WCFクリッパーズvsサンズ ゲーム6

カム・ジョンソンが出れないことになったサンズ。ズバッツのいないクリッパーズも厳しかったけど、今度はサンズも厳しい。何よりもスモールに対抗する手段が減ってきそうなことと3Pを確実に決めていたのがカム・ジョンソンだっただけにさ。

◎決まった3P

ゲーム5で3Pを外しまくっていたのがクリス・ポール。ちょっと厳しいぜポイントゴッド。しかし、今日はプルアップ3Pを連発し、15-9とリードさせて本日も先にタイムアウトのクリッパーズです。これをゲーム5に決めていれば勝てただろうに。モリスがゲーム4までに活躍していれば3勝1敗にできたかもしれないクリッパーズと、クリス・ポールが決めて入ればファイナルを決めていたかもしれないサンズだから互角かな。

今日もゾーン気味にするクリッパーズは、初めからポール・ジョージがヘルプ担当。エイトンの相手をするので大変そうに見えて、そんなにフィジカルコンタクトもないし、諦める所は諦めるから、意外と消耗しないで過ごせている気がします。

ゲーム5と違ったのはクリッパーズオフェンスがポール・ジョージ頼みというよりは、ベバリーやレジーがアグレッシブにアタックしていき、ここでもポール・ジョージが働かなくていいこと。ドライブ&キックアウトで形が出来ています。何故か突然にして綺麗に回るようになっているのは、サンズ側がポール・ジョージを警戒しているからだろうね。

一方でベバリーにチャージングしてしまうブッカーが苦しかったものの、ペインもブッカーも3Pをヒットしていき、シューティング好調なサンズ。エイトンが見事なスピンムーブを決めれば、オフボールで動いたミカルがうまいパスでエイトンにアシスト。クリッパーズの小ささを生かしたプレーが出来ているので、強引なアタックさえしなければ良いオフェンスになっていきます。

残り2分切ってカズンズが出てきても流れは変わりませんが、オフェンスでカズンズがトップから3Pを決めると、さらにブザービーターでも3Pをヒット。33ー29とサンズリードでしたが、最後のカズンズがなければ、もっと明確なリードになっていました。

ここまでのシリーズと違い、お互いにオフェンスが楽に動いた1Qでした。とにかくサンズは点が取れていないので、このシューティングは大切。

◎CP3とペイン

2Qもカズンズ&カズンズ。カズンズがコートにいる間はほぼ圧倒出来るので繰り返したくなる。それはサリッチの苦しみなのですが、ペインのパスアウトからサリッチも3Pを決め、ここで起用されている意味を出します。カズンズは絶対に追いかけてこないからね。サリッチが連発し、ペインのドライブで10点リードに。

ポール・ジョージに取り返されたところで、スローインからトランジションに行くサンズ。これまでクリス・ポールが戻ってきてからスローテンポすぎたのを反省するかのように、今日は早い仕掛けてチャンスを作っていくのですが、クリッパーズもスモールなのでレイカーズ戦のようには上手くいきません。

逆にゲーム5でノリノリだったモリスがハーフコートオフェンスで決めていくので、スローペースで得点できているクリッパーズに追い上げられてしまいます。べバリーは見事なハンドリングシェイクでクリス・ポールを抜いてレイアップ。なかなか面白い展開だ。

クリス・ポールがハーフコートを組み立てると、パスを出せずにショットクロックがなくなって3P。うん、この中で不思議なのは「簡単に3Pを打てる」だったりします。わりと離されているから、パスコースを見つけるのが難しく、でも自分では打てる。

ブッカースタートだとベバリーを抜いてダンク。そんな事情もあってか、今日はペイン+ブッカーを長くしている気がします。残り5分の時点で50点に乗せたサンズなので、オフェンスの工夫そのものは効いています。でも、クリッパーズも50点に乗せて同点。ディフェンスはポール・ジョージにやられているわけじゃなく、ベバリーやレジー、そしてモリスにやられているから、まだまだ余力を残されていもいます。

それでもブッカーはペインのパスを受けてミドル&ワンでリードは譲らず。守ってもポール・ジョージだけは自由にしないクレイグが、そのポール・ジョージを囮にドライブしたベバリーのレイアップをブロック。カム・ジョンソン不在を感じさせないプレーです。クラウダーの3Pで再び8点リードに。

クレイグもペインもブッカーをみてはいるけどべバリーがハードに来たらパスをせず。クラウダーはバックコートでスクリーンをかけてベバリーを剥がし、そこにペインからパスが出ると、そのままスピードアタックのブッカー。このシリーズで延々とvsベバリーにされていたけど、今日はタフに守られる前に剥がせています。

そのブッカーのシュートが外れてもエイトンがオフェンスリバウンド。これをべバリーが後ろから思いっきり腕を振り回してのブロック。これがフレグラントではなくノーマルファールの判断になるっていうね。頭を叩いているんだけどな。

エイトンはさらにオフェンスリバウンドをとるとクラウダーの3Pに。スモールの部分で苦戦しているクリッパーズ。まぁこればかりは仕方がない。

〇前半のエイトン
10点
FG5/6
3オフェンスリバウンド

まぁ仕方がないね。サリッチの時間に起用するカズンズは活躍しているわけだし。ただクラウダーに3P4/6食らったのはクリッパーズとしては誤算だったでしょう。ゲーム3以降外しまくっていたのに。

〇プレータイムと得失点差
クリス・ポール 15分40秒 +1点
ペイン 12分07秒 +12点

ゲーム5で13分しかプレータイムがなかったペインが前半だけで12分。それも得失点で大きくプラスになっており、このバランス変化が大きかった前半でした。ちょっと遅すぎるし、離されているしのクリス・ポール。

サンズは前半66点と、これまでのオフェンスがウソのように得点できました。ゲーム1では57点とったけど、以降は52点以下。それが66点なのだから策がハマったモンティでした。

〇前半のポール・ジョージ
6点
FG3/8
1アシスト

3P3本全て外したのはマズかったけど、前半に活躍できなかったというよりは「自分でやり続ける必要がなかった」って感じでした。だから、後半に爆発してくれればOKかな。これでクリッパーズは57点取ったのでオフェンス面は問題なし。

ディフェンスを何とかしないといけないのはゲーム1以降で初めてかもね。ちょっとお互いの構図が変わったゲーム6です。

◎ポール・ジョージが行くのか

ブッカーのシュートが決まらないサンズはクリス・ポールのミドルで繋ぎますが、ポール・ジョージがファールドローにモリスがステップインを決めてクリッパーズ優勢で始まります。またゾーンしているクリッパーズ。

ただ、やっぱりエイトンの高さに対抗できないので、インサイドでイニシアチブをとられて点差は縮まりません。エイトンが意外とヘルプに来ないから、パスアウト出来ずに困ってしまう時も。ズバッツがカメラに抜かれているぜ。エイトンのフックが外れてもリバウンドがクレイグだったりしてさ。

3Pをエアボールしたミカルですが、次にパスを貰うと強気にアタックし、倒れこみながらねじ込んで&ワン。二桁リードに。そしてブッカーのドライブにマークの受け渡しミスがでると、ブッカーは切り込んで豪快にダンク。これで13点リードです。

タイムアウトのクリッパーズ。「そろそろポール・ジョージで」って感じですが、カズンズを起用して、むしろモリスで行きます。タイムアウトでポール・ジョージを使わないって事は意図的なんだろうな。あるいはクレイグに困っているのか。カズンズの3Pが外れ、逆にクレイグが決めて15点差。ここでやっとポール・ジョージがアタックしてファールドローです。

しかし、ポール・ジョージのパスはクレイグが奪い、ミカルのレイアップ。再びタイムアウトのクリッパーズ。

カズンズのポストにバトゥームが合わせたプレーを挟んで、再びポール・ジョージがアタックしクレイグのファールに。さらにポール・ジョージのドライブキックアウトから最後はモリスが3Pで10点差に縮めると、カズンズはペインのレイアップをブロック。さらにペインのドライブはポール・ジョージがヘルプで潰すと、バトゥームの3Pで10-0のラン。

今度はサンズがタイムアウト。決めたのはクリス・ポールの3P。今日は決めるぜ!
そしてポール・ジョージとマッチアップしたブッカーの鼻にエルボーがヒット。オフェンスファールですが、フェイスガードしていなかったので倒れこんでしまうブッカー。明らかに鼻が曲がっているし。

今度はクリス・ポールがドライブレイアップを決めると、アフターでカズンズが顔面にエルボー。まぁこれはクリス・ポールの方が狙っていた近づいたヤツで、クリーンヒットしていない。ダーティーなフロッピング。でもカズンズが散々やってきたことが生み出したプレーなので、狙ったクリス・ポールが偉い。テクニカルがコールされ・・・フリースローミスった。

12点差に戻ったけど、行くのはやっぱりモリス。これが決まらず、ラストオフェンスのサンズはまたクリス・ポールが時間を使いすぎて3Pになるけど、今日は決まるぜ。ってことで3Qが終わるかと思ったら、何故かエイトンがテクニカル。97-83の14点差です。

◎クリス・ポール

もうエイトンを交代させないモンティ。激しいリバウンド争いを制してフックを決めたエイトンですが、カズンズも決め返します。この2人がバチバチにマッチアップしているのは実は珍しい。ルーが嫌がる印象です。

次のカズンズのアタックを止めたエイトン。そしてスクリーンを使ってドライブしたクリス・ポールが連続得点で突き放します。レジーのドライブもエイトンがブロックし、ピック&ロールからミドルのクリス・ポールで20点差。マジで今日は働くぜ。攻守に似たようなパターンでリードを広げたクリス・ポール&エイトン。

というか、これってカズンズのディフェンスが問題です。ズバッツが防いでいることも多かったクリス・ポールのミドルですが、カズンズは緩急に簡単に騙されるから、フリーで打てている。楽勝って感じのゴッド。

タイムアウトのクリッパーズはカズンズを下げます。ポール・ジョージのキックアウトからモリスの3P。ゲーム5から別人だけど、それもスモールの5番の方が打ちやすい事情も関係しているので、お互いの細かい交代が違いを作っているんだよね。

サンズはブッカーがドライブから横に流れながらのショートを決めきると、ポール・ジョージはクリス・ポールをアンクルブレイクしてミドル。しかし、そのクリス・ポールがステップバックするとレジーのファールを受けながら3Pをヒット。19点差に戻されます。レジーのディフェンスはずっと苦しいしなぁ。

1人フルコートマンツーに行ったマンは見事にクリス・ポールを苦しめて8秒オーバー。しかし、クリッパーズはこのチャンスに決めきれず、逆にエイトンのドライブレイアップで再び21点差。マンもモリスも3Pが決まらず、逆にクリス・ポールはドライブしてのねじ込み。

ということで、追いつく気配がないのでゲームオーバーです。残りは6分。またもクリス・ポールがこの試合6本目の3Pを決めてクリッパーズがタイムアウト。

このタイムアウト中にクリス・ポールに向かっていって後ろから押したベバリー。もう退場どころじゃなくて、出場停止レベルの愚行でしたとさ。

〇クリス・ポールの3P
ゲーム3 2/7
ゲーム4 0/4
ゲーム5 0/6
ゲーム6 7/8

まぁクリッパーズの対応は間違っていないよ。突然決め始めたクリス・ポールに困りまくったのは仕方がない。この試合もショットクロックギリギリまで持ち込んでタフ3P打ってしまう意味不明さを発揮していたポイントゴッドですが、それが決まったらこうなるか。

ゲーム4まで酷かったモリスがゲーム5から活躍して、ゲーム5まで酷かったクリス・ポールがゲーム6で活躍するのかよ。そして後半のブッカーは時にハーフラインくらいで自分のマークをひきつけて、スペーサーにもなっていました。広い空間を作って決めさせたチームの勝利ってことで。

それにしてもポール・ジョージは何だったのか。いや、本人ではなくチームとしてか。前半は良かった。レジーやべバリーのドライブが決まっていたのでエースは休憩していて悪くない。でも後半はチームにドライブがなく、モリスが1on1で決めているくらい。それ自体は良いんだけど、誰もイケないならどうにかしてポール・ジョージに行かせるべきだったよね。

