ECF バックスvsホークス ゲーム5

ヤング欠場のゲーム4で見事なプレーを見せたホークス。そして試合中にケガをしたヤニスも欠場となるゲーム5です。ケガが多いプレーオフですが、両チームのエースがいないというのはさすがに緊急事態。

バックスはヤニスの穴に何故かポーティス。ここだけみたら変じゃないけど、そもそもタッカーをスターターにし続けているのに、さらにポーティスは不要な気がして仕方がないです。ただし、ホークスはビッグ迄守れるウイングを起用していないので、かならずタッカーは楽なマッチアップになるんだけど、そこを使う事もない。

◎ゴール下の戦い

ゲーム4のホークスはヤングがいないことで、むしろオフェンスのバランスは良くなりました。同じことがバックスに発生し、ホリデーのドライブ、ミドルトンのプルアップ3P、ホリデーの3Pとエース連発で始まります。これならカナートンをコーナーにでも置いた方が機能しそうなのですが、ディフェンス面でブルックが早々に2ブロックで救っており、意味はあるようなないような。オフェンスもインサイドで頑張ったのはブルック。日常じゃん。

タイムアウトのホークスはドライブキックアウトからボグダノビッチの3P。さらにわかりやすく収縮してくれるバックスなので、そこそこわかりやすく攻めることは出来るのですが、どうしてもコリンズが決められない。vsホリデーのポストアップするけど、むしろその方が苦しい。

だからバックスのラインナップに意味があることとしては「コリンズで組み立てさせない事」です。これは成功しています。もっともコリンズはワイドオープンの3Pも打っており(外した)、別に攻略できないわけじゃないけどね。シュートが決まらないならバックスの作戦勝ちだ。

一方でホークスのディフェンスはミドルトンvsルーにされたりと、マッチアップの苦しさがあります。ヘルプに出てシュートミスを誘っても、リバウンドにブルックとポーティスが飛び込んできてしまう。なお、ホークスも3P外れてもカペラやコリンズでリバウンドになるので、お互いにオフェンスリバウンドはとれるっていう変な展開。

その中でセカンドチャンスを確実に決めていくのがバックスで、外していくのがホークス。どんどん点差が離れていきます。15点差になってホークスが2回目のタイムアウト。

そういえばゲーム4はヤニスがいなくなってから一気にホークスが押し切りましたが、内容的にはゴール下を制圧していたヤニス不在の痛みでした。だからポーティスでインサイド強化は正しいのか。
でもホークスが「ヤング不在でディフェンスが向上」はわかるけど、バックスが「ヤニス不在でディフェンスが向上」は意味わかんないよね。ちょっと上手く行き過ぎている気もします。

でも、そういえばゲーム4ではミドルトンにレディッシュが効いていたんだった。それはサイズ負けしないウイングの登場で、たんにミドルトンを困らせたというよりは、インサイドへのパスが出しにくくなっていた気がします。スターター同士なら、バックスの方がインサイドで強いってのも事実か。

3Pが決まらないと厳しい雰囲気のホークスオフェンスに対して、ルーを守っていたポーティスがドリブルをスティールします。アウトサイドまで止め始めてしまった。調子に乗ると止まらないのがバックス。負けている時は全然なのに、勝っている時は超強いな。

ベンチに戻ってからも1人でブツブツしゃべっているポーティス。相当な気合で望んできた雰囲気です。そしてホリデーからのパスでブルックがダンク連発し20点差に。ホークスがゴール下でチャンスを作ってもファールで止め、それをオコングが外していくし。もうゴール下で圧倒のバックス。

ヤニスがいないから仕掛けるのはホリデーになり、ヤニスがいないからゴール下に飛び込みまくるブルック。全く別のチームになっている事に加えて、オコングがヘルプに出た後のローテが悪すぎるホークス。ちなみにこれって、今に始まったことではなく、シクサーズとのシリーズでも悪かったのよ。でも、みんなそれを活用しないチームばかりだからさ。

それでもオコングはオフェンスで奮闘し、外しまくるチームメイトを助けていきます。1人でやっているオコング。そんな中でトランジションに行ったレディッシュは3人いるのにツッコんで&ワン。今日もホークスはレディッシュとオコングなのか。あとはダンがホリデー止めてくれればな。

しかし、ホリデーがドライブからコーナーにキックアウトするとカナートンがドライブレイアップ。さらにガリナリのポストへのパスをミスして速攻を食らうダン。ちょっと余裕を見せたブーデンがベンチメンバーを使いすぎたので、ガリナリに取り返されて、36-22で1Qが終わります。

いやー、面白いもんだよね。ヤングいなくなって大勝したホークスと、ヤニスがいなくなって大量リードするバックス。特にバックスの場合はホリデー中心のオフェンスはスペーシングが出来ているし、ハードワークするし。ヤニスが中途半端にボール持っている時とは大きく違うぜ。

〇1Qのホリデー
11点
6アシスト

やりたい放題だったホリデー。ヤニスのいたときの鬱憤(?)を晴らすかのように、自分で仕掛けまくりました。それを止めるディフェンダーがいないホークス。ダンの役割なんだけど、全然ダメだった1Qです。なお、ホークスはファーストラウンドでもローズに好き勝手にやられており「ガードを守れない」ってのは日常の話なのでした。

ペイント内得点が28-8だってさ。ホリデーを止められずにゴール下で得点されまくったっていう。ヤニスがいない効果が出すぎている気がするよ。マクミランはQでのインタビューで笑っていた。笑うしかなかった。

◎ミスにミスでアンサー

試合序盤とは違って、オフェンスはそこそこ形になってきたホークス。でもホリデーがいなくなってもミドルトンがルーとのミスマッチでミドルを決めるから点差は縮まりません。そんな中でレディッシュがスティール速攻。いやー、働くね。カンファレンスファイナルまで進んできたから何も言えないけど、ハンターとレディッシュがいて戦って成長して欲しかった気もしてくるプレーです。

で、今度はガリナリがコリンズのポストへのパスをミスし、カウンターで最後はポーティスが押し込み。凡ミスも多いぜ。そして走っているポーティスは偉い。見過ごされそうですが、バックスは主力を使いすぎて走れないんだけど、ポーティスだけは走りまくっているシリーズです。

で、今度はミドルトンがなんでもないドリブルを自分の足に当ててターンオーバー。そこからトランジションでボグダノビッチが3Pを打つけど決まらず、逆にブルックが&ワン。うーん、もうこれ、ダメじゃね。バックスは完璧ってわけじゃないけど、ミスにミスで返して失点しているのがホークス。

ルーがコリンズへのパスをミスし、スティールしたミドルトンが倒れこんでしまいホークスにプレゼントパスしてしまうのですが、それをルーがまたもパスミスで返してあげます。いやいや。酷いぞ。ゲーム4の集中力が消え失せているホークス。特にスターターは悪い部分ばかりが目立ちます。

ただ酷いんだけど点差は15点で止まったまま。ポーティスがいなくなったら勢いが落ちたバックス。ミドルトンもブルックも決めているんだけど、安定してきてしまった。あとディフェンスもアウトサイドは空くから、ボグダノビッチが3Pで耐えさせている。

残り4分から、やっとドライブを決めたコリンズに続いて、ハーターからカペラへのロブパスも決まります。大敗しているゴール下でやっと取り返した。と思ったら、ボール運びでルーがホリデーにスティールされます。あっちが機能すれば、こっちがダメになる。だからホークスも取り返せそうで取り返せない。

3Pを決めたコリンズで9点差になると、戻ってきたポーティスがポストムーブから押し込み。ハーターの3Pは外れ、さらにハーターはホリデーのディフェンスにボールを持つことすら難しく苦しみまくります。それでもコリンズのミドルが酷い外れ方をするとオフェンスリバウンドが落ちてきて、最後はフリーになったハーターが3Pとツキが巡ってい来たホークス。

レディッシュはブルック相手にドライブを仕掛けて決めきり、やっぱりオフェンスは何とななっていますが、守り切れないからタッカーのコーナー3Pに、ホリデーのプルアップ3Pで14点差に戻ってしまいます。

