ウォリアーズvsサンズ

2021/5/11

ジャズを倒したウォリアーズは続いてサンズをホームに迎えます。プレーオフファーストラウンドで当たるチームはどちらか。それぞれの対策を講じることにも繋がる試合です。その前にシーズン最終戦でグリズリーズに勝ち、プレーインも勝ちぬかないといけないんだけど。

サンズからするとレイカーズとも戦いたくないし、ウォリアーズも嫌な相手です。今シーズンは連勝していますが、ワイズマンがいないから違うチームになっているし、経験の浅いブッカー、エイトン、ミカルを中心にしたチームが、経験豊富なカリー、ドレイモンド、ルーニーってのは苦しいぜ。

◎マッチアップ

プレーオフ仕様のディフェンスをし始めたのは1ヶ月くらい前。それは対戦相手に応じた戦略をもってドレイモンド&ルーニーのインサイドが細かいポジション調整で塞いでいく強烈なチームディフェンスです。さらに試合中にドレイモンドが即興で調整してくるので、戦略もあればアドリブもある。

そして本日は試合開始から仕掛けてきました。クリス・ポールにマッチアップするのは、なんとドレイモンド。ブッカーと共に止めるべき相手にヘルプ担当をぶつけてきたわけですが、その理由から考えてみましょう。

おそらく理由はシンプルで「クリス・ポールとエイトンのピック&ロール」が実行される前提で、ルーニーとはシンプルにスイッチする事。つまりクリス・ポールを止めたいのではなく、エイトンを止めることを意図しているディフェンスです。クリス・ポールが下がったらエイトンにドレイモンドが直接マッチアップしたよ。

サンズは流動的にポジションチェンジをするチームですが、インサイドでエイトンが合わせてフィニッシュする選択肢を必ず持ってプレーします。3Pには積極的ではなく、ミドルレンジを多用しながらオフェンスを作っていく。そのミドルレンジにチェックに出たらエイトンが空くシステムです。だからイージーシュートを少しでも減らしに行ったウォリアーズ。

もう1つはオフボールでスクリーンを利用したブッカーに対しても、振り切られるくらいなら、ルーニーはブリッツに出ていきました。この時、誰かしらはエイトンをカバーに行くべきですが、比較的ドレイモンドが行きやすくしているのだと思います。クリス・ポールはキャッチ&3Pに積極的ではないので、遅れてチェックに行っても間に合いそうだし。大前提はルーニーがマークを戻すスピードが速いことだけど、マジでここが速すぎる。

ってことで、サンズのオフェンスは得意技を封じ込まれた形でスタートしますが、そこは単純にクリス・ポールがミドルを決めていく事で解決しました。ウォリアーズからすれば、チェック付きのミドルであれば、そこそこ確率を落とせる算段だったと思いますが決めすぎだぜクリス・ポール。

さらにブッカーへの対応をしっかりと行い、エイトンのカバーもしたけど、アウトサイドでパスを繋いだだけでクラウダーが3Pを決める決める。せっかくディフェンスで仕掛けたのに、全然うまくいかないじゃん。

1Qだけで4本の3Pを決めたクラウダーと、ミドルを決めるから4アシストも決まったクリス・ポールによって38点を奪われてしまいました。

一方のサンズは通常通りミカルがカリーを止めに行きました。ジャズ戦でも書いたようにウォリアーズオフェンスはルーニー以外もカリーにスクリーンをするようになり、あっちに動いてもこっちに動いても、カリーを空けるシステムが出来ています。

でも、しっかり準備しているサンズディフェンスは対応しています。やられるパターンは「カリーがスクリーンの逆へ進む」パターンの時と、「カリーに2人行ってしまった」パターンの時。それはウォリアーズ的には狙い通りではありますが、これだけで大量得点するのは簡単じゃないよね。

1Qのカリーは3P5本全て外し4点のみ。その代わりに空くことが多かったウィギンズがFG6/8で12点を奪いました。まぁでもさ。サンズからするとウィギンズがこんな高確率で決めるとは考えていないでしょ。それで29失点なので、ほぼほぼ狙いが成功したディフェンスだったと思います。

ベイズモアとドレイモンドで3P3/3だしさ。カリーを止めることには成功しながら、周囲にやられはしたけれど、まぁいつまでもこれが続くって事はないでしょ。

ただ、そんなことよりもエイトンがゴール下にいられないので、あまり意味がないことが気になりました。ウィギンズの高確率っていうのはリムプロテクターが止められなかったのではなく、止める所にいることが出来なかった感じです。それはカリーの脅威が生み出したものなんだよね。それは言い過ぎか。

◎乱戦とCP3

今度はウィギンズがクリス・ポール担当になって同じ狙いなのに、あっさりとピック&ロールでカミンスキーにパスを通されフローターを決められます。ウィギンズ君の対応が悪かったので、イグダラ先生との違いを感じずにはいられません。そして何より「このプレーをされたくなかった」ことがよくわかるイージーシュートでした。

すると即、トスカーノとマークチェンジ。こちらはフタをするのが上手い。マジで上手いトスカーノ。基本的にスイッチする前提だからカミンスキーのマークになるのですが、パスコースを塞いだ後で両手でカミンスキーを推してポジションを取らせません。

でも、これはあくまでも「リスクヘッジ」みたいな守り方なので、クリス・ポールvsルーニーでファールドローされるし、カミンスキーに高さ勝負を挑まれたら決められるし。点差は二桁に広がります。

サンズは止めるべきカリーがいない中で、クラウダーが1on1でジョーダン・プールに抜かれて&ワン。プールはさらにドライブでしなやかなレイアップでフィニッシュ。またチーム全体に高さがないのでウィギンズのインサイドプレーに圧され気味にもなります。気味って程度。

実際にプレーオフで対戦した場合、ウィギンズはキーポイントになりそうです。ウォリアーズ側はそれを狙っています。ルーニー→ドレイモンドにすると4人がアウトサイドに広がって、ウィギンズにポストアップさせました。局地戦。そもそもウィギンズはポストプレーを力強く決め続けることが出来れば、「カナダのマイケル・ジョーダン」になれるはずだったわけでして、もっと頑張ってもらいましょう。

ウォリアーズはもう1つ気になる点として、ウィギンズを除くとゴール下まで行っても打ち切れないことが多く、キックアウトで展開しています。それが良いのか悪いのか。何とも言えないけど、パスカルやウーブレイがいないことでアウトサイドに頼らざる得ない。ただ、アウトサイド中心だからバックドアも決まる。何が良いんだろ。難しいな。

13点差で残り6分となってカリーが戻ります。すると囲んで早速スティールするサンズ。狙い所がわかりやすい方が守れるっていう実例みたいな。オフェンスでは逆にブッカーをコーナーに置いて何もさせず、ペイン中心に崩しているし。上手いな。

ブッカーがコーナーから始めるので、ボールを持ったパターンの時はコートの片サイドで2on2程度。エースのところで渋滞しないように工夫してきました。同じことをカリーにやらせてもオンボールプレーじゃサンズに勝てそうにないしな。それ以前にほぼダブルチームでカリーを抑えに行っているサンズ。ハーフラインでダブルチームしているじゃん。

なのでサンズ優勢なのですが、ブッカーがリバウンドを取ったところに襲い掛かって奪い取ったベイズモアが&ワン。ブッカーのマークをしているトスカーノが吹っかけてテクニカル。フランストレーションを溜めたのかブッカーはトスカーノを押してオフェンスファール。サンズのスローイン時に何故かパスを出せなかったペインが5秒オーバータイム。

うん、ジャズに続いて謎の乱戦にされているサンズ。するとトランジションでベイズモアとトスカーノがイージーなゴール下を決め、ウィギンズもミドルで点差を縮めました。ハーフコートゲームを組み立てるサンズが、ウォリアーズの乱戦に巻き込まれ始めました。

これまでだと8割がたドレイモンドがケンカを吹っかける感じだったので、ウォリアーズからしても諸刃の剣なのですが、見事にトスカーノとベイズモアで吹っかけているから、ドレイモンドは冷静。やっぱりトスカーノうざいね。ウォリアーズに向いている。そしてそのトスカーノが豪快に飛び込んでダンク。

それをみた意地の悪いクリス・ポールが意味わかんないくらい長くボールを持ってから、トスカーノの腕に自分の腕を絡ませに行き見事なファールドローでやり返します。このプレーに救われたサンズ。次のオフェンスではブッカーが落ち着いてドライブからのジャンプシュートを決めます。

最後はウィギンズがオフェンスリバウンドをブザービーターで押し込んだものの、サンズが66-58の8点リードで前半を終わらせます。マジでクリス・ポールに救われた感じ。

