ルーキー大豊作の今季はNBAに新たな時代が訪れる予感すら感じさせます。しかし、振り返ってみるとルーキー不作の年が続いてから突然訪れた大豊作です。
思い出すのはネテロ会長の言葉
「しばらくルーキーの合格者が出ない時期が続いた後に、優秀な若者が一気に集まる」
そんなハンター試験みたいな状態が今年のルーキー達です。
そんなわけでルーキー達に触れるわけですが、今回はその前にこの3年間を振り返ってみましょう。
ソフォモアとジュニア達を考える企画です。
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◉星5段階評価
今回は『現時点での活躍ぶり』で5段階に分けます。伸び代を考え出すとキリがないので、あくまでも現段階です。合わせて彼らの1年目はどの段階だったかも注記します。
5星☆☆☆☆☆
レジェンドクラス
フランチャイズプレーヤー
リーグの中でも中核的な存在になりそうな選手をここにランクします。本当にこのクラスになるかは今後の活躍次第ですが、チームとしては単なる中心選手ではなく、引退まで引き止めるかのようなフランチャイズプレーヤーたる選手達です。
4星☆☆☆☆
オールスタープレーヤー
チームスタープレーヤー
オールスターに選ばれるレベルの選手からチームのスターとして中心に据えられる選手をランクします。
リーグを代表するかは微妙でもキャリアの中でオールスターには選ばれるレベルの選手なので、既にチームの中心になっているはず。
3星☆☆☆
スタータークラス
チームとしてはキープしたいスタータークラス。他のチームでも間違いなく活躍するだろう選手達です。
将来は必要ならばトレードするかもしれませんが、若手の段階なので期待の有望株として存在しているはず。
2星☆☆
戦力クラス
どのチームでもスターターとまではいかないけど、間違いなく重要な戦力として機能するレベルの選手。チーム事情によりスターターや6thマンだったり、ディフェンス要員やシューターだったりと用途は様々。
1星☆
NBAでプレータイムを得られるクラス
ベンチからだけど、プレータイムは得られるのでNBAで生き残れる選手。成長すればスターターにもなるでしょう。
NBAプレーヤーといっても全体からするとベンチメンバーの方が多いわけですからリーグの平均レベルの実力はあるという事です。
これくらいの分類です。つまり1星☆と言ってもダメではなくて、十分な力があるので成長してスターになる事だってあり得ます。
初めの3年間は芽が出ない選手だっていますよ。
人数が多いとめんどくさいので2星☆☆以下は割愛します。上の方のレベルで考えようという企画です。
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◉5星☆☆☆☆☆
3年目
◯カール・アンソニー・タウンズ
2015ドラフト1位
ルーキー:5星
20.2点 11.2リバウンド
ルーキー時代からセンセーショナルな活躍をしたタウンズ。
GMアンケートで自由にチームを作れるなら誰を中心にしたいか?という質問で1位となったタウンズはセンターとしての強さを持ちながら、アウトサイドでもプレーします。
チームが豪華になり3年目で初めてスタッツを落としていますが、勝利を得られる事で変わらずリーグの中心センターになろうとしています。
持ち合わせていないのは人気だけ?
