ファイナル第3戦を振り返る(仮)

ロケッツ目線はもう飽きた?

 

ダン君 ロケッツ贔屓。ひがみっぽいオジサン

ブラッド君 セルティックス贔屓。ただの好青年

 

 

ブラッド君

まずはお便りをご紹介します。

 

ディフェンスの良い悪いの見方を教えて下さい。
ファイナル見てると、ウォーリアーズのパス回しからのオフェンスが機能してる様に見えます(パスの回数が少ないのが意外に感じるぐらい)。
ロケッツ戦では7戦通しての印象が非常に攻めにくそうにしていたと感じました。
同じスイッチDFなのに何が違っているのでしょうか。
コミュニケーションミスがあった等は解説聞いてると理解出来るのですが、それだけでウォーリアーズが攻め易くなるわけないかなと思うので。
このままではロケッツの健闘が浮かばれません!
よろしくお願いします。

 

良い悪いの見方は難しいですが、ウォーリアーズのオフェンス目線という視点で考えた時に、ロケッツ贔屓としてはいかがですか。

 

ダン君

ロケッツはスイッチディフェンスをシーズン通じて、もっといえば昨シーズンから磨いてきたからな。「コミュニケーションミス」というと、もちろん「ミス」なのだが、ウォーリアーズのオフェンスはそんな「ミスを誘発させる」事が得意なオフェンスだ。

だからミスを減らす努力をロケッツはしてきたし、ミスを利用する術をウォーリアーズは磨いてきたといえるな。

 

ブラッド君

ちょうどビズデリックがそんな事を話していましたね。

ウォーリアーズオフェンスを相手にするときは3つの穴が空いているボートに乗るようなもので、それを2つの栓で埋めていく作業を繰り返す。

必ずどこかに穴は空いてしまうけど、それを素早く埋めていく作業を繰り返すのが重要と言うことでしょう。

 

ダン君

優先的に埋める穴を間違えてしまう=コミュニケーションミス

こんな構図で考えればミスなのか、ウォーリアーズの良さなのかわからなくなるな。ただ、ロケッツは2つの栓をもっているが、キャブスはいくつの栓をもっていると思うかい?

 

ブラッド君

1つだけです。

 

ダン君

同じスイッチといっても実質は全く違うわけだ。とはいえ、キャブスも動けるメンバーを揃えてきたな。デアンドレ・ジョーダンがいたら大変なことになっていただろう。

ビズデリックにはカペラの話も出ていたが、カリーに3Pを打たせない上で2Pも苦しくさせる事が出来るセンターはカペラがリーグ最高だろう。

 

ブラッド君

第2戦ではラブとナンスがカリーに3Pを打たれまくりました。そこでは「3Pを止めるのか」「ドライブを止めるのか」という優先順位がチームとして共有されていない印象がありました。

もしくは「3Pを止める」ことが優先順位だとしたら、メンバー構成を明らかに間違えています。トリスタンは予想以上に良いディフェンスをしていますが、クラウダーがいたら全く違うディフェンスになっていたでしょう。

 

ダン君

そういうことだな。ひとつの見方としてはオフボールの動きの中で、カリーのマッチアップがどうやって変更されていくかに注目すべきだろう。その時に注目すべきはスイッチが発生したときにカリーについて行く選手ではなく、入れ替わる方が選手がスムーズに受け渡しているかだ。

それはロケッツとて簡単ではなかった。第2戦の1番初めのJRスミスは非常に良い例だ