最近、データを観ているとピストンズがいろんな所に顔を出してくるから面白い。
◉戦術ドラモンド
以前にイシュ・スミスとドラモンドについて書いたけど、特殊な選手で構成されているピストンズ感があって、今シーズンはチームとしてもそれが加速された傾向があり、FG%が最下位だけどオフェンスリバウンドを取りまくっているとか、実は戦術ドラモンドというのが進展している気がします。そんな数字の前からドラモンドとグリフィンの役割は限定されたけど、こなすべき仕事の質は高くなっているとしたことがチームの成績にもしっかりと現れてきているような。グリフィンがエースで、戦術グリフィンと呼びたくなるオフェンスを展開することがありながら、そのチームスタッツはドラモンドの存在が成立させているみたい。
そこにちょっと絡めていないレジ-・ジャクソン。FG%が低いのは狙っているわけはなく、グレン・ロビンソン、ブルロック、スタンリー、ギャロウェイなどがレベルアップすることが大切。結局は誰もがレベルアップしろってことだ。でも、役割定義はしっかりされているから「今やっている仕事の質を高めろ」ということね。で、レジ-・ジャクソンは特に良くない。FG38%、3P31%で4.0アシストしかない。
そんな事もあってかロケッツは警戒が緩い。離されて守られるし、それよりも他の選手を止めたそうなロケッツ。ピストンズとしてはサードエースとして信用しているから、スピードのミスマッチになると積極的に使うけど、ヘルプも来なくて迷うレジ-。でも
フローター1本決めただけでFG1/5、2つのアシストパスを通せたから、プレッシャーがないから迷いながらもプレー出来る感じ。
一方でグレン・ロビンソンとブルロックが動き回りながら、確率良く決めてくれます。動かないドラモンドとグリフィンに対して動き回るウイング達というのがピストンズの構成。イシュが加わると加速します。レジーとイシュじゃレジーの方が突破力ありそうなんだけど、イシュの方が動き回ってチャンスを作ってくれる。
さらにスタンリーもコーストtoコーストで速攻を決めます。うーん、ラプターズの匂いが強くなっているね。よく走って誰もが積極的。グリフィンの大活躍が減って良くなっているピストンズ。見事なリバースレイアップを打ったのに外すスタンリーと押し込むドラモンド。戦術ドラモンドだわ。チームが強くなるとドラモンドはオフェンスリバウンドを減らすんだろうね。
1Qは34点まで伸ばしたピストンズ。グリフィンは6点のみ。素晴らしい。
◉戻ってきたロケッツ
ロケッツは積極的にハーデン。寝ても覚めてもハーデン。それが出来なくて苦しんだシーズン序盤っていうくらいに伸び伸びしているのはケガの具合も良くなってきたからかな。そうなると上手くスペーシング出来ているロケッツはエニスが裏抜けしたり、カペラがいつも通り押し込んだりと回転していきます。
おそらくケーシーは昨シーズンのイメージそのままにキックアウトされるのを嫌がっているのだと。同時にそこはドラモンドとグリフィンがブロックで頑張るべきインサイドのリムプロテクトであって、他の選手はアウトサイドをしっかり守ることが求められます。その形はしっかり出来ているけど、リムプロテクト出来ないからペイント内失点が多いだけ。
ハーデンは3Pへのファールも誘い込み、MVPの姿そのままの1Qに。面白いのはこの両者の関係性だからクラークやハーテンステインがプレーしていても何の違和感もないのでした。だってパス回ってこないもん。だったらディフェンス出来る選手の方が大切だよなー。ハーテンステインもすっかり慣れたようでプレーに迷いがないし、パスが来ようが来なかろうがリングへのダイブを繰り返します。ちなみにパスは全く来なかった。