最後はボグダノビッチがドライブを決めると、バックスのボール運びをレディッシュがスティール。コリンズがゴール下を打とうとしてミドルトンにブロックを食らいアウトオブバウンズに。チャンスを潰したと思ったら、やり直しのオフェンスで残り1秒でコリンズが3P。

凄いな。ツキはありまくったし、レディッシュが引き寄せた感。65-56と9点差になって前半が終わります。20点差で良さそうな内容なのですが、9つのオフェンスリバウンドと5つのスティールでなんだかんだって感じです。

◎何かが起こる気がしない

ハーターが粘り強いドライブを決めるのですが、またルーからカペラへのポストエントリーがスティールされます。ちょっと酷いぞ。勝負でも何でもないパスでミスが出すぎ。それだけバックスがプレッシャーに出ているわけですが、そんな時にファールドローするのがルーの良さだったはず。

一方でバックスはパスアウトは良い雰囲気だけど、さすがにインサイドへの狙いは囲まれてしまいます。が、今度は囲もうとしてきたカペラに向かってターンしてファールドロー&ワンのブルック。ヤニスのいないインサイドを謳歌しています。

まぁ普通に考えると、ヤニスはセンターやるべき人材だもんね。そこにブルックが3Pでストレッチ出来るからツービッグに出来るだけであって、オールスターだったブルックの本領はこっちだし。ヤニス相手よりも守りにくそうなカペラ。正面から突破してきてくれるなら対応するけど、死角にパスだされて反応が早いわけじゃないし。

コリンズがフローターを決めるも、ポーティスもミドルで返して再び14点差。ブルックとポーティスにやられまくっているホークス。ルーがミドルを決めてもホリデーからブルックへのアリウープ。

まぁ前半同様にホークスもそこそこ点が取れるようになっています。ところがミドルトンの3Pにファールしちゃったボグダノビッチとかさ。でも、これは3P打ったミドルトンが前に飛んでいて、ボグダノビッチの足に着地しているだけでもあるんだよね。3Pに対して、3Pラインの内側で足を踏まれているのにフレグラント1ってのはかわいそうだ。

相変わらずミルウォーキーはホームコートアドバンテージなジャッジがありますが、ここで起きている事は「何とか止めたい」としてやりすぎているホークスディフェンスでもあります。ガマンしないといけないけど、あまりにも待っ漏れないから我慢できないんだろうな。「ブルックのダンクよりもホリデーのフローターの方が外れる」とジャッジできるかどうか。

どうもシュート精度はイマイチでも再びオコングが救ってくれるけど、そこからミスが出て速攻になったり。でもブルックがトラベリングしてくれたり。なかなかどっちもミスがでて、ちょっと眠くなってきた。何かが起こりそうな匂いがしない。

お互いに抱えている悩みは同じ気もします。オフェンスよりもディフェンスの問題。もっとシンプルに外れるのを待つのがバックスでしたが、今日は強気に出ている分だけ時にミスもある。ホークスの粘り強さにも苦戦。ホークスは純粋にゴール下に困っている。それもどんどん困っていく。

ハーターが3Pを決めると、ハーターに強く出たバックスディフェンスによってペイント内が相手オコングのフローター。そいして、せっかく追い上げたのに、フォーブスのフローターが外れた時に3対1なのに、ブルックにリバウンドを押し込まれてしまい、さらにポーティスのドライブに2人いっても止められない。ちょっと考えにくいけどね。ダンのディフェンスが効いていないな。

3Q終わって91-78と13点差。射程圏内にずっといるのにラッシュが出来ないホークスと、20点差にできないバックス。こういう時は負けている方が追い上げるのが普通だけど、ちょっとそういう匂いがしない。だって、凡ミスするし、オフェンスリバウンドを取られるんだもん。

◎ヤニス不在に困ったホークス

4Q開始でミドルトンに続いて、フォーブスの3Pが決まり18点差。これで決まったかと思ったらコリンズが3Pで返します。でも、すぐにミドルトンが3P。コリンズがファールドローで返したけど、ミドルトンに合わせたブルックのフックで18点差のまま。「さすがにもう」って時にガリナリの3Pです。

でも、タッカーが外してくれた後の2本目の3Pは決まらないぞ。そしてルーのスローインがスティールされ、ポーティスの速攻です。もうこれ、勝つ気ないだろホークス。

〇ルー・ウィリアムズ
17点
5アシスト
6ターンオーバー

別にヤングのような活躍はしなくていいんだけど、ターンオーバーが多過ぎ。ヤングは長い時間ボールを持って、得点もアシストもする中でのターンオーバーだけど、ルーはプレーシェアする中でのターンオーバーだから余計に目立ちました。

その後も3Pを決めたら決め返され、シュートミスがあったらターンオーバーし、ねじ込んで守り切ったと思ったらリバウンドを押し込まれ。

上手いカットプレーも出たし、リバウンドも奮闘するし、だけど、結局はディフェンス力不足でホリデーとミドルトンに対抗できなかった感じで、そこから崩れた挙句にブルックとポーティスにやられてしまうのでした。

ホークスはディフェンスの改善でここまで進んできたし、それはヤング不在はあまり関係ないんだけど、どうにもこうにも手が打てずに終わったのでした。でも、終わってみれば序盤の猛攻でリードしたことでバックスが無理なオフェンスをしなかったことが勝因です。

これも通常営業って感じで、勝っている時はスペーシングされてパスをしっかりと出すオフェンスを展開するバックス。負けているとヤニス一辺倒。今日は3Pが決まらなくてもスペーシング出来ていたから、インサイドを使えた気がしました。

〇ペイント内
バックス 66
ホークス 36

この差は大きかったわけですが、これまでと違うのは「ヤニス抜き」での差であること。こんなにやられては意味がないぜホークス。そしてブルックが強すぎたな。カペラがブルックにやられてしまったのが最大の問題でした。

〇ブルック
33点
FG14/18
4ブロック

3ブロックはしたけれど、6点しか取れなかったカペラね。オコングの方が良かったなぁ。カペラはヘルプでは止めに行くんだけど、そこにローテのカバーがなかったというか、優先順位が違ったというか。いやいやバックスのスペーシングが良かったんだな。ヤニスがいないから周囲もカペラに寄ってこないし。

一方で、ここまでペイント内で負けながらもホークスは15本の3Pを決めて112点も取りました。だからオフェンスはそんなに気にすることはなく、ヤング不在とは違う問題でした。

ゲーム4は「ヤング不在でバックスが困った」試合でした。ホークスのオフェンスはボールが動くし、ディフェンスの穴が減ってしまった。

ゲーム5は「ヤニス不在でホークスが困った」試合でした。スペーシングされ、カバーが間に合わず、自分では仕掛けないポーティスとブルックの合わせにやられてしまった。

こういうことが起こるのも面白いよね。カンファレンスファイナルでこれか、って感じもありますが、両エースがいないことが、お互いに1勝をもたらすのは、意外とありがちな話です。クリス・ポールいなくて2連勝していたサンズだってそうだしさ。

ゲーム6も開始6分でアドバンテージをとれるかが大事になりそう。特にホークスは先手を取らないとバックスが乗ってしまいます。そこから互角の展開が始まるって感じなので、力の差も出てきてしまったよね。

一番頑張らないといけないのはルーとダン。ヤングの代役2人がミスだらけでは前に進めないぜ。あとダンはディフェンスが仕事だからさ。なんて言ってたらヤングが戻ってくるのかもね。

ちょっと意外なことが起こるし、バックスのオフェンスがとっても良くなったので、楽しめた面もあるゲーム5でした。もう少しホークスが頑張っていれば後半も面白かったのにな。

ECF バックスvsホークス ゲーム5” への2件のフィードバック

  1. これもしもカペラがゴベアだったらもう少し守れていたんですかね。、

    1. もう少し守れてますね。
      カペラも守り方悪いけど、それよりカバー不在なのでオニールが欲しかったの。

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