日本vsチュニジア

さすがにベンチメンバーを起用するよね?ドイツに勝ったんだから、もう十分でしょ。テストテスト。

八村と篠山がベンチ外。スターターは田中、比江島、渡邊、竹内、ファジーカス。1.5軍みたいな戦い方を選択するようです。八村抜きってだけで1.5軍感満載。ついでにPGも篠山がいないくらいの方がテストしやすいってことかな。

ドイツ戦同様に八村が不在だと非常によくボールが回る日本ですが、回しているだけで全然打開できておらず、最終的には渡邊頼みになります。ところが、その渡邊がウイングから仕掛けてもインサイドでファジーカスが邪魔をします。

ストレッチ5と化したファジーカスは八村がボールを持つと逆サイドで開く傾向がありましたが、「八村がいないなら自分が自分が」な空気が。そして、そのポストにパスを出してはカットされます。通用しない空気が満載。

そんなわけでPG田中は困ります。パス回しても渡邊以外全然シュート打ってくれないし、それでどうやってゲームメイクしろってんだよ。なので、自分がドライブ&ミドルでの得点を狙います。それが出来るっていうのは田中の魅力。

PGが安藤になると、渡邊にボールが回る回数が減ってさらに困ります。理由は安藤が、ってのではなくて2つ、3つくらいまわらないとウイングにはボールがこないのですが、今度はファジーカスがストレッチし始めました。噛み合わない渡邊とファジーカス。

そしてディフェンスは毎度のようにキックアウトから3Pを打たれまくります。ファジーカスがベンチに下がっても交代で登場するのが太田なので、あまり意味はありません。八村ではなく竹内の分だけこれまでよりはアウトサイドにプレッシャーがかかっていますが、竹内はメジリを守るのが嫌そう。

ということで1Qはチュニジアに圧倒されました。八村がいないと1,5軍ってのを示すような1Qになってしまいました。大体、あんな確率でミドルを決めていくとか反則なんだよね。

それよりも苦しかったのは、八村不在によってポストアップが弱いこと。ボールを持って勝負する部分ではなく、単なるポジション取りで負けまくっています。

◉ツインズの時代

2Qの開始が太田とシェーファーのコンビ。オフェンスがお話になりません。誓也がステップバックのアウトサイドを決めますが、それくらい。仕方ないのでファジーカスが戻ります。

ポジション取りやスピードで負けてもファジーカスはシュート力とパスがあるので、まだ使い道がある。しかし交代したのはシェーファーだったので、スピード不足の日本は3人がトランジションを仕掛けても、ついてきてもらえません。

渡邊と竹内が戻ってくるとあっけなくオフェンスが良くなります。あっこの竹内は公輔の方ね。やっぱりツインズの有能性は非常に高い。このツインズがいながら時代から遅れていったのは日本バスケの失態。

更に比江島がプルアップ3Pで5点差にします。相変わらず、何だかんだで接戦にしてしまうラマスマジック。悪い時間帯に離されない。そして渡邊のフローターで反撃にするんだから。渡邊の連続得点でつないでいく日本。

チュニジアもお疲れになってきたのか、動きが悪くなり始めます。単調なオフェンスが多い。ということで、おそらくこれが日本じゃなければ退屈な試合になっていたっぽい2Q。唯一輝いていたのが竹内公輔。ハードワークでオフェンスリバウンドに何回も絡み、全局面でしっかりとディフェンスをしていました。

譲次だとここにトランジションが加わるし、単純にもう少し守れる印象がありますが、それでもツインズの有能性が示された前半でした。ちょっと他のベンチ陣とは差があるぜ。

両チームがピリっとしなかったので、ルーズボールやリバウンドへの貢献度が高い公輔が目立ちました。両チーム通して最もよく絡んでいました。必ずゴール下に飛び込んでくることでチュニジアも守りにくそうに。

走れてハードワークしてポジションレスなプレーが出来るビッグマン。時代の流れに沿った流動性アタックが出来る中核の選手が2人もいたのに、古臭いプレーばかりしていた暗黒時代の責任は重い。

