17-18シーズンプレビュー ペイサーズ編

ポール・ジョージを放出したペイサーズ。裏切りとも捉えられるけど、グレンジャーを放出した話やキャブスへのトレード話、そして補強に舵を切らなかったのだから仕方ない。カーメロまで獲得したサンダーと比較したらもう。
ついでにティーグも失います。まぁ残ってても未来はありません。
後付けですがCJマイルズはトレードで、モンタ・エリスもバイアウトしたので、完全に前を向く事にしました。
出場時間トップ6のうち4人がいなくなりました。



ポール・ジョージありきだったけど
昨シーズンからペイサーズは変化を始めていました。それはビッグマンをやめてルーキーシーズンに活躍したマイルズ・ターナーをセンターに据えた機動力重視のラインナップです。
ポール・ジョージの獅子奮迅の活躍でプレーオフに進むと、キャブスを苦しめました。4連敗したけど逆転ブザービーターがリングに嫌われたり、大量リードをベンチに逆転されたりと惜しかったのも事実です。
そこで活躍したのはまさかのランス・スティーブンソン。各チームで失敗したのにペイサーズでは活躍する謎です。
結局のところ、機動力重視にした時に中外問わず動くウイングを多くしないと意味がなかったといえます。ポール・ジョージはヘイワードを希望しましたが、そんなチーム構成を早くからとっていれば残っていたかもしれません。
ペイサーズの失敗はロスター構成の失敗でもありました。



ターナーを活かさなければならない
そんなシーズンを終え、エースを失い、よりターナーを活かす必要があります。でもスターを獲得するのはムリです。
そこでペイサーズは標準以上の選手を多く集める方針にシフトしました。
PG コリソン、ジョセフ
SG オラディポ、ロビンソン三世
SF スティーブンソン、ボグダノビッチ
PF ヤング、サボニス、(TJリーフ)
C ターナー、ジェファーソン
サボニスはTJリーフに目処が立つならばセンター起用、というかPFダブル起用にしそうです。
他にも若手を集めていますが、それなりに経験も積んでNBAでの立ち位置も定まってきて計算出来る選手達です。
スターにはなれないけど、長くリーグに残れるレベルにはある選手ばかり。



多少の例外はあるものの、
・個人のディフェンス力がある
・25分10点にアシスト+リバウンドで8が期待できる
・中外両方の得点パターンがある
・アンセルフィッシュだけどシュートは積極的に狙う
こんなプレーヤーばかりを集めました。つまり役割が固定化されていた昨シーズンと違い、柔軟性がありつつ、誰もが主役としてプレーすべきチーム構成を目指しました。リクルートが弱いカレッジみたいなバスケです。



ターナーを活かすと言いつつも、個人で打開するようなタイプではありません。全員が動く事で全体の機動力の優位性を活かしたいわけです。
ボグダノビッチだけはシューター寄りですが、他の選手は外から打てばドライブも多用します。打開力には欠けるけどフィニッシュ力はあり、パスはするけどシュートを譲るわけでもありません。
スターがいないため、スターを活かすような特定のスペシャリストではなく、オールラウンダーを複数用意する戦略を選んだといえます。スティーブンソンはPG的に振る舞うなど、ポジションレスを推し進めるメンバー構成でもあります。
対戦相手、マッチアップによってメンバーを変えられる事になります。その一方で自チームの組み合わせにはあまり悩まないで良いため、非常に柔軟性が高いといえます。
今日はここのマッチアップで勝てるぜ! という作戦を取りやすいわけです。



昨季と比較する
◯FG% 46.5%(10位)
◯3P% 37.6%(4位)
◯EFG 51.6%(13位)
目指そうとしているのはこのラインで、3Pは増やしてEFGを上げようとしています。
ルーキーイヤーだったサボニスだけは怪しいですが、全員がクリア出来そうなラインだという事もポイントです。
ポール・ジョージがいなくなったのに、チームのEFG%が上がる事を夢見ていると予想しています。



サンダーやウルブズが大型補強したものの、少なくともシーズンではウォーリアーズやスパーズが上に行くと予想されています。
ウォーリアーズ、スパーズ、セルティックスはスターがいながらも、チームで戦う事を重視しています。ベンチメンバーでも質を落としません。ロケッツも突破の部分はハーデンだけど、全員が連動しています。
また3Pをどうやって活用するかは大きなテーマであり、選手全員のシュート力の有無で戦術が大きく変わってくるようになりました。
ペイサーズのとった戦略は、1.5軍レベルでシュート力がありチーム戦術を徹底出来る選手を集めました。上位チームからスターを除いたメンバーともいえます。



まとめ
目標 プレーオフ出れたら超ラッキー
◆ストロングポイント◆
オールラウンダーを揃えた選手層
柔軟なマッチアップが可能
◆ポジティブポイント◆
シュート力のあるチームオフェンス
手を抜かないディフェンス
低い期待値と高そうなモチベーション
◆ネガティヴポイント◆
スター不在
インディアナだからこの先もスターは定着しないよ。そう割り切ったようなチーム作りにもみえます。
ラグジュアリータックスをバンバン払うならともかく、優勝はおろか勝ち越しすら難しい状況において、どうやったら良いチームが作れるかを思考した結論なのでしょう。
こんなチーム作りは流れに乗って成功すれば継続性もあります。サラリーの高騰が続く反面、二極化もしてきたので、5ミリオンから10ミリオンくらいの価値があるプレーヤーは適正サラリーを受け取り難くなってきました。
そしてペイサーズにくれば主力として期待されるイメージがつけば中堅どころを捕まえやすくなります。
ある意味シーズン通した実験が行われようとしています。



表記として分かりやすくオールラウンダーと書きましたが、一般的に使うオールラウンダーとは少し違います。苦手なものが少ない、という程度の捉え方が正しいかもしれません。
ポール・ジョージはオールラウンダーです。レブロンを抑えるディフェンス力、ドライブしての力強いフィニッシュもあれば、外から射抜くシュート力、フリーの味方へのパスも秀逸です。ある意味、全局面で相手を上回る能力があります。
今期のペイサーズメンバーは、全局面で上回れない代わりに、上回れる局面を選択できます。相手のディフェンスを物ともせずシュートを決める事は出来ないけど、シュートが打てないならドライブ出来るし、それもダメならパスも出来ます。そうやって5人で少しずつ崩すわけです。
最終的に誰が打つかわからないので、誰もがシュート力があるのも大切です。



メインはツープラトンで戦うのか、相手によってスターターを変えるくらいに柔軟に戦うのかは始まってみないとわかりません。HCも両面で考えているかもしれません。
元々、ディフェンス力を売りにし、確実性の高いシュートを選択する戦術を志向してきたので、戦術面は問題ありません。
試合の状況に合わせた選手起用があたればプレーオフだってあり得ると思っています。ただ最近のペイサーズは起用は外している事が多いイメージです。
プレーオフでればコーチオブザイヤーは目の前です。



そんなわけでペイサーズに注目しているわけは、
スターがいなくてもチームバスケをすれば世界最高峰の舞台で勝てるのか?
という実験が行われるからです。
スターがいないとはいえ、スタータークラスの選手が多く在籍しており、効率性に優れていそうな選手集めているので、日本代表の参考になるかといえば微妙ですが。
カギを握るのはディフェンス力だと思います。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA