20171219 レイカーズ vs ウォーリアーズ 〜コービー永久欠番セレモニー〜

コービーの永久欠番セレモニーが行われるレイカーズvsウォーリアーズ。

全てをレイカーズ目線で、コービー目線でレポートしてみましょう。

出来るかな。



◉コービー基準で考えるエース達

ウォーリアーズはデュラントにシューターのトンプソン、ゴール下のマギー、それに中と外の万能型であるマコーとジョーダン・ベル。こっちの方がコービーっぽいよ。

「困ったらオレが決めるから、取り敢えずお前ら頑張りな」というコービーみたいなポジションをとるデュラント。デュラントが怖いから他の選手はスペース有利にプレーできる状態です。

レイカーズはロンゾのアシストが冴えます。コービーならばもっとリングに向かっていきディフェンスが近寄ってきてパスを出しますが、ロンゾはリングとは違う方向に誘導しでスペースとフリーを作ります。その能力は素晴らしいけど、エースの働きとはまた違います。

代わりに3Pを積極的に打ちます。確率が批判されるけど、ルーキーイヤーのコービーはエアボール連発してプレーオフで敗退したよ。決まらなくても強気なのは大切な事。でも打ちまくるのはちょっと違う。

 



 

コービーのセレモニーまでに負けているわけにはいかないレイカーズはかなり気合の入った感じ。クズマの登場で湧くのは最もコービーの匂いがするからかな。

 

イングラムが積極的にいきます。スピードはあるし手の長さを活かしたフィニッシュもありますが、あまり確率が良くありません。

 

ボールを持つと積極的なのは良いのですが、状況確認が甘い。コービーは自分のマークマンは絶対に抜けるから、ヘルプディフェンスの位置をみて仕掛けていたと解説していました。

イングラムに足りないのはそういう所。手が長くミドルシュートも楽に打てるのだから、もっとフィニッシュの方法を思考してからドライブを仕掛けるべき。



両チームとも走りますがギリギリの所で防ぐ場面が多かったのはレイカーズ。負けられない。

特にKCPがよく戻っています。コービーもチェイスダウンブロックをよくしていたし、単に諦めないというよりも、味方がボールを失った瞬間の走り出す速度が速い。コービーはトランジション良くなかったけど、戻るのは速かった。

 

トランジションが早いのはイグダラ。スピードがあるわけではないのに。チームが困ると働くのはオドムっぽい。どこでも守るし。
なんとも言えないけどイグダラが入ったあたりからウォーリアーズが追いつきます。主にレイカーズがオフェンスで困ったから。

 

リードを許した事でデュラントが個人で攻めていきます。コービーっぽい。この辺のなんとかしてしまう感。
難しい事はデュラントが担当して、周囲にはイージーシュートを打たせる。コービーっぽい。

 

レイカーズが気合いと共に有利に進めたはずの1Qはコービーっぽいデュラントとオドムっぽいイグダラがペースを整えてしまい、最後に捲し立てて8点ウォーリアーズリードで終わります。

オフェンスで困りすぎのレイカーズ。

 

WE WANT KOBE!



◉8がデュラントなら24はトンプソン

コービーがベンチに戻ると途端に苦しくなるウォーリアーズ。如何にコービーの存在が周囲にイージーシュートを打たせていたのか。あぁデュラントね。

 

レイカーズはクズマで点差を詰めます。イングラムとの比較で言えば、フィニッシュのイメージが出来ているクズマ。特別なプレーよりも選択肢で決めているタイプかな。

2点差まで詰め寄りますが、クレイ・トンプソンがロング3Pで離します。トンプソンは試合を父親に観に行くか聞かれた時にたまたま断った試合がコービーの81点ゲームで後悔したって話がありましたね。コービーに憧れてたプレースタイルではないけど、あの時期のコービーの爆発とトンプソンの爆発パターンは似ているかも。3P決めまくる時期があったな。

 

デュラントは休んでいるとトンプソンが違う時期のコービーをやり始めて再び点差を広げられたレイカーズ



ロンゾが戻ってきます。そういえば忘れていたな。素晴らしいプレーメイクはするけど存在感は薄い。

するとレイカーズが追いつき始めます。理由はマコーに目立つミス。らしくないね。

ちょうどコービーとフィッシャーが会話するシーンが画面に。賢い上にミスしないのがフィッシャーの良さだろうな。

 

相手にミスが出ると走れるのがウォーリアーズの強さであり、そこを引き継ぐレイカーズ。走る形で得点していきます。

立ちはだかるのはデュラント。トップからのドライブで得点していきます。ディフェンスが3人寄らない限りはパスする気配がないコービー状態。

そこで接触したロペスが足を捻ってロッカーへ。コービーもセレモニーのためにロッカーへ。

最後はナンスjrがデュラントの上から凄まじいダンクをブチ込み流れだけは取り戻します。ヤオ・ミンの上から叩き込んだコービーみたいなハイライトダンク。



◉この試合のメインイベントはハーフタイム

 

コービーの成長をオマージュしたようなアニメーションが流れて感動してしまいました。

誰よりも練習して、
誰よりも人のマネして、
誰よりも強いメンタルで、
誰よりもラストショットを決める事を想像していた選手だろうな。

だからコービーの凄さはイマジネーションの凄さだと考えています。
人のマネをするのは簡単なようで難しい。練習の中で試してみるのと違い、試合の中で出すまでに昇華するのは、どんな場面でどんな選択をするのかを想像して練習しているからこそ。

しかもあらゆる選手のプレーを再現してしまうのだから、自分の中で昇華するイマジネーション能力に優れているからでしょう。



◉コービーみたいに効率が悪い

 

こんな状態で試合にはいるのは難しそう。でも逆転しないとレイカーズ。ロペスの代わりにクズマなのでスモールラインナップ対決になりそうです。

クズマの3Pとロンゾのミドルで逆転するレイカーズ

デュラントが悪い時のコービーみたいに独力プレーでシュートを外していきます。で、またもテクニカル。コービーってテクニカルのイメージないなぁ。

 

レイカーズはイングラムが3回のオフェンスでデュラント、マギー、ベルと3つのブロックを喰らい、最後のベルに叩き落とされ何処か痛めてゴール下に倒れこみます。

しかし、無視して攻めるレイカーズ。何してるの?



積極的に行くけど、全くシュートを決められないデュラント。これで4Qの最後に決めまくったら本当にコービーだわ。ここまでFG20%。

レイカーズも効率良く決めているわけではないので、リードを得ることが出来ません。ロンゾはエアボール。

 

ベンチから出てきたイグダラがデュラントを囮にしてドライブを決めると、トンプソンが連続得点。ベンチから出てきてあらゆる役割でチームを動かして行くオドムなイグダラ。

 

最後にクズマが3Pを決めてレイカーズは1点ビハインドで3Qを終わります。

いつの間にかリーディングスコアラーになっていたクズマ。前半に触れたようにヘルプディフェンスの位置を考えてプレー出来ているのが素晴らしい。目の前の相手を上回ればシュートが打てるという状況を作り上げています。

ヘルプにブロックをされたイングラムとの差がそこにあります。コービー比較でわかりやすくなる2人の差。個人勝負ではイングラムが上だけど、5人でやるならクズマ。



◉接戦に持ち込むのはコービースタイル

 

4Qになり、そんなクズマの3Pが決まりますが、ウエスト、カスピ、イグダラとサポートキャストが決めて行くデュラントのいないウォーリアーズ。デュラントがコービーをやり過ぎたが故に緩くなったレイカーズディフェンスのギャップみたいな。

 

しかし、ディフェンスを引きつける役不足からレイカーズは収縮しやすくなりシュートが続かないウォーリアーズ。

その間に戻ってきたイングラムがミドルシュートを決めて点差を戻します。ミドルを選べばヘルプは来ないけど、確率の問題だけ。

のこり5分で同点

 

WE WANT KOBE !!



◉クラッチ=コービー

早速、デュラントが3Pを決めます。
更にKCPの速攻をファールコールされずに止めると、自分に引きつけてトンプソンの3Pを導きます。うん、コービー。

しかし、お互いに得点出来なくなって行きます。83ー82で4Qが始まったのに残り1分でやっと100点台に。

 

イングラムはデュラントを止める場面が出てきますが、そうするとオフェンスでシュートが決まらなくなります。
両方やっていたコービーは偉大。

 

KCPが3Pを決めて残り1分で同点に。

デュラントがマッチアップをKCPに変えてミドルを決めると、イングラムはルーニーにマッチアップを変えてドライブを決めます。

両エース共にライバルを叩きのめすメンタリティが足りないよ。コービー!