5星☆☆☆☆☆をあげたくなるのはタウンズのみです。
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◉4星☆☆☆☆
≪3年目≫
◯デバン・ブッカー
2015ドラフト13位
ルーキー:2星☆☆
24.8点 4.8アシスト
大学ではタウンズの同級生にして6thマンだったブッカーはルーキー時代はベンチスタートから次第にスターターの座を掴み、2年目はスターターとして活躍し、シーズン終盤にNBA史に残る70点を記録しました。
年々評価を上げていくブッカーは、有望株ではなく完全にチームの中心になりました。今季はトリアーノHCによりシューターではなくコンボガードとしてアシストも増やし始めています。
シューティングスコアラーとして最も怖い存在でありながら、ワイドにパスを振っていきます。それはさらなる成長を感じずにはいられません。
3年後にタウンズと逆転する可能性も感じています。
◯クリスタプ・ポルジンギス
2015ドラフト4位
ルーキー:4星☆☆☆☆
23.6点 2.2ブロック
あっという間にNY希望の星となったポルジンギスはカーメロがいなくなりエースとして好調なチームを引っ張ります。
ポルジンギスを助けてくれるメンバーにも支えられ、今季はオールスターにも選ばれるでしょう。その意味では3年目の出世頭です。
実はディフェンスの存在感が抜群でユニコーンブロック🦄によるプレッシャーが最大の武器です。
課題はFG%の安定。シュート力は抜群ですが、それを止められると途端に苦しくなります。ハイプレッシャーでも決められるならばノビツキーにもなり得ますが、決められない今は5星は与えられないかな。
◯ニコラ・ヨキッチ
2014ドラフト41位
ルーキー:2星☆☆
15.7点 10.1リバウンド 4.8アシスト
ナゲッツに革命をもたらしたヨキッチは今季は苦戦していますが、それでも4星☆☆☆☆に相応しいスタッツを残しています。
パッシングセンターは3P時代には効果的過ぎるのですが、自身のFG%を伸ばさないと意味は薄くなります。そんな対策をされた日にアシストが伸びません。
若きチームは今シーズンの中でも様々な顔を見せており、必ずしもヨキッチ中心ではなくなりましたが、何にでも対応してしまえる器用さがあるとも言えます。
残りのシーズンでプレーオフ仕様にチームを整えていけるのかに注目です。
◯ディアンジェロ・ラッセル
2015ドラフト2位
ルーキー:2星☆☆
20.9点 5.7アシスト
レイカーズに指名され、コービーの後継者として注目度が高すぎた上に問題行動もしていたラッセルは、ネッツで絶対的な中心選手としてチームを勝利に導きました。その活躍にはレイカーズファンから喜びも嘆きもあるでしょう。
ラッセルによってどうやって勝利を得るのか。
ネッツはその設計がしっかりとされています。しかしディンウィディーも同じ活躍をしているのでチーム内でも競争はあります。
ケガで今季絶望と言われていましたが、戻ってくるという話もあります。安定しなければ逆に3星☆☆☆に下がる可能性も。
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≪2年目≫
◯ジョエル・エンビート
2014ドラフト3位
ルーキー:4星☆☆☆☆
23.8点 10.9リバウンド
プレーだけなら5星ですが、定期的に休んで移動の負担も少ないならば、そんな評価は出来ません。4星でも悩むくらい。頑丈なタウンズとは違います。ルーキー扱いの昨季も同じ。
出場しているときは圧倒的。特にディフェンスでの貢献が高いです。オフェンスでもシモンズという相棒を得た事でシュート能力の高さが活かしやすくなりました。エンビートの間合いを許すと高確率のシュートに、オラジュワンばりのステップワークを使ってきます。
休みながらも5星にしたければ優勝するしかありません。
◯ジェイレン・ブラウン
2016ドラフト3位
ルーキー:1星☆
ルーキーシーズンはプレータイムをあまり貰えなかったブラウンですが、自力で打開する能力は示していました。迎えた今季はリーグ最高クラスのディフェンダーとして能力を発揮しています。
得点面は主役が多いチームなので、あまり伸ばせませんが、スマートと共にディフェンスのセルティックスを構築しています。
ガード登録の選手を4人起用するなど、極端なスモールラインナップを採用する事がしばしばあるにも関わらずディフェンスを成り立たせるユーティリティ性も備えています。
オフェンスならば3星☆☆☆という感じですがディフェンス力が大きな価値を生み出しています。
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◉3星☆☆☆
≪3年目≫
◯マイルズ・ターナー
2015ドラフト11位
ルーキー:2星☆☆
ルーキーシーズンは後半から特に目立ち始め、プレーオフでも活躍。ディフェンスチームからオフェンス志向に変えたペイサーズの中心になりました。しかし、スターになるほどの活躍は出来ていません。
本来はPFながら機動力センターとして動き回り、シュートの上手さもあります。もう一歩ブレークして欲しい所ではありますが、どんなチームでも欲しがる選手です。
◯ランディ・ホリス・ジェファーソン
2015ドラフト23位
ルーキー:1星☆
ルーキー時代の事は何1つ知りません。21分で5.8点だったのが、今季は15点まで伸びました。スタッツ以上の存在感がある選手です。ミスも多いけどエネルギー溢れるプレーヤーはネッツを引っ張り上げる存在です。
ドラフト3位のオカフォーも加わり2015ドラフト組が中核に据えられてきたネッツ。この人の伸び代が最も大きく見えています。
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≪2年目≫
◯ブランドン・イングラム
2016ドラフト2位
ルーキー:2星☆☆
正直、もっとダメな2年目になると考えていましたが、予想以上に成長しているイングラム。今季はクラッチショットも決めており、本当ならば星4☆☆☆☆です。
レイカーズ対策にはイングラムをどうするかから始まります。既にチームのエースではありますが、戦術の中で他の選手が自由にプレーしていて、イングラムのシュートアテンプトが少ない事が課題です。
それはまだ完全なイングラム仕様にはリスクがあるという事で3星☆☆☆にしています。主にシュート力の改善が必要。
このまま成長出来るならば大きな期待を抱かせる選手ですが、レイカーズのチーム事情がどう左右してくるのか。
ニックスがポルジンギスの脇を固める選手で構成されているのに対し、レイカーズは周囲も主役になる選手で構成されています。
◯ジャマール・マレー
2016ドラフト7位
ルーキー:2星☆☆
1年前、今後数年はムディエイで行くとみられたナゲッツのPGは完全にマレーの指定席に。スコアリングガードとしてヨキッチとの相性が良く、リーダーシップをとれる性格も向いています。
まだ安定感にはかけるものの、試合によってはエースとして機能していきます。ナゲッツ自体がハリス、バートン、ライルズとそんな選手を抱えているので、もう少しPGとしてアシストを増やせる事を願います。
ナゲッツでオールスターになるのは難しいけど価値は高い選手です。
◯クリス・ダン
2016ドラフト5位
ルーキー:星なし
チームの快進撃にも乗っかって滑り込みで3星まで上げてきたダン。
ルーキーNO.1PGとされながら、ウルブズでの散々なルーキーシーズンで見切りをつけられたのが幸いし、ブルズではベンチスタートからスターターの座を勝ち取り、遂にはチームの最重要選手に。
思ったよりもシュート力も悪くなく、得点力が増してきたらアシストも増えだしました。もう一歩成長して、20点10アシストに近づければランクアップも近いです。
◯ドマンタス・サボニス
2016ドラフト11位
ルーキー:2星☆☆
スターターではないこの選手に3星☆☆☆をあげて良いのかは悩みましたが、そのスタッツは十分に値します。24分出場で13点8リバウンドは素晴らしい効率性。
そしてPFでストレッチ4が主たる役割だと考えていたのに、センター役を見事にこなしているのがその価値を更に高めます。時代に合った柔軟性を持ち合わせます。
オラディポとサボニス。サボニスの大活躍もあってペイサーズには、ポール・ジョージ1人よりも価値のあるトレードになりました。
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◉3年目総括
3年目は6人しかいませんでした。
しかし、この年の上位指名選手は各チームでしっかり活躍しています。出番が少ないのはオカフォーとマジックのヘゾニャくらいです。
その点ではここまで潜在能力は高いとは言い難いけど、間違いのない選択をされていたと言えます。ホリス・ジェファーソンは今季突然なスタッツでもあるので、他にも経験を積んで台頭するかもしれません。
オカフォーは課題も多いけど、基本的にはシクサーズの問題の方が大きいのでネッツでの活躍をみてから評価すべきでしょう。
期待しているのは40位指名ヒートのリチャードソン。
既にディフェンダーとしては超一流。線は細いですが、リーグで最も嫌なウイングディフェンダーかもしれません。
そしてケガ人多くなった今季はオフェンスでも活躍し始めたので、一気にブレークするかも。ネッツにトレードされたら2015ドラフト大集合で面白いのですが。
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◉2年目総括
大不作だった昨季のルーキー達。
主役の座を担っているのはエンビートとイングラムのみですが、今季になり意外と台頭してきています。悩んで落選させたのは
サリッチ
ブログトン
ファレル
プリンス
4人ともチームで重要な役割を担っていますが、どのチームでも活躍するかは微妙。プリンスはどこでも活躍するでしょうがスターターかはちょっと。その点では移籍したサボニスは得しています。