◉終わったテスト

後半はベンドラメがスタートしてきますが、日本の中ではフィジカル負けせずルックアップしてプレーできる良さは、チュニジアがそんなにプレッシャーに来ないので発揮されていません。アルゼンチンやドイツとやりたかったであろうベンドラメ。

そして日本は全体の足が止まっています。理由はまたファジーカスかな。八村がいないから自分が何とかって気持ちが強いのだろうけど、それが悪い方向に働いています。もっとスペース&ムーブしないといけないのに、ボールが欲しいファジーカス。

それでもベンドラメが起点になって比江島に打たせ、さらに比江島がドライブからのショートレンジ。渡邊が強引に決めたりと、ファジーカスを経由しなくなってから良くなり始めます。

ディフェンスはファジーカスのところで問題はありつつも、インサイドでも割と守れるベンドラメとアウトサイドでも頑張る公輔でチュニジアのオフェンス力問題もあって、これまでで最も良いディフェンスになっています。

6分経過したところで日本は交代で譲次が出てきます。一旦は公輔→譲次でファジーカス→公輔。太田とシェーファーじゃなければ天傑に至っては出番がなく、前半でテスト終了って事なのか。あとおそらく誓也に譲次を合わせています。

ツインズ揃い踏みになったことで、日本は明らかにトランジションが良くなります。メジリがバカみたいな3Pを打ってくれることもあり、そこからすぐにオフェンスに切り替えることが出来ます。

守ってもメジリに困りこするものの、スピード負けしているわけじゃないので、簡単にはインサイドに入らせない。基本的には前半からスイッチを促されてボックスアウト出来ない形になるだけで、それがなければそこまでやられはしません。

しかし、最後に田中がスティールしたところで走った馬場にパスを出すと、速攻ダンクに行ったもののメジリにチェイスダウンブロックを食らい、逆速攻を食らって終わった3Qでした。

◉スモールラインナップ!!

譲次の3Pが決まると、全員が追い掛け回せるディフェンスで24秒オーバーを誘発します。やっぱりチュニジアのオフェンス力問題はあるけど、日本のディフェンスはこのメンバーが最も良い。

コートにはアルバルクが4人+公輔なのでそりゃそうか。

公輔はオフェンスリバウンドも押し込み、ヘルプディフェンスに出るとしっかりと馬場がリバウンドに参加してくれます。アルバルクによる慣れ親しんだ形。

公輔と譲次がアウトサイドでも関係なくついていくし、スイッチローテをしています。なのでインサイドが空くとそれは馬場がフォローする。単にこれまでで最も良いディフェンスってだけでなく、「馬場が最も輝く形」になっています。

誓也のドライブ→譲次がシール→馬場へキックアウト→エクストラパスで田中の3P

困ったときはアルバルク。ラマスの得意技。そしてこの公輔の大活躍によってPGの序列も決まった気がします。残るのは誓也。理由はチームワークを発揮できるメンバーだから。

残り5分半で譲次→渡邊。で、その渡邊のアイソレーションで同点にします。スモールラインナップ。竹内ツインズの有能性を堪能する試合は、選手の質の違いこそあれど10年前でも出来たであろうスモールラインナップでの戦い方。

そして結局、代表でも4番になってしまう渡邊

◉クラッチ勝負

スモールラインナップによってディフェンスが大いに機能し、ディフェンスリバウンドを渡邊が抑え、オフェンスリバウンドは公輔が絡みます。

しかし、どうしてもガードが守れない。動ける竹内ツインズといえどそこまで守れるわけじゃないし、それを補えるほどにカバーできる誓也じゃないし。少しずつガードの突破力に困り始めます。

6点差になったことで、ラマスは誓也を諦めて、比江島を使います。プレータイムが長くなっているので耐え切れないのは仕方がない。

そして勝負するのは渡邊。強引に決めますが、強引しかないのか。公輔と交代した譲次がラッキーな形でレイアップを決め2点差。残り1分半。

メジリに3Pを打たせて成功したディフェンスから、のオフェンスは田中のコントロールから比江島のドライブで同点。残り35秒。

チュニジアは時間を使っているとショットクロックが止まってしまい、試合が止まります。止まったらショットクロック残り8秒から。チュニジアがタイムアウトでラストプレーを考えます。

チュニジアは見事にマイケル・ロールvs譲次にしてミドルを成功させます。最も警戒すべきところを許してしまいました。残念。

残り9.7秒で2点ビハインドの日本。比江島がボールを貰いに行き、それでディフェンスを開かせて渡邊に渡します。ドライブした渡邊はファールを貰いフリースロー。2本決めて同点。

残りは6秒。チュニジアはマイケル・ロールの1on1。相手は渡邊でしたが、タフなフェイダウェイを決めきったマイケル・ロール。素晴らしいディフェンスを展開した試合でしたが、最後は純粋な個人勝負で負けてしまいました。

◉ツインズ時代

竹内ツインズの活躍に泣けてくる試合でした。本当にこんな選手が2人もいながら日本バスケは何をやっていたのか。7フッターがいなくてもスモールラインナップを有効に使った方が守れるのが現代NBA。そのうえで7フッターが欲しいっていうだけ。

チュニジアのオフェンスが3P外していた事実はありますが、それがニュージーランドやドイツと違うのは、日本のディフェンスが効いていることで外させたシーンが多くあったこと。メジリ3P打たせておけば鉄板で外してくれるし、リバウンドもイージーになるので、そこが楽だったこともありますが、全員が動けることで初めて機能したディフェンスでした。

ちなみにファジーカスが問題ってのは周知の事実ですが、八村もあまり良くないんだよね。身体能力があるから誤魔化せているだけで、竹内ツインズの方が連動した良い形は出来ていました。

その結果として、最後の渡邊1on1も含めて個人のディフェンス力という課題が出てきた感じです。なんというか、3Pに対して無力なディフェンスをしてきたテストマッチの中で、ちゃんと守ったからこそ苦しさが出てきたガード陣のディフェンス。

思い返すと予選においては田中のディフェンスが非常に効いていました。それがわかったのも八村とファジーカスがいないときの話。ここをどうしていくかは、秀逸な采配をしているラマスがコントロールするのでしょう。

いずれにしてもテストマッチの最後で登場した竹内ツインズによるスモールラインナップは、素晴らしい内容となりました。アルバルク+渡邊+公輔という布陣がオプションに加わったという意味ではドイツ戦よりも収穫が多かった試合だったと思います。

そして、これでPGの控えは安藤誓也に決まり、ビッグマンの控えは竹内ツインズに決まったでしょう。

篠山、誓也
田中、比江島
渡邊、馬場
八村、譲次、公輔
ファジーカス

これで10人。シューターがいないので周人も残しておきたいでしょうから、残り1枠をベンドラメ、太田、シェーファーから選ぶことに。PGの控えを厚くしておきたいか、ビッグマンを厚くしておきたいか。個人的には渡邊と八村がインサイドでも良いわけですからベンドラメにしますが、タイプ的にはファジーカスを補えるシェーファーが良いような。でもラマスは太田を残しそうなんだよな。わからん。

PGについての記事を書いていたのですが、もう少し他のところもまとめてみようかなー。

日本vsチュニジア” への4件のフィードバック

  1. ラマス監督は太田選手好きですよね。しかし今日で公輔と太田の序列がついてしまった気がするので、主さんがおっしゃるようにベンドラメかシェーファーを残してほしいです。ここ数戦でのファジーカスの危うさを考えると、シェーファー優先でしょうか。さらに来年以降も見据えるとすれば、完全にシェーファーにすべきかと思います。

  2. 予選の相手考えるとインサイドでニックが穴にならないためにもシェーファーかなと思います。渡邊は4番スキルがモリモリ上がってますね。どうしたもんか。

  3. 日本バスケ界のゴタゴタというのは一度調べたことがあります。こうして国際大会の場に戻ってこれただけでも凄いことです。渡邊、八村とNBA選手も出てきて日本バスケの未来は明るいでしょうが、暗黒時代に輝くことなく消えていった才能がいくつあったのやら。
    バスケ試合はNBAしか見てませんでしたが日本代表の試合も見てみます。

  4. 竹内ツインズは二人とも昔から能力は高かったがジョージはどうもメンタルが弱かった。
    彼らは期待されて日本を背負って戦ってたがそれが重荷になっていたようです。その証拠に、ニックが入った途端にジョージは解き放れたように覚醒しました。

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