 

オーバータイムになり帰ってしまったコービー。コービーが欲しくなる終盤の両チームでした。



◉コービーは帰ったけどオーバータイム

またもデュラントの3Pでスタートします。もう外から打つしか選択肢がなくなっているデュラント。イングラムはよく守っています。

しかし、ベルのパスからイグダラのダンクで5点差タイムアウト

 

タイムアウト明けにロンゾが3P。強気はコービー。更にミドルレンジ。存在感ないと書こうとしたら目立ち始め、ここに来てコービーの座を狙うのかロンゾ

それに3Pを返すデュラント。さらにミドル。選択肢がコービーっぽくないよ。

残り2分切ってウォーリアーズ4点リードするとクズマが3P。こちらも存在感無くし初めていたところ。
最後だけでコービーの座を奪おうとするロンゾがドライブからレイアップで逆転。

 

デュラント、ロンゾ、クズマの戦い



デュラントがダンクに行ったところをイングラムがファールで止めます。フリースロー2つ決めてウォーリアーズ1点リード。

イングラムが行きますがデュラントに止められキックアウト先のKCPの3Pが外れて、ランドルがオフェンスリバウンド。

ランドルのドライブにベルがファールしてフリースロー1本で同点。ベル退場。

 

デュラントはロンゾとの勝負を選択して残り7秒でミドルを決めます。

タイムアウトがないレイカーズはそのままロンゾがドリブルで持って行きレイアップまで行けますが、退場したベルに代わって出て来たウエストがブロックしてゲームオーバー。



◉デュラントとトンプソン

主役の座はセレモニー後に1人だけコービーとハグをしに行ったデュラントに。おそらくデュラントは狙ってコービーみたいになろうとした試合でした。

 

◯ケビン・デュラント
36点 FG34.5% 11リバウンド 8アシスト

コービーみたいに得点を取り、
コービーみたいにシュートを外し、
コービーよりもオールラウンドに活躍し、
コービーみたいにチームの骨格になり、
コービーみたいにラストショットを決めました。

しかし、コービーのように相手を叩きのめす事は出来なかったです。

まぁコービーのメンタリティなら自分達の優勝を阻んだライバルチームに移籍なんてしないだろうし、自分がチーム全てのプレッシャーを引き受ける事を避けたのだから、そもそもプレーヤーとしては大きく違うタイプです。
それでもコービーリスペクト感は強く感じたデュラントでした。

 

◯クレイ・トンプソン
17点 FG25.0% 3P30.8%

こちらも子供の頃からコービーを観てきたけど、コービーみたいにシュートを外すしか出来なかったです。でも意外と似ているメンタリティなのかも。
外そうが何しようが打ち続けるし、ディフェンスで個人を止める強気なメンタリティあるし。



◉コービーが足りなくて良いレイカーズ

ウォーリアーズ相手に強く戦えたのでコービーセレモニーの試合でなければ悪くなかったレイカーズ

気になったのは4Qでロンゾとクズマが消えた事。消えたというと本人達の問題なのですが、どちらかと言うとイングラムとランドル押しになり過ぎた雰囲気です。それも指示ではなくて自然とそうしてしまったかのような。

 

レイカーズの良さは全員がアタックしていく怖さだと考えているので、その偏りはどうなのか。オーバータイムもイングラムばかりからロンゾとクズマが混じって盛り返したようにそれは重要な要素です。

デュラントをコービーみたいとしましたが、アシストが多かったようにデュラント勝負の中でオフボールで周囲がイージーシュートを狙える動きを繰り返しているのがウォーリアーズです。

 

しかしレイカーズにその要素はないので、バランスアタックするからこそ価値が出てくる5人だと考えています。

イングラムにしろクズマにしろ
コービーを目指し、コービー仕様のチームにしていくのか、
それともコービーは不要な、デュラント加入前のウォーリアーズにしていくのか。

 

ウォルトン+ショータイムの時点で後者を選択しているはずなので、4Q終盤のイングラムやランドルのプレーはどうなのかと思います。そしてそんなゲームメイクを許したウォルトンと実行したPGロンゾも根本的な部分の考え方は統一すべきなのでは。



コービー仕様で考えてみた試合はデュラントに助けられたこともあって、割と面白い仕上がりになった気がします。

今更言うとコービーのレイカーズは優勝するようなチームですからコービーの個人技マックスだったわけではなく、中核に絶対的な存在がいることで周囲がプレーしやすくなる設計でした。

まぁ昔の話ですが美化されたイメージかもしれません。

 

本来とは違うウォーリアーズでしたが、実際にデュラントを手に入れた昨季のファイナルで見せたのはそんなコービー仕様みたいなチームでした。
つまりは戦略を2つ持っていて、展開の速さとシュート力を前面に出して圧倒するスタイルと自分達が圧倒出来ない代わりに相手を走らせることもなく1ポゼッション勝負の中で最高の個人力で競り勝つスタイルです。

レイカーズも両面を目指すのかもしれませんが、欲張り過ぎない方が良いと思うよ。

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