渡邊雄太が出場するのか期待して、一応フルゲーム観たので感想を
◉新HCのホークス
ホークスは新たにシクサーズからロイド・ピアースをHCに迎え、3人のドラフト1巡目とヴィンス・カーターやアレックス・レン、ジェレミー・リンを加えて新たなスタートを切ります。このドラフト1巡目の3人がステフ・カリーみたいなシューター系PGでNCAAでは1年生にして得点王とアシスト王を同時受賞するというトレ・ヤング、そこにクレイ・トンプソン的なシューターのハーター、NCAAチャンピオンになったシュータービッグマンのスペルマンを揃えました。
これは個人としての優秀性以上に、チームがウォーリアーズ的な方向性を目指す戦術的な決意表明になっています。戦術と選手をセットで考えることは大切。ただサマーリーグを観る限り、ウォーリアーズと言うよりはパッシングして全員が打っていくシクサーズの方がイメージとして近いです。この違いは小さいようで大きいので覚えておきましょう。まだまだそれが重要になる段階ではないよ。
再建チームでココスコフ(ジャズ)を迎えたサンズとボレゴ(スパーズ)を迎えたホーネッツは明確にチームとして変化しており、HC交代の影響の強さを感じさせます。その点でホークスもHC交代の色が出てくるのですが、違いとして前任が超優秀なブーゲンフォルツァーだったため、サマーリーグほど色濃い変化は訪れていませんでした。
そもそもフリーの選手をしっかりと作り、センターでも3Pを打たせているチームだったホークス。ブーデンフォルツァーに慣れていた選手達からすると、同じような感じでプレーしてしまうのでしょう。加えてトレ・ヤングがロング3Pをあまり打たないので、なんだか思ったよりも普通なホークスでした。
それでもトレ・ヤングは15点5アシストとサマーリーグよりもNBAにアジャスト出来てきました。他の2人はベンチスタートでまだまだNBAレベルでは活躍できそうにありません。それは同時に彼らに3Pを打たせるシステムが整備し切れていない事が大きいかな。
やりたいことが出来ていないホークス。それでも2年目のジョン・コリンズがコートにいると、ビッグマンだけどドライブからキックアウトまで繋いでくれるので、大きな展開と3Pが増えていきました。12分しか出なかったので、ホークスで唯一お試し要素が少ない選手になっています。
ヴィンス・カーターおじさんも元気に3Pを決めて、主力の時は3Pを打てるけど、ベンチになると急激に苦しくなったよね。要するにベン・シモンズのいないシクサーズみたいな。それはドアマットチーム。
Weather app shows 82 and Clear in Memphis.
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— Atlanta Hawks (@ATLHawks) October 6, 2018
気になったのはアレックス・レン。よく走ってゴール下に絡みまくるセンターは機動力時代には重要な存在。・・・なのだけど、あれ、コーナーで待って3P打っている。先日のデッドモンの記事でも書いたように、この手の機動力センターを連れてきては何故か3Pを打たせていくホークス。そりゃないいだろ、と思ったのですがなんと3Pを2/3決めたレン。その代わりリバウンドがとれていない。
意味があるのかないのかよくわからないのですが、とりあえずセンターまでコーナーに開かせて3Pで攻めていく姿勢を出したホークスです。でもブーゲンフォルツァー時代と同じじゃないかという。
◉グリズリーズの追加事項
チームとしての注目度は低いのですが、渡邊雄太の加入もあって早くも2試合目の登場となるグリズリーズ。印象は前回と同じ。上手すぎるコンリーがいるとオフェンスが組み立てられるけど、ベンチに戻るとチームとしては酷い酷い。ちょっとシャレにならないぜ!
そんな中でベンチメンバーで孤軍奮闘したのがマーシャル・ブルックス。3P3本を含む7つのシュート全てを沈めて18点をとりましたが、本当にほぼ個人技。
この選手は昨シーズン終盤にグリズリーズで7試合に出場。27.5分のプレータイムで20.1点、3P59%という驚異的なスタッツを記録しています。若いときにNBAにいたけど定着できず、4年ぶりに戻ってきて凄い成績を残しました。なので、プレシーズンで18点とっても驚くことは何もないくらい。
MarShon Brooks shows off the handles for the @memgrizz!
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— NBA (@NBA) October 6, 2018
問題なのはビッカースタッフHCは主力とベンチを明確に分けて起用し、やっている内容も安定しないし、何をさせたいのか、またはチームに個人がフィットするのかを試そうとする様子がないこと。8人ローテで戦うのかと言うくらい。カスピだって主力と混ざることはなく。
コンリーがいるスターターはボールムーブをしっかりして、コーナーまで広く使いながらチームとしてやりたいことがわかりやすいのだけど、渡邊雄太にポストアップさせているし、ちょっとまぁアレなんだよな。
ロケッツ戦であまり記憶になかったけど、この試合で連発したのがガソルとジャマイカル・グリーンのコーナー3Pでした。特にジャマイカル・グリーンは3P3/5とヒットさせます。要するに渡邊雄太にもこれをやらせたいわけですが、2本とも外してしまった。
このコーナー3Pがガソルに打たせるためにフレアスクリーンをかけたり、ガソルがドライブしてキックアウトした先がジャマイカル・グリーンだったりと、インサイドのディフェンダー泣かせのセットになっています。ビッグマンはスクリーンをかけられると苦しいんだよね。
非常に巧みに出来ていたグリズリーズのビッグマン3P。ただし、ガソルの3Pがいまいち決まらず負けた昨シーズンのことを忘れてはいけないよ。
◉両チームのコーナー3P
さて、これを書いている時点で動画が見つからなかったので割愛しますが、ホークスとグリズリーズは同じ事をしていました。
・ビッグマンのコーナー3P
・ビッグマンのプレーメイク
前者はレンとグリーン、後者はコリンズとガソルです。
このプレーで出ていたのが、ディフェンスからすると2人のビッグマンを共にアウトサイドに引き出されてしまいヘルプシステムが機能しなかったこと。渡邊雄太も1本決められましたが、逆サイドからのカットインに対してコーナーをフリーにしてでもヘルプに行く役割でした。
ちょうど良い動画がないのですが、グリズリーズは明確に逆サイドからでもマークを捨ててヘルプに出ることを志向しています。その割にはカバーのローテーションがないのでした。
オフェンス面では「止めにくいプレー」としてビッグマンのコーナー3Pを活用し、ディフェンス面では実際に全く対応出来ていません。矛と盾で矛の方が上回っている両チームでした。
考えようによっては「コーナー3Pを確実に決める」ことで渡邊はチャンスを掴めるし、「PFとしてプレーすることが求められている」とも言えます。ディフェンスの利点がなくなるので、あまり意味ないんだけどね。
渡邊雄太がグリズリーズの一員としてホークスとのプレシーズンゲームに出場! #NBA #NBAjp #YutaWatanabe #渡邊雄太 @wacchi1013 via @memgrizz pic.twitter.com/clxnGKkVln
— NBA Japan (@NBAJPN) October 6, 2018
◉渡邊雄太
グリズリーズのベンチメンバーが酷すぎて、殆どプレーメイク出来ておらず、全く参考になりませんでした。とはいえ、3P2本打つチャンスがあって決まらなかったのだから、アピール失敗。肩のケガで出遅れましたが、まだ感覚が正常に戻っていないような雰囲気です。
そしてグリズリーズは主力とそれ以外で区分けられており、ロールプレイヤータイプの渡邊にとっては非常に難しい環境です。幸いなのはディフェンスの良い選手を集めたと言う割には、そのディフェンス自体もあまり上手く行っていないこと。成績が全く揮わないことを願いましょう。
おそらくチャンスはまだもらえるでしょうが、オフェンス面ではアピールする方法すらないような雰囲気。どうにもこうにも頭が痛いぜ。
レンは昨シーズンの最終盤に3P打ち始めました。当時はヤケクソかと思いましたがその時から3P武器にしようと思ってたんですかね。あまり意味がない気もしますが。
あれでオフェンスリバウンドにも飛びこみまくるなら意味もありますが、トランジションディフェンスに備えるくらいならレンの必要性がないと思っています。
渡邊には無茶振りかもだけど、やっぱ1本は決めて欲しかったですね…
それぐらいしないとNBAでは生き残れないかもですし
とにかく頑張ってほしいです
決めるチャンスがあっただけラッキーでしたからね。その1本が未来を左右します。
Welcome to the posterization in NBA! この歓迎は忘れられなさそうです。
これが魔人の巣窟、厳しい世界の第一歩。とにもかくにも応援してます。
あのシーンの一瞬前に
「おっ!ブロックチャンス」
と思ってしまったのですが、甘くなかった!