気がつけば14連勝のバックス
ヤニス対策に困っていた開幕当初もなんのその。自分たちを取り戻すように順調に勝ち星を積み上げてきました。ブログドンがいないからなんだってんだ。もう慣れたぜ!
気がつけば5割が目の前マジック
ブセビッチのケガで苦しくなるかと思いきや、このところ5勝1敗。どっちにしてもオフェンスはね、と言わんばかりに守り勝つのが持ち味。代役スターターにはケム・バーチ。守りに守るよ地味な高速ヘルパーによってプレーオフ戦線に留まっています。
◉3Pよりもブロックショット
マジックのオフェンスはまぁ酷い。ちょっと見たことないレベルで酷い。ボールを持ったゴードンが「何すれば良いんだっけ?」とボールをこねこね。持ちすぎているのではなく、どこの誰に渡して良いのか、周囲はどう動くのか決まっていない感じ。なので、ゴードンのアクション待ち。ゴードンだけじゃなくて全員が個人技でなんとかしよう作戦。
それでも守るぜ守るよ。チームが3つのFGを決める前に、アイザックは3つのブロックを記録しました。そんなのある?
唯一の例外はフォーニエ&バーチ。自分で仕掛ける能力が皆無のバーチなので、スクリーンだけがオフェンスの役割なんだよねってくらい唯一コンビプレーの匂いがします。
元々マジックはそんな感じですが、PGがフルツになったので、オーガスティンのゲームメイク能力がなくなって、ブセビッチもいなくて個人集団化しているのでした。
でも守っていればカウンターの機会もあるし、ベンチからはテレンス・ロスが決めてくれるし、オーガスティンも出てくるし・・・あれっ?何故かマイケル・カーター・ウィリアムスがPGやってるよ。オーガスティンをウイングに置いて何してくれんのかな?
攻守にソツのないバックス。だけどオフェンスは高度に魅力的かっていうと、そんな事はなく3Pとヤニスを有効利用するコンセプトというくらいで、本当はディフェンスの強さとカウンターアタックで差をつけるのがお好き。
マジックのシュートはエアポールあり、タフ過ぎて決まる匂い皆無だったりするのですが、個人技で初めから最後までムリにでもシュートを打ってくるのでカウンターの機会が少なく、なかなか離せません。
という事で差が生み出すのは3P連発したイリャソバの登場を待つことに。18点から伸びなかったマジックを尻目にディヴィチェンゾも続いて一気に2桁リードにします。
1Qはバックス5本の3Pに対してマジックは0本。バックスが打たせなかったのか、マジックが打てるようなオフェンスをしなかったのか。
◉イージーディフェンス
カウンター気味のトランジションで得点し6-0のランで反撃した2Q開始。ブルック・ロペスがバンバの3Pを無視してインサイドカバー重視にしているのが興味深かったのですが、バンバが足を捻って離脱します。これでセンターが2枚離脱、アミヌも復帰未定なので安運立ち込めるマジックのインサイド。なお、バーチなのでハイポストでも放置することに。
ここで「オレがやる」という雰囲気になったゴードン。周囲をどけて自分で仕掛け、崩したらパスを出す。どこのエースキャラだ?
