レナードのスタミナ!!
完全にバックスの攻略法をみつけ、自分達のやるべきプレーを繰り返して3連勝のラプターズ。ホームに戻ってこのまま押し切るのが常識的な見方だけど、そうもいかないのがラプターズ
◉修正・修正
ミドルトン、ブログトン、ミドルトンと3Pを決めていったバックス。ミドルトンは早くも6点。「早くも」っていうか一桁得点が日常みたいになってしまったカンファレンスファイナル。まずはここが頑張れ!という修正です。
その間に良きオフェンスを展開しているラプターズだけど、ターンオーバーが3つ。レナードのパスミスってのが続いており、さて、どうなっていくのか。
そしてダニー・グリーンが全く決められず。バックスの基本ラインは「シアカムかグリーンに打たせろ」なのが、ゲーム5でシアカムが決めたこともあって「グリーンに打たせろ」になっているような感じです。だってコーナーでフリーが多すぎる。
全体的にラプターズは良いのに、肝心のシュート能力が、それもシューターの能力が足りていなくてリードするのはバックス。ただし、次々にトランジションを仕掛けていくラプターズ。マジでよく走るな。レナードの別格さに隠れるけど、全体的にラプターズは運動量が落ちないよね。元々走らないガソルは置いといて。
ただし、ハーフコートディフェンスでラプターズの早い仕掛けのダブルチームとローテディフェンスが特徴でしたが、「チャレンジ&カバー」が機能する前にパスを出せているバックス
3Pが決まるから「チャレンジ」させていない
パスが早いから「カバー」が間に合わない
どちらもともとれるけど、ひとまずパスがディフェンダーよりも早く動くので、3Pも打てるし、空いたヤニスのダンクにもなっています。遂にレナードが疲れたのか。
バックスはベンチからミロティッチではなくイリャソバが決めていきます。そこにブログトンのゲームメイクが加わって、好調のヒルも続くので勢いが落ちません。シュートが決まってしまうとラプターズはトランジションに移行しにくいので、得点がとまりがち。
残り3分からレナードがベンチに下がると一気にバックスペースになって、気がついたら13点リードで1Qが終わります。
◉フレッドと3P
2Qも同じような状況に。またもヴァンフリートがロング3Pを決めるけど、グリーンが外すし、そうなればインサイドを手厚くする守り方が成功するし。
そしてオフェンスではイリャソバが効きまくり。イリャソバとミロティッチの違いは、イリャソバの方がポジションを考えて動いていくこと。ディフェンスの動きにリアクションするならイリャソバが上だし、ヤニスの動きに合わせるってのもさ。
バックスはシュートが決まらなくなるのですが、ロングリバウンドが落ちてきたりして、運も味方につけているし、ゲーム6よりもインサイドに収縮せざる得ない雰囲気になっているラプターズ。
細かく言うのは難しいけれど、細かい修正をしているんだろうねバックス。ロペスとヤニスが同じサイドにしてドライブした際に、ラウリーが逆サイドのコーナーを警戒したのだけど、そこに誰もいなかったシーンとか。
ジョージ・ヒルのレイアップが外れると、久しぶりにトランジションに移行してラウリーがレイアップ。この時、バックスは両コーナーに広がっていたので、戻るのが遅くなりました。コーナーにいすぎないようにしているのか。
6点、4ターンオーバーのレナードがなかなか決まらず。ただ、ディフェンスが機能し始めたのでどっちも得点が伸びなくなっていった2Q。次第にレナードよりもラウリー&シアカムにしていきます。
ひさしぶりにレナードがプルアップ3Pを決めて反撃ムードになったら、ヤニスが3Pでアンサー。ステップアップしようとしているヤニス。そこに再びヴァンフリートの3P。精算期間になったのかヴェンフリート。
○フレッド・ヴェンフリートの3P
ファーストラウンド 31%
セカンドラウンド 7%
カンファレンスファイナル 52%