これでキックアウト3Pが連発すれば自分達の流れになるであろうロケッツの1Qは、そこまで耐えきるほどのディフェンス力が足りないってこともちょっと含めて終わります。オフェンスはこんなものでしょ。
◉カペラのダブルダブル
2QのロケッツはCP3、ゴードン、ジェラルド、クラーク、カペラというスモールラインナップ。カペラがインサイドの全てを担うことに。でもピストンズもルアーしないないや。パチュリアいないのね。そんなカペラはインサイドで圧倒し得点の殆どをカペラが決めていくのですが、スペーシングして全員が動き回ってのアタックをしてくるピストンズの上に、スイッチディフェンスのロケッツなので、カペラがアウトサイドに引き出されると誰もリムプロテクト出来ず、イージーに決めていくことが出来ます。
2Qはじめのロケッツは4分半で15点とりましたが、11点がカペラ。他の選手はフリースローで4点取っただけ。カペラ、カペラ、またカペラ。カペラ頼みのロケッツとルアーじゃ止められるわけがないピストンズと。
でもディフェンスはカペラがインサイドにいると楽勝なのだけど、イシュがずーっとドリブルして移動し、上手いこと外していくんだ。3Pも決めてイシュによるプレーメイクが秀逸なピストンズ。なのでオフェンスで取りかえすことでロケッツにリードを許しません。イシュはシュートも好調でカペラが相手でもミドルで決めていたしね。
ハーデンが戻ってくるとカペラのルーズなパスをスティールして速攻。さらに今度はハーデンからカペラへのパスに触りゴール下の前に止めてしまいます。さらにドラモンドとグリフィンが戻ってきたので、そうそうカペラ1人には許しません。というかリバウンドでは格上のドラモンドだから、セカンドチャンスを許さない。ドラモンドはカペラよりも走ってアリウープダンクも。
ロケッツにとって誤算なのか、ピストンズにとって狙い通りなのか、ハーデンを止めていくブルース・ブラウン。誰だ、お前と思ったらマイアミ大卒のドラフト42位ルーキーだってさ。45位のディアロといい2巡目はディフェンダーを探すべきなのか。49位のメトゥも面白そうだったし。
これでロケッツの得点が止まります。エースを止めれば止まってしまうのがロケッツ流。だけど止められないからMVPなのに、2QのハーデンはFG0/5で2ターンオーバー。まさかのブルース・ブラウンでリードを得ることになったピストンズ。若手が活躍しちゃうとか、どこのラプターズだよ。
2Qだけで15点、10リバウンドのダブルダブルを達成したカペラの大活躍もむなしく、カペラ以外にFG決めたのがカペラのアシストからフリーの3Pを決めたタッカーだけというロケッツ。爆発したわけではないけどバランスアタックで地味だったピストンズが、終盤にドラモンドがハーデンを連続ブロックしたこともあり、5点リードで前半を終えます。
戦術ドラモンドvs戦術カペラ。外れたシュートを拾い上げるのが仕事だから、目立たないときの方がチームは強い。でも最後にオフェンスリバウンドからダンクに行って失敗するのもドラモンドらしさ。
◉カペラvsドラモンド
ハーデンとレジーの3Pがどっちも決まらないけど、押し込んだのはドラモンド。そしてグレン・ロビンソンが3Pで10点差に広がって始まる3Q。ハーデン相手のポストアップをねじ込めば、ディフェンスリバウンドから猛ダッシュしてゴール下に行くとカペラをブロックしてドライブコースを空けるドラモンド。どうしたんだ、前半のカペラの活躍がしゃくに障ったのか。
しかしカペラはグリフィンを止め、走ってアリウープでフィニッシュ。タッカーからカペラへのアリウープがミスになると即猛ダッシュでゴール下に行くドラモンド。いや、本当にどうしたんだ。カペラへの対抗意識でいつも以上に走っているイメージのドラモンド。でも、今度はまた走ったカペラがアリウープ。センター同士が走力を競っている両チーム。