これが意外と悪くなく、バックスはインサイドに収縮し始めるので、次第に3Pをフリーで打てるようになります。
が、外しまくるマジック。オーガスティンもフォーニエも外すから続かなかった反撃。
バックスはヤニスが蹂躙し始めます。とはいえ、なかなか不思議な光景でしてアイザック&ゴードンのディフェンスはヤニスを抑えているのですが、トランジションの中だったり、ゴール下なのに1on1になっていたりして、ねじ込んでいく感じに。
言い換えればヤニスのためにストレッチ出来ているバックス。ブレッドソーがヤニスにスクリーンにいってミスマッチ誘導しつつ有利なポジションをとらせる細かい工夫と、囲まれてもヤニスからのパスアウトが機能して、単純だけど止められない形に。
でもヤニスがベンチに下がったらあんまり。ロビン・ロペスは代役をこなしていたけど、そんなに怖くはないよね。
でもマジックオフェンスも酷い状態に戻ります。ゴードンがポストアップ→逆サイドからフルツがカッティング、と良さげな形が出ても何故かハイポストで止まるわ、逆サイドのコーナーへドリブルしていくフルツだったりして、チンプンカンプンなままでした。
前半は52-40と点が取れなかったマジック。バックスもヤニスがいないとあんまり。要はヤニス抜きならイージーに守れるマジックと、誰がいてもイージーに守れるバックスと。
◉改善のマジックとヤニス
後半になると驚くくらいにマジックオフェンスが改善します。まぁほぼバーチ。オフボールでバーチのスクリーンを使ったゴードンがフリーになって3P、ピックを使うフォーニエがフローター、ハンドオフからフルツがリバースレイアップ。
まるでバーチが良いみたいですが、実際にはやっている事は普通だし、ブセビッチだったらもっと有効だっただろうね。ただ単に複数人が絡んで崩すプレーが乏しかった前半からスクリーンを使う事で3人くらいが絡むように。もっともだからといって爆発する事はなく、バーチを放置してやり過ごすバックス
そしてヤニスのアタック&パスアウト3Pのパターンに、速攻が混じって15点以上のリードを維持します。そしてガマンするとブレッドソーとのコンビからヤニスが3P。
殆ど囲まれるシーンがないヤニス。人の多い所にはいかない判断とオープンなら3Pを打つ自信が快適なプレー環境を作れている様子。
しかし、そのヤニスがベンチに下がるとキレキレのロスと3P連発のオーガスティンによって一気に点差が縮まります。イリャソバこそ決めるものの、迫力不足なバックスオフェンス。インサイドに詰める選手不足なのかなー。
3Qで80-73と点数が伸びない試合は3P連発すればどうなるかわからないくらいになったのでした。
◉ラインナップ移行
4Q序盤はヤニス抜きでミドルトン、ジョージ・ヒルが得点して引っ張るも、オーガスティンの反撃もあって互角に。ヤニスが戻ってきてもアイザックがテイクチャージ、オーガスティンがハイフローターで得点し、速攻でフルツからアイザックの合わせも決まって1桁点差を続けます。
あまりにも押し引きのない展開で時間ばかりが減っていく中で、ブレッドソーが3P、ドライブからリバースレイアップで残り4分12点差にします。
マジックはビッグマンをアイザックとゴードンにして、オーガスティンやロスを使ったスモールラインナップになり、ちょっと守りきれなくなっていきました。それは負けているのだから仕方のない選択です。そこそこ取り返せているし。でも「そこそこ」じゃ追いつけない。
ブーデンフォルツァーはラインナップ合わせにしました。ブルックを起用せずヤニスをセンターに。高速ヘルプでブロック、ローポストからドライブダンクと変わらぬ活躍で違いを作るヤニス
さらに残り2分からブレッドソーとジョージ・ヒルを並べてフルツやフォーニエから自由を奪うと、攻めてもヒルがコーナーからドライブでリバースレイアップ。
結局、後半に改善したマジックオフェンスでしたが、それがバックスを圧倒するような形になるはずもなく、エマージェンシーアタックはしたけれど、バックスに逃げ切られたのでした。
ブーデンフォルツァーとしては相手の状況と試合展開を観ての安定した采配っぷりでした。クリフォードはビッグマン不足をどうするのか答えがないまま終盤にいつもの選手を並べすぎたかもね。
バックスは連勝を15としたのでした。
◉余談
アイザックのディフェンスは良いね。あとはヤニスの様なエースをどれだけ沈黙させることができるのか。
オフェンスは行方不明になりがち。後半はスクリナーにもなっていたけど、どこで、何のためにスクリナーになるのかを理解していたとは思えない。ていうかパスもこない。
ブレッドソーとヒルの使い分けと、ディビンチェンゾのプッシュ力でブログドンロスは緩和できてます。
でもオフェンスで決めきってくれる選手がいないのはつらい。特にヤニス下がったときに顕著に感じます。
ヌルっとドライブで抜いてイージーショットを作り出せる選手がほしいですねぇ…
人生で初めてみたNBAの試合で活躍していたのがイリャソバだっので、彼が活躍してくれるととても嬉しいです。せめて今年中はトレードで放出されませんように…。
いつも楽しませていただいております!
今年の終わりに2010年代draftランキングみたいな記事見てみたいです。今年19-20シーズンですが10年単位の切り替わりってなかなか遭遇できないので。
また、2009年組のcurryやハーデンをランキングから外せるのが面白い点でして完全に今後新しくなっていくNBAのランキングでもあります。
どの年が当たりだったのか!みたいな
「レイカーズについては他に書く人がいっぱいいる」みたいなことを以前に言っていたのは知っていますが、もしできたらアレックスカルーソの躍進、レブロンとの共存の仕方についてのwhynotさん流考察が是非読みたいです。もしお時間ありましたらお願いします。