シクサーズとのシリーズは7%だぜ。それが50%オーバーだとバックスの戦略も狂うよね。ダニー・グリーンが決めていれば楽だったであろうラプターズ。
○昨シーズン
ファーストラウンド 17%
セカンドラウンド 32%
ケガで2試合しかプレーしなかったファーストラウンドでしたが、とはいえ、重要な場面で重宝されているヴァンフリートがフリーにされても外していたのは、シーズンで高勝率をあげながら勝てない要因にもなっていました。特に当時は最強セカンドユニットと3Pがないデローザンだったので。
もう1本決めて点差を縮めたヴァンフリート。しかし、終盤になってファールコールに悩まされ、ディフェンスで止めていてもフリースローになって追いつけなかったラプターズ。
逆に言えばハードワーク的な部分で頑張ったバックス。バックスというかヤニス。このチームはスーパースターがエースのようでいて、ハードワーク担当だったりするんだよね。
前半50-44。大きなリードを奪ったバックスでしたが、次第にラプターズの流れになりました。それでも踏ん張れたことでリードを保てたという印象です。21分のレナードに対して19分のプレータイムになったヤニス。上手く温存できたともいえるのでした。
◉崖っぷちにチャレンジ
ヤニスが1人でトランジションに持ち込み、リードを広げた後半開始。本日は3Pを決めまくるヤニス。なるほどね。「ここを何とかしてインサイドを広げろ」なわけか。崖っぷちのゲーム6の割には作戦としては余裕がある選択です。代わりにミロティッチは起用しない。
それに対して決まらないレナード。割と苦しい中で、トランジションからマークがブレッドソーになったのでパスを出さずに強引に自分で勝負を選択。「あぁこれは・・・」と思ったら、そのドライブから見事なキックアウトでガソルのコーナー3Pに。レナードの個人技が決まらなくても機能しているぜ。
ヤニスは再びワンマントランジション。チャージングに見えるんだけど、グリーンとラウリーの2人同時に吹っ飛ばしてレイアップ。ディフェンスファールもなし。んっ?
そんなわけで、ちょっと様相が違う訳です。これまではヤニスが決められず、苦し紛れのパスが多かったけど、本日は自分で決める。自分で決めきっていたレナードは苦しくなるのだけど、しっかりとパスを出して行く。が、ラプターズはそこまでアウトサイドから決まらない。
更にこれまでと違ったのは、超苦し紛れに打ったミドルトンの3Pが決まったこと。これで再び二桁リードになったバックス。タフショットミドルトンが全く決められなかった中で、貴重な1本に。
タイムアウトのラプターズはレナードを囮に使ってのラウリー。ラウリーは3Pを連発。レナードに頼りすぎのラプターズだったけど、試合内容からニック・ナースは有効な策を選択しているのか。ただ、全体的には3Pの思い切りが悪く、バックスディフェンスが間に合っているように。
ただ、ゴール下のヤニスをゲーム5までのようには止められず、イバカもガソルもファールが4つに。続いてラウリーも4つ目。そして再びのミドルトン3Pで点差は広がっていきます。
次第に個人技が目立っていくラプターズ。それはおそらくバックスディフェンスをパスで崩すのが難しくなっているから。パウエルやシアカムがアタックしていくけど、ゴール下をヤニスが待ち構えるから、得点効率が悪い。
お互いに得点が伸びないゲーム6。ヤニスのディフェンス面の貢献が非常に大きく、レナードを上回り始めています。・・・そう思ったら残り1分でレナードが3Pファールを貰い、3本目のフリースローを外すと自らリバウンドでヤニスからファールゲット。またフリースロー外したけどさ。
ここはカンファレンスファイナルのゲーム6。圧倒的な得点力以上に、こまかなハードワークを欠かさない両スーパースターの戦いは、終盤に点差を縮めたことで、またも5点リードのバックスでファイナルクォーターへ。
◉ノーレナード!