ただ、ディフェンス側は走り負けているわけじゃなくて、オフェンスの終わり方の関係で置いてかれてしまうんだ。オフェンスリバウンドに飛びこむのが仕事な訳だし。そうやって走ったときに上手く利用するのはロケッツの方が上なので、ピストンズはもう少し使い方を学ぼうぜ。勿体ないくらい走っているドラモンド。
その差が生まれたことでロケッツが4点差まで追いつきます。1人の働きが波及していく良さがあって、カペラへの警戒が強いからエニスやタッカーがロングリバウンドを取っていくのでした。
しかしカペラへのアリウープを警戒しながらもハーデンをブロックしたドラモンド。ハーデンはパスの雰囲気でいながらドラモンドをみてレイアップを選択したのに上回ります。凄いぜドラモンド!すると次はドラモンドがヘルプに出れないように押したカペラでハーデンはフローターを決めます。
ドラモンドを引き出して1on1にするハーデン。ハッスルディフェンスでプレッシャーをかけるドラモンド。最後はプッシングになったけど本当に良いぞドラモンド。カペラみたいだ。本人にカペラみたいって言ったら怒られるだろうけど。更にハーデンのドライブをブロックするドラモンド。シュートミスを連続リバウンドで助けるカペラの戦いは延々と繰り返されます。
書いてないけど、ブルース・ブラウンに触発されたか、ブルロックとグレン・ロビンソンも良く守っているよ。そして全く書かれないCP3が3Q最後にロング3Pを沈めてロケッツが79-78と逆転して3Qが終わりました。
3Qのカペラは4点8リバウンド。ドラモンドは6点1リバウンドもハーデンを2ブロック。記事の主役の割には大したことないスタッツだけど、両チームで最も大切だった戦いでした。23-17というロースコアを支えたセンター達。
◉ブルース・ブラウン
あれ、パチュリア出てきた。それもグリフィンとの併用。2Qは何だったんだ?
先手をとったのはCP3。ハーテンステインにダンクさせ、自分もドライブで得点。すると登場したのはブルース・ブラウン。CP3に張り付きます。ロケッツのクラークはパチュリアとのインサイド1on1を止めるし、今年は2巡目以降のルーキーが目立つぞ。次回はアロンゾ・トリアーだな。
でもCP3はマッチアップをパチュリアに交換してドライブを決めます。そんなに目立たないけど、悪い目立ち方ばかりだったシーズン序盤とは全く違うCP3。なんでそのプレーが出来なかったのか。
ハーデンが登場したのでブルース・ブラウンはハーデン担当に。嫌がってパスを回してCP3任せにするハーデン。
CP3の担当はレジ-・ジャクソンに。ちょっと戦略的に簡単に外されてしまうレジ-。しかし、オフェンスで取りかえし始めます。ゴードン相手にファールを貰っていき、フリースローで加点すると、フリーになったCP3がフリースローラインからのシュートを外してくれます。守れていないけど、そういうときもあるよね。
スイッチさせてvsグリフィンにすることに成功し3Pを決めるハーデンだけど、グリフィンもハーデン相手のゴール下を押し込みます。スイッチさせないとブルース・ブラウンのしつこいディフェンスに悩まされるハーデン。同じくタッカーに悩まされるグリフィン。
ハーデンがパスを振っても3Pが決まらないロケッツ。そしてブルース・ブラウンはハーデンからボールを奪い、レジーがレイアップでフィニッシュしてピストンズが逆転します。しかし、しつこいディフェンスに遂にファールさせることに成功するハーデンがフリースロー3本を決めます。残り2分でロケッツ2点リード。ハーデンはグリフィンの腕を掴むけどノーファールでスティールも。
ロケッツはシュートが決まりません。リバウンドを取って打ち直しても決まらない。なお、カペラに対してはドラモンドが取らせない。多分、自分が取るよりもカペラに取らせたくない。ピストンズはレジーがアタックして同点に。