2016ドラフト1位から3位は活躍していますが、やっぱり不作だった感じは否めません。ちなみにブログトンは2巡目でファレルはドラフト外、エンビートとサリッチは2014ドラフト(代わりにシモンズは2016)
名前を挙げなかった中でブルズのバレンタインを除けば、ベンチからそれなりの活躍はしても、チームにとって重要な選手かといわれると?マークばかり。
特に期待外れはドラフト6位キングスのヒールド。昨季終盤の活躍で、今季はMIP候補に予想されていましたが、ここまで長いプレータイムを得られていません。でも3P46%。チーム運は大切だ。
2年目なので、まだチームから成長の期待も大きい選手ばかりですが、後から来たのに追い抜かれる選手ばかりになるかもしれません。
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◉評価順に並び替え
管理人の考える今季の活躍度順に並び替えてみます。あくまでも活躍度で将来性ではないよ。
5星☆☆☆☆☆
タウンズ
4星☆☆☆☆
ポルジンギス
ブッカー
エンビート
ヨキッチ
ブラウン
ラッセル
3星☆☆☆
イングラム
ターナー
マレー
ダン
ホリス・ジェファーソン
サボニス
タウンズとラッセルの位置が正しいかはちょっとアレですが、まぁ大体こんな感じ。
ポルジンギスとブラウン、イングラムとサボニスが同じランクかと言われると苦しいのですが、分類し始めたらキリがないので。
ルーキー時代から同じくらいの評価となる選手は殆どいなかったので普通は3年くらいかかるという事かな。
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◉プレータイムからみるルーキー達の活躍ぶり
最後に個人の評価ではなく、プレータイムからこの3年間のルーキー達の活躍ぶりを比較してみます。
◯プレータイム25分以上
3年目 11人
2年目 9人
こうみると大して違いません。ドラフト年で分けると2016年は微妙なのですが、毎年10人前後が標準的かも。
これをルーキー時代で見てみると
◯ルーキーで25分以上
15-16シーズン 7人
16-17シーズン 6人
人数は減りますが、半分くらいはルーキー時代からプレータイムを得ていたことがわかります。
これをチーム状況でみると両年とも唯一ヒートのみが勝ち越していながらルーキーのプレータイム25分以上を排出しています。
◯今季のルーキーで25分以上 10人
今季は明らかに多くなります。しかし、勝ち越しはセルティックスのテイタムのみなので、やっぱりチーム運は大切。
つまり今季のルーキー達は全般的にチーム運に恵まれたとも言えます。わかりやすいのはドノバン・ミッチェルで、51勝だったジャズがヘイワード離脱で負け越しているわけです。
それはミッチェルにとってはタイミングがもたらした幸運です。
そういえばジャズってヘイワードでそこまで変わったのか!?
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ルーキーに触れる前に2年目、3年目を確認してみました。こうみると活躍するまで時間のかかり方は違っても、何だかんだ上位指名は中心選手まで成り上がっています。
そしてちゃんと成長しているかも大切です。サンズは上位指名を揃えていますが、13位のブッカーが最も成長したチームです。いい加減ロッタリーピックしたいところ。
次回はルーキーについて触れていきますが、現段階を確認して来季に振り返ると面白いのかもしれません。
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◉余談:年齢で分けてみる
エンビートは2014年指名なので23歳とタウンズよりも年上です。
アメリカにおけるドラフト資格は高校卒業して1年後です。アメリカは飛び級可能なのでその年齢も微妙に異なります。
何よりアーリーエントリーするので年齢でみると少しイメージも変わって来ます。
◯23歳
エンビート
ダン
ホリスジェファーソン
23歳と考えると荒削り過ぎる3人です。
伸びそうに感じながら頭打ちになるのだろうか。
◯22歳
タウンズ
ヨキッチ
ポルジンギス
なんとなく納得してしまう完成度の3人。
既に自分の型が出来ていて、ここから安定感を増し、勝利に直結する重要なプレーをどうやって繰り出すことが出来るかが求められています。
◯21歳
ブッカー
ブラウン
ターナー
ラッセル
サボニス
まだ自分の型が完成されていない、足りない部分を感じる選手達です。ハンドラーやっているブッカーは最たる例かも。
もう2段階伸びて欲しい気はして来ます。
◯20歳
イングラム
マレー
マレーは完成度高そうに見えて、実はまだまだ先があるのか。イングラムくらいの未完成な感じが普通だと思います。そのため星を増やす可能性は大いにあるといえます。
年齢的には今季のルーキーでもおかしくなかった2人なので、大活躍といえます。
まぁ何歳まで伸びるのかは謎ですから今後を占えるわけではないですが、年齢でみると若い方が未完成の傾向は強いです。
今は活躍してなくても台頭してくる選手も出てくるでしょう。