前半のカリーは4点のみ。サンズのディフェンスが強烈に機能したのですが、最後までウィギンズをとらえきれなかったです。まさかウィギンズが重要な試合で活躍するのだろうか。エイトンを消しに行くウォリアーズにとって、消したうえでウィギンズが得点するのが大事に見えます。

◎細かすぎる修正

ウォリアーズからすると乱戦のチャンスを得た前半終了間際に生かせなかったのは大きく、ハーフタイムを挟んでブッカーがトランジションからしっかりと決めきり、変に流れを引きずっていません。さらにクラウダーがウィギンズからチャージドローし、修正が効いています。

ルーニーのスクリーンを使ったカリーへドレイモンドからパスがでて、この試合初めての3Pを決めたカリーですが、ディフェンスではクリス・ポールのジャンプシュートにやられてしまいます。ベイズモアも決められるし、エイトンへのパスは消しているのに、ひたすらクリス・ポールのジャンプシュートにやられてしまう。

さらに消していたはずのゴール下のエイトンにミカルからアシストパスが通ってダンク。うーん。見事な修正なのかな。

前半はドレイモンドがクリス・ポールのマークでしたが、後半のサンズはミカルとエイトンがスクリーンするように近づいておき、そこにクリス・ポールがドリブルで近づくとミカルが逆サイドに流れる形にしました。要は先にエイトンのところでスイッチをさせておこうという算段です。

でも、ウォリアーズはミカルに対してドレイモンドに変更し、サンズの選手が動いたらオートマティックにスイッチしてミカルをベイズモアが追いかけるようにしました。随分と細かいプレーコールでのやりあいをしています。これってプレーオフでも徹底して対策しあうんだろうね。

っていうかウォリアーズはほぼゾーン。逐一対応できないから、スイッチする前提のゾーンなんだろうな。

その後、ペインのドライブから再びエイトンのダンクも生まれ、サンズの方が修正力で上回った気がするのですが、サンズは3Pが決まらず、ゾーン気味だったからかウォリアーズにはトランジションが生まれ、その中でジャズ戦同様に狭い所に入り込んだカリーのファールドローが出てきて、何故だか気が付いたら3点差。ちょっとレフリーがウォリアーズに優位だ。

残り3分半。ここからブッカー劇場が始まります。

オフボールで動きパスを受けると、止まらずにドライブしてファールドロー。ダブルチームに来る時間を与えないアグレッシブアタック。
同じような形から今度は3P
ディフェンスリバウンドから自分で運ぶと2人に囲まれるもベイズモアからファールドロー
ウィギンズがスイッチミスで空けてしまい、ディープ3P
トドメのドライブレイアップ

なんと残り3分半から怒涛の14点。ブッカー、ブッカー、またブッカー。懐かしいぜ。スーパーエースムーブを見せたブッカーにより、3Qは98-92で終わります。

・・・あれっおかしくね。ブッカーがスーパーだったのに、点差は6点だけ。全然守れなかったサンズ。リバウンドをプットバックされ、ファールドローされ、カリーの3Pは抑えているのに、なんか変な感じで失点してしまった。ブッカーは決めているのに。

◎攻めあう

またもジョーダン・プールが3Pで点差を詰めるウォリアーズ。ちょっと働きすぎだよね。トスカーノとプール。パスカルやワイズマンよりもフィットしているよな。

一方でサンズはクレイグが3Pを決めますが、クリス・ポールはちょっと大人しくなりました。ここまで活躍しすぎだし、ウォリアーズからしたら溜まったもんじゃないくらい決めていたからね。

そしてここでウィギンズがドライブダンク&ワン。どうしたんだウィギンズ。サンズからすると溜まったもんじゃない。これで2点差にすると、ジョーダン・プールがドライブで飛び込んでカミンスキーのファールを誘い同点にします。なお、どっちのプレーもカミンスキーのスピードに問題がありました。控えセンターが足りていないサンズ。エイトンを戻します。

まぁこれもウォリアーズがエイトンを狙うべき理由だよね。エイトンさえ何とかすれば、若いエイトンがオーバーヒートすれば、勝機は大きく広がるし。

タフショットしか打てなくないほどウォリアーズのプレッシャーに阻まれるサンズですが、それを打開したのは、やっぱりクリス・ポールのステップバックミドル。3年前にケガしないで、ウォリアーズ相手にこのプレーしていれば優勝できていたかもしれないね。

サンズがブッカーの3Pでリードすると、ドレイモンドからウィギンズへのアリウープで追い上げるウォリアーズ。
エイトンがカリーのドライブをブロックすると、ドレイモンドはブッカーのジャンプシュートをブロック。
それでもクリス・ポールがタフミドルで残り3分サンズが3点リード。

お互いに球際が激しくなり、リバウンド争いで倒れこむ選手が増えてきました。消耗戦ですが、ウォリアーズはルーニーをベンチにおいて運動量で上回っている気もします。

ここでオフボールで動いたカリーに吸い寄せられたか、ウィギンズがワイドオープンになって3Pで同点。しかし、即3Pを返したクリス・ポール。

今度はカリーへのハンドオフフェイクしたドレイモンドがトスカーノを見つけてワイドオープン3Pで同点。そしてカリーに2人来たので、プールにパスを出して3P。さらにブッカーからスティールしたカリーに2人きたので、ウィギンズに出すとドライブからスピン&バンクショットを決めて、残り1分20秒でウォリアーズが5点リードにします。わお!

タイムアウトのサンズは、クリス・ポールにポストアップ気味に押し込ませておいて、クラウダーの3Pを選択すると、これが見事に決まります。しかし、ウォリアーズはカリーがドライブからパスアウトし、逆サイドに走ってボールを貰いなおすと、再びドライブしてスクープレイアップ。4点差。

ここで前に走っていたミカルがゴール下でフリーになるのですが、クリス・ポールが気が付くのが遅れ、パスを出した時にはディフェンスも間に合っているし、パスも悪いしでターンオーバーになります。最後の最後でやらかした。

決めれば勝ちのウォリアーズは時間いっぱい使ってトスカーノが3Pを決めますが、これが僅かに間に合っておらずショットクロックオーバー。それでも残り16秒4点差で急いで打ったブッカーの3Pは決まらず、ウォリアーズが1位ジャズに続いて2位サンズを撃破したのでした。

◎面白かったね

プレーオフはこの対戦カードがいいです。まぁその前にウォリアーズがスパーズやグリズリーズに勝てるのかって話なのですが。

面白い要素はいっぱいあって書ききれません。サンズの見事なカリーつぶしは3P1/11へと繋がり作戦成功。でもウォリアーズもエイトンをFG4/5の8点に抑えました。パスが通ればやられるけど、通さなければいいんだっていうスタッツ。

一見するとカリーを21点に抑えたサンズの大勝利なのですが、そこも両チームの面白い所なのかも。互いに相手への対策をしっかりと講じているので、ターゲットを止めてどうしていくのかがハッキリしていました。逆に言えば「止めに来られたところ以外から攻める」ことになったわけです。

今シーズンは得点王を走るカリーに引っ張られてきたウォリアーズが、38点のウィギンズを中心に他の選手が得点していき、二桁得点が5人。

今シーズンは見事なチームオフェンスを展開したサンズが、クリス・ポール24点、ブッカー34点とエース2人に得点が集中しました。なおクラウダーが3P6/10とかいうふざけたスタッツで20点を取りましたが、二桁得点はこの3人だけでした。

バランスアタックしたほうが勝つ。なんてことはありません。単純にそれぞれ「シーズンで良かったところ以外」がキーになったという話。だからこそプレーオフっぽかったです。

〇FG
サンズ 51.9%
ウォリアーズ 49.5%

〇3P
サンズ 43.2%
ウォリアーズ 27.5%

言ってもサンズの方が良かったです。この差を埋めたのはウィギンズの5つのオフェンスリバウンドかもしれません。一方でエイトンのディフェンスリバウンドは5つ。ウォリアーズにとってはエイトンを消すことの意味は大きく、攻守にゴール下にはいかせない対応が小さな差として、積み上げられていった気がします。

そんなわけで非常に見応えのある試合でした。最後に1つ。試合終盤のクリス・ポールは疲れていて、ハーフコートオフェンスでブッカーがシュートに行った時に、ハーフラインで両足に手をつけていました。そこからウォリアーズが速攻に行けてしまったこともあって、疲れていたね。

サンズにとってプレーオフの結果に関わらず、今シーズンは大成功のシーズンですが、勝ち抜いていく事を前提にすると、このパターンでプレーオフになると仕事量が増えるクリス・ポールというのは、ケガのリスクも高いのでした。

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