ちなみに、この後で3P打ちしているからトータルスタッツはわからないけど、2アシストしかしていないし。うーん、最後に暴走が定例のカズンズ&ベバリーと、エースムーブしたがるモリスでよくわかんなかったクリッパーズです。モリスの件はこの試合では問題じゃなかったけど、シリーズ全体では問題かな。

まぁゲーム6まで来たことが凄かった。ズバッツいなくなった時点で本来はゲームオーバーでした。もっといえばレナードがいなくても戦えたわけだし、このシリーズの勝敗を分けたのはゲーム2のポール・ジョージのフリースローだった気もするし。あれが決まっていれば、立場は全く違っただろうに。

それはサンズが運の良さで引き寄せたチャンスを、しっかりとものにしたって事でもあります。ファーストラウンドからいろいろあったけど、クリス・ポールのがケガがいい方向に出た面もあって、よりアグレッシブなペインで成功した気もするし、クリス・ポールがもっと大ケガをしないで済んだともいえるし。

プレーオフにも出れなかったチームがファイナルに進むとか、ちょっと今シーズンは異常だぜ。ホークスも含めてね。それでも、目の前にあるチャンスを手にするかどうかは大事な事。なんせクリス・ポール自身が逃しまくってきたわけだし。なんだか神がかっている気もするサンズ。マジで優勝しちゃうのか!?

WCFクリッパーズvsサンズ ゲーム6” への3件のフィードバック

  1. 怪我に強かったスター選手が怪我でいなくなり、いつも怪我でいないCP3がほぼ健康に最後まで戦っているのは、不思議な感じです

    1. 健康っていっても、ファーストラウンドでケガをし、コロナで出場停止くらい。実働試合数は短いんですよね

  2. 今日は、キャメロンジョンソンが病欠ということで、心配しましたが、これがクレイグを長くプレーさせる一因になりました。
    途中で、モンティもやっと気付いてくれたようで、最後のClosing Setではブリッジズの代わりにクレイグを起用してくれました。
    ブリッジズは、再三言ってますが、ポールジョージ相手にはサイズ不足です。
    更に言えば、マーカスモリスにも分が悪いです。
    クレイグがマークになってからは、ポールジョージの手詰まり感は半端なかったです。
    ポストで押し込めない、ドライブも付いて来られる、ピックも上手くファイトオーバーされて、付いて来られる。
    ファイトオーバーされるとブッカーを攻められない。
    前回、ネイダーを使わず、クレイグをもっと早くからポールジョージに付けていれば、おそらくあれほど好き放題にやられなかったと思います。
    ネイダーも悪くはないけど、クレイグほどのスーパーディフェンダーではないです。
    クレイグの今日の+/−が+28。
    楽天TVの実況のアナが単なる守備職人扱いしていましたが、クレイグのディフェンス、リバウンド、コーナープレイがどれだけ洗練されていて、チームに息吹を与えるものか、分かっていないのでしょう。
    確かに表面的には、クリスポールは目立っていましたが、今日の陰のMVPはトーリクレイグだと思います。
    レイカーズ戦では、レブロン相手にも引けを取っていませんでしたから。
    ブリッジズは、シーズン中もそうでしたが、シュートスランプの時期があるんです。
    それが、この時期に来た感じ。
    ファイナルまで、まだ時間があるので、シュートがまた入るように調整して欲しいです。
    クラウダーは、波が激しい。
    今日は良い方で、良かったです。
    シャリッチのピックアンドポップからのスリーも密かに大きかったです。
    ここのところ、あまり決まってませんでしたし。
    キャメロンジョンソンの欠場をベンチ全員で補い合いました。
    エイトンは、まだ期待ほどは働いてません。
    もっと出来るはずです。
    ファイナルは、おそらくホークスでしょう。
    シーズン最後の戦いでは、ボコボコにされました。
    いい反省材料になるはずです。
    どちらも予想外のファイナル進出なのでしょう。
    面白いファイナルになるでしょう。
    バークレーの時以来です。
    待ちましたよぉ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA