズマで何とかしています。もう1枚欲しいから、やっぱり八村かな。
クズマも下がるとビール・ビールし始め、ハレルも苦しいミドル。例によってボグダノビッチに翻弄されるベルタンスのディフェンスもあるし、やっぱり八村かな。

そんなわけでベンチメンバーが増えて逆転されたウィザーズ。オフェンスがさっぱりだ。ガリナリの3P、ヤングのドライブ。そして自分たちのミスからカウンターにいかれ、ファールで止めて点差は二桁に。

1Qは34-23でホークスがリード。なんだかわかりやすかったウィザーズでした。スターターの組み合わせはスムーズだけど、ベンチメンバーになると、ズレが出てきたね。そして何故かダンクに行った(多分トラベリング)ベルタンスが足を痛めてロッカーへ。交代させるためにファールして、それがルー・ウィリアムスのフリースローになったのは苦し過ぎだろ。

◎守れるのか?

レディッシュ、ルー、ガリナリとベンチから出てくるホークス。オコング以外は戻ってきた感じかなと思ったけどハーターがいないな。鮮やかに連動しているわけじゃなくて、個人の強みでリードしていきます。そういえば「ヤングのフリースローが少ない」わけですが、ヤングよりもルーの方が大きなダメージを食らいそうだよね。

コリンズとカペラがいるとインサイドが強いので封鎖しているホークス。ベンチにガリナリが戻ってきたことが大きいようにみえるな。センターはジェンもいるのですが、元々PFタイプだけにハレルとギャフォードに押さえれ気味。

さて、割と充当なホークスなので、今の成績になってしまった理由がよくわかりません。ただ、今シーズンの流れに反して「3Pをイージーに打たれている」印象は強く、その前のパスをカットして何とかしているだけで、総じてディフェンスが機能しているようには見えない。

2Q残り6分でも10点差をキープ。ここからヤングがクソパスを出してミスすると、ディフェンスもゴール下のネトにパスを通されてしまいます。KCPの3Pが外れて助かったけど、ちょっと集中力ミスを連発してしまったヤング。逆にウィザーズは、マイボールにしてから走ります。ビールのジャンプシュートで6点差に。

さらに3Pを続けるビール。ドライブからダブルクラッチも決めるぜ。スターター戻ってきて急激に形になってきたウィザーズに面食らっているような雰囲気。スターターっていうかビールとクズマだな。コリンズがクズマから目を離せず、結果としてビールのアタックが効いている。

ホークス目線で見ると、そこはハンターの仕事場だよね。エースキラー3年目がビールに翻弄されてしまった。チェンジオブペースだけで振り切られてレイアップ。ヤングがミドル、ボグダノビッチが3Pで取り返すけど、ここまでの流れに反して、ちょっと厳しい状況に。

さらにヤング狙いのアブディヤのドライブ。ビールのドライブからクズマの3P。ここまで守れていたのに、急激に崩れているぞ。1Qを23点に抑えたホークスですが、2Qは37点と失点が増えてしまいました。

オフェンスはファールドローで取り返せているので、そんなに問題なかったけど、ビール1人にズタズタにされてしまった印象です。ここのディフェンスがプレーオフで勝ち進めた要因だけに、分厚い戦力を生かして、もう少しアグレッシブにいきたかったね。63-60と追い上げられて前半が終わります。

◎修正

そういえば触れていなかったけど、KCPのディフェンスがあるのは大きいよね。相手エースを誰が担当するのかわかりやすい。「ガード2人がエースは弱い」ってのは、割と鉄則に近いので、1枚がディフェンダーに・・・ディンウィディもいるのか。ヤングに対してKCPってのはわかりやすいですが、それ以上にビールの弱みを使われる機会が減っている気がします。

そこを使ったハンターのギブ&ゴーに、ヤングからカペラへの見事なパスからダンク。ディンウィディ相手のポストアップを決めるコリンズでホークスがリードを広げる後半のスタートです。ウィザーズのオフェンスにも少し慣れたようで、ボールムーブから空いたクズマがドライブするも、ローテして逆サイドへのパスをカット。そしてヤングとボグダノビッチの3Pで15点差にしたぞ。

2Q終盤にビールにやられたところから、ハーフタイムの修正でそこのディフェンスを強くしてきたホークスに対し、他の手段を使おうとしてミスショットが増えています。プレーメイカー不足な匂いを感じさせるウィザーズオフェンスなのです。スペーシングは出来ているけど、崩すポイントがない。昨シーズンよりも「何をやりたいか」は出来ているけど、「パターンが少ない」のでプレシーズンと同じ印象です。

タイムアウトのウィザーズが取った策は「ビールへのスクリーン増やす」でした。面白い解決策だ。ハレルとの絡みで動いた後で、ウイングからビールに向かってスクリーンに行くクズマ。ここまで少なかったオンボールでのピックプレーも含めて、「ビールが苦しいなら、もっとビールを助けろ」にしました。他の選手っていう選択ではないぜ。

ディフェンスも激しさを増し、インサイドに侵入させず、外から打たせていくウィザーズですが、オフェンスリバウンドをキープするホークス。ロングリバウンドを拾うウイングの差だなー。ホークスもそんなにシュートは決まっていないので、リードを広げることは出来ず。

ベンチメンバーの時間になって、フェイクで相手を手玉に取るけどファールドローに行けないルーが苦しそうで、ジェンとガリナリの3Pも外れると、逆にハレルのパワープレーに押され始めてしまいます。さらにハレルは2つ目のチャージドロー。足浮いていたけどね。

そしてディンウィディがガリナリ相手にスピードでぶち抜いて84-77と7点差に追い上げて3Qが終わります。ちょっとホークスはデロン・ライトとルーの時間がよくない。これは想定外だな。一方でウィザーズはハレルがいるのでベンチの中心になれています。いっそのことルーとハレルを揃えてあげたいものです。

◎油断かな

レディッシュにやらせたり、ライトにやらせたり、そこからパスアウトして3P打ったり。ホークスは個人技中心だけど、上手いことバランスもとっていれば、出口も用意されているので、オフェンスは破滅的にはなりません。シュートが決まらないことはある。

一方でウィザーズはセカンドユニットに混じったディンウィディが次々にドライブし、そこから展開しているので、こちらも点が入ります。この4Q序盤はお互いに決めていく展開。スペーシングしてパスがくるからハレルが生き生きとしているな。レイカーズ時代とは違うぜ。

10点差の残り8分。KCPの3Pにギャフォードのブロックでラッシュを生み出したいウィザーズ。ヤングにミドルを返されるもネトのドライブが決まって点差を詰めたところでビールを戻します。しかし、コリンズがオフェンスリバウンドからハンターのドライブに繋げると、さらにコリンズはビールからチャージドローで、ウィザーズの出鼻をくじきます。

あのさ、今シーズンってチャージドローが多くないか?

再び二桁に離されたウィザーズはタイムアウト明けにネト、ビール、クズマと3Pを連続で打っていきますが、これが決まらず逆にボグダノビッチに3Pを決められ、ヤングの3Pが外れたのはレディッシュのリバウンドから最後はコリンズのゴール下で点差は開いていく。

そんな時にスローインからのボールを転がして拾わなかったヤング。このボールが足に当たるとキックボールをコールされます。なんだそりゃ。相手の流れを切るプレーをしているヤングですが、ちょこちょこよくわからんミスというか、自分たちの流れも切っているな。油断して雑なプレーをしているのか、なんなのか。

〇ヤング
26点
3P1/6
6アシスト

今日は3Pが決まらなかったし、アシストもいまいちだけど、何故か11ものフリースローをゲットしており、今シーズンの傾向と違うじゃん。それが何なのか知らないけど、とりあえず点差が離れた終盤に3P打って外し、カウンターをくらい、ドリブルをスティールされてカウンターを食らい、残り1分半で8点差に詰め寄られます。

ワンチャンスが生まれたウィザーズ。ヤングの油断っぽいんだよな。それはタイムアウトを挟んで油断を取り除けば、コントロール→コリンズとのPnRでどうにかなるってことでもあり、時間を使って逃げ切りましたとさ。

〇リバウンド
ホークスのオフェンス 13
クズマ  6

ウィザーズの注目ポイントの1つが11.8リバウンドのクズマでしたが、この試合は見事に6に終わり、しかもホークス側のオフェンスリバウンドが目立ってしまいました。ってことでシーズンの傾向と違う現象が起きたわけだ。クズマが3つリバウンドを増やしていれば、展開は違ったかもね。

ウィザーズが勝っている理由を探す今週ですが、まず何よりもHC交代でスペーシングされるようになり、1つ1つのプレーにムリがなくなりました。個人技特攻ばかりしていたネトなんかも、人がいないスペースにドライブしているもんな。

そんな中でクズマはレイカーズから来ただけあって流れの中でドライブ出来ていたし、KCPがひたすらスペーシングだけしているのも効いていたね。そしてアンシェルドの持ち味なのか、ナゲッツ流なのか、オフボールでのスクリーンを多用し、ビールを空けていたのも印象的です。

後半はディンウィディのアタックがあったので、攻撃手段が増えていましたが、全体的にはプレーメイカー不足なのは事実。ここにウエストブルックがいれば暴れた気もするけど、1年の違いはいろんな差異をもたらすな。

チーム全体のバランスや、連続するオフェンスパターン、そしてスペーシングはしっかりしている。だけど、オプションの数が足りない。

こんな印象は何も変わらないホークス戦でした。それでも勝っているのはHCの選手起用の上手さもあるんでしょうね。この試合ではギャフォードとハレルの使い分けかな。ハレルの方が良かったけど、それは相手が弱い時間帯に活用するからでもあります。自分で行く能力はギャフォードよりも高いから、微妙なマッチアップさを使っている。

あとはベルタンスがいなくなったので、そこはわからん。ホリデー3男、アブディヤ、キスパート、ネトなんかは、特徴出せていたとは言い難いかな。特にアブディヤは昨シーズンの方が「面白く伸ばせそう」にみえ、割と普通のオフェンスになった今シーズンは「何を武器にするんだろうか?」に見えたぜ。

そんな1試合目の感想から、次の試合で何が変わるのかも楽しみにしてみましょう。1試合で全てを判断してはいけない。特にディフェンスはホークスが豪華すぎたので、これで否定的になるようなもんじゃないし。

ホークスは油断もあるけど、ヤングとコリンズがエンジンをフルスロットルにしていない。プレーオフまで先は長いから、これでいいんじゃないかな。今はレディッシュの奮闘とハンターの個人技を磨いておこう。そんな印象ですが、とにかくルーとライトのところは、どうにかしないといけません。

ルール改正が痛いのと、ベンチメンバーだとルーに合わせるセンターが足りない感じ。ジェンは外待ちもあるから、ハレルみたいなタイプとは違うもんな。逆にそこだけが目立ってしまうほど、ウイングが充実していたぜ。ハンター、レディッシュ、コリンズ、ガリナリは反則だな。

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