ヴァンフリートのドライブ、パウエルの3P、ラウリーのドライブからイバカのダンクでレナードを休ませる1分半で追いついたラプターズ。特にはじめの2つはヴァンフリートの判断とラウリーのオフボールムーブによるデザインプレーなので、超お見事!!!
タイムアウトあけもまだベンチのレナード。再び見事なパッシング&オフボールでイバカがフローター。ミドルトンのアタックはラウリーがテイクチャージ。このシリーズ時々出てくる「レナードがいなくて機能するラプターズ」。でも時々しか出ないから信頼しきれないのは、シュートが決まらないことが多いから。
しかし「元気な方が強い」とばかりにレナードとガソルがいないので、素早いダブルチームとローテディフェンスでヤニスを止めていきます。イバカがダブルチームに行くスピードね。
そしてまたもヴァンフリートが3P。それも珍しいサイドステップしてのタフ3P。なんと4分近くレナードを休ませることに成功した上で、5点のリードにしてしまいました。
戻ってきたレナードは3Pをミスするも、見事な読みからスティール速攻に行ったラウリーが後ろからヤニスが来たので自分で打たず、ちゃんとチェイスしてきたレナードに渡してダンク。休んだことで走れたのか、スタミナモンスターなのか。
◉こんなラプターズが
レナードはヤニスをブロック。ここらから、バックスはオフェンスをヤニスではなく周囲が作る形になります。これでバランスが良くなり、ロペスのポストアタックやヒルのドライブで加点し1点差に。
ラプターズはレナードが決まらず得点が止まると、ラウリーがドライブレイアップ。ロペスとヤニスのブロックをかいくぐったのって久しぶりじゃないか。
ヤニスのミスはロペスがオフェンスリバウンドで押し込む。ロペスはさらにヘッドフェイクで抜いてのゴール下。一方でレナードがゴール下で苦しんでのキックアウトをガソルが3P。両センターもまた形を変えながら貢献できています。
タイムアウトのラプターズは、レナードのアタックからキックアウト、エクルストラパスでラウリーがドライブしてキックアウトはフリーのレナードへ。かなり怪しいシュートだったけどリングの上を跳ねて3Pが決まります。
さらにレナードはダンクに行きますが、ここはヤニスがブロック。しかし、シアカムがプットバック。なんていうか、「こんなラプターズが観たかった」が緊迫した場面で登場してきます。シアカムがミスしたら、レナードがリバウンドだし。なお、さすがのレナードも疲労の色が。
バックスはオフェンスリバウンドをジョージ・ヒルが押し込む。もうブレッドソーは起用しないでブログトンとのコンビで組み立てと、フォローをさせています。
残り1分15秒5点ビハインドのバックスボール
ヒルとのピッ&ロールからインサイドのヤニスを狙ったバックスをロペスのマークをしていたシアカムが読んでスティール。なぜ、ロペスはコーナーじゃなかったのか。
時間を使ったレナードはミス。ヤニスがトランジションに移行するも、打ち切れないのでキックアウトし、最後はロペスがドライブしてファールドロー。フリースローを決めて3点差。残りは30秒。
タイムアウトのラプターズは、時間を使ってしまえばラストディフェンスで3Pさえ防げばOKです。そのオフェンスもウイングからレナードのアイソにしておけば、30%ぐらいは得点になるし。
トップからアイソのレナード。マークはミドルトン。プレッシャーをかえるけど奪いに行くほどではない。ここでレナードはゴール下のシアカムを見つけてパスを通します。距離のある勇気の要るパスなんだけど、全然気にしていないな。
シアカムはロペスに抑え込まれて、完全に身体を止められているけどさ。ノーファールでゴール下をミスも、抑え込まれたミスだからシュートがリングの上までいかず、自分の所に落ちてきます。リバウンドゲット。
というわけで、リプレーを経て残り8秒のラプターズボールに。これでファールゲームしかないバックス。でもさ、シアカムにファールすれば外してくれるんじゃないの。それがゲーム3だったし。
このスローインはノータイムアウトで実施し、スローインが成功しなかったところでタイムアウトを請求したガソル。
ハーフラインに4人が並び、ゴール側へ3人走りながら2人が戻ってレナードのみにしてパスを出すも、これをミドルトンがカット。パスが悪いと怒るレナード。
もう1度ラプターズボール。スローインがコーナーに近づいたので、スペーシングが難しい。で、空いたのがシアカム。予定通りのシアカムへのファール。
問題のシアカムのフリースロー。1本目を決めて4点差に。しかも2本目を外しやがって、そのリバウンドがレナード。フリースローもきっちりと2本決めたのでした。
結局はレナードが締めたラプターズ。それもヤニスが上回っているゴール下のハードワークで制するっていう。
◉NBAファイナルinトロント
偉大すぎたカワイ・レナード
フランチャイズプレイヤーのデローザンをトレードし、最強セカンドユニットは解体し、鮮やかなるチームオフェンスも隠れていき
それでも偉大すぎるカワイ・レナード
オフにFAとなりチームを出て行く可能性もある選手に全てを賭けたラプターズのチャレンジは、見事に成功をもたらしました。それがチーム史上初のファイナルへ。
トロントの街の盛り上がりがレナードに契約延長を決断させるのかはわからないけど、レナード個人がキャリア最大の輝きを放ち、チームもまた史上最高の成績となる。
長きに渡りチームを成長させてきたマサイ・ウジリが決断したHCとエースの変更は、素晴らしかったチームに多くの疑惑をもたらしながらも、結果を残しました。
27点 FG41%と「レナードにしては」少し寂しいスタッツも、17リバウンドが試合を決めたのでした。
偉大すぎるカワイ・レナード
チーム戦術とは少し違う位置にいながら、チームにもたらす偉大な影響力と勝利
時代の先端を走るトロント・ラプターズに、オールドタイプの大活躍をするスーパースターが混じったことが成功の要因だったのかもしれません。
序盤リバウンドと2ndチャンスで完敗していたのでレナードのリバウンドが増えて助かりました。序盤で押されるとそのままズルズルいってしまうのがこれまでのラプターズだったので巻き返していける強さを得られたのは素晴らしいです。
子供が生まれてから絶好調のヴァンブリートもお見事でした。ラウリーも。
反面、グリーンが結局消えたままになってしまったのはかなり気がかりです。リラードのように何か重い負傷を隠してプレーしてるとか?ここが戻ってくればだいぶ楽になると思うのでファイナルでカムバックしてほしい。
GSW戦ではどのように戦っていくべきか管理人さんの見解を楽しみにしてます。
ファイナルっていつから始まるんですかね。
意外と何も思い浮かばずに困っています。
クレイ・トンプソンvsダニー・グリーンが初めのキーポイントってのがスパーズ時代でしたが。
正にレナードがチームを導いたって感じでした。エースの存在感が勝利に直結する印象を受けたシリーズでした。
アデトクンポは正直限界が見えてしまった気がします。やはりアウトサイドがないと厳しい。KDとの差は明らかにここだと思う。リーグトップレベルと言わなくても、上の下くらいは欲しい。プレーの幅が無さすぎる。キックアウトのパスの質も悪かった。来季、その辺に変化が見られなければこれ以上の結果は望めないと感じました。
アウトサイドは置いといて、プレーの幅の部分に何を求めるかが、来シーズンを左右しそうです。
モンスターは何かしらの変化は必ずしますよ。
バックスのチームとしての完成度をレナードで押しきりましたね。
ヤニスはエースとしての引き出しの少なさを露呈しましたね。
来シーズンの課題になりましたね。
ブレイザーズ同様にラプターズもまた、実は引き出しの奥にしまってある要素を使っていた気がします。
バックスはそんな引き出しを増やせるのかどうか。同じ事を繰り返す強さでは勝てなかっただけに。