vsレジ-にしたハーデンはフェイクで引っかけてドライブしファールを貰います。フリースローで2本目を外すけどリバウンドを取ったハーデンがオフェンスをやり直します。再びvsブルース・ブラウン。これがハーデンのハンドルミスを誘い出し、速攻に走ると後ろからファールしたハーデン。フレグラントかと思われたが普通のファールに。ちなみに後ろから正確にボールを叩いたのは上手かったけど、叩いた後に腕ごと引っかけてしまった。
このフリースローを2本とも決め1点リードに。残り38秒から2for1を狙うハーデンは急いでvsグリフィンにしてステップバックミドルをねじ込みます。良く決めるね。逆転。
残り26秒のピストンズ。タイムアウトで選んだのはグリフィンの3P。1mくらい離れた位置から打ったウソみたいなシュートだったけどカペラの上から決めたグリフィン。大した活躍をしていなかったエースがクラッチタイムで重要な仕事をしたのでした。これで残り2.6秒でピストンズの2点リードに。
ロケッツはバックコートにハーデンを置き走らせますがゴードンがパスを出せず、もう一度タイムアウト。スローイン前から動き回るロケッツの面々。当然、狙いたいのはハーデンなのですが、どうにも出せないと隙間を動き回っていたゴードンがもらい、レイアップを決めます。何故か空いていたドライブコースは偶然なのか、狙ったのか。狙ったならとんでもないプレーだった。
土壇場で追いついたロケッツ。オーバータイムへ。もうセンターの2人は微塵も目立たない。その理由の1つがハーデンがドラモンドを狙わないこと。嫌われたドラモンドとブルース・ブラウン。
◉ノーミス!!!
グリフィンとレジーがアタックでファールを貰い、グリフィンはダンク。タッカーの3P、カペラのダンク、6回目のオフェンスで初めてゴードンの3Pが外れてミスに。
ブルロックのコーナー3P、ハーデンのミスからグリフィンがダンクで5点リードになるピストンズ。ねじ込むカペラ。レジーの苦し紛れのシュートだったのがタッカーはファールコールされます。
再びブルース・ブラウンに煽られてハーデンの3Pは決まらず、レジーはプレッシャーディフェンスに追い込まれるもタイムアウトで回避。タイムアウトから時間を使ってタフショットを打ったレジーですが、これが決まります。8点差になって早打ちするしかないハーデンの3Pは決まらず。もう諦め半分のロケッツのディフェンスに対してレジーがレイアップで残り30秒9点差になって、試合は終わったのでした。
何が凄いかって、なんとオーバータイムのピストンズの9回のオフェンスはノーミス!!フリースローを外してしまったけど、それ以外は全て得点になったのでした。レーティングにすると164でロケッツの144を上回って勝利したのでした。
かーなーり、怪しかったのに、微妙なところを全て得点にしてしまったレジ-・ジャクソンでした。そしてロケッツの課題はやっぱりディフェンスに戻ってきましたとさ。
28点9リバウンドのグリフィン
そんなエースの活躍よりも重要だったのは3スティールのブルース・ブラウン!!
ハーデンを止めに止めた2巡目ルーキーの大活躍が衝撃的だった試合です。全てのリズムを狂わされたハーデンは33点ながらFG9/27で7ターンオーバー。ドラモンドとブルース・ブラウンによって悪夢みたいな試合になりました。15点と好調だったはずの1Qはどこへやら。
カペラは29点21リバウンド3ブロック
ドラモンドは23点20リバウンド5ブロック
カペラに触発されたようなドラモンドが印象的でした。走りに走り、カペラを置き去りにするなんて想像もつかなかった。これを続けたら評価が高くなるでしょうが、スタミナ的には死んでしまうと思います。4Q以降はゴール下で戦っているけど目立たなくなった2人でした。
こんな日が来るなんて・・・・
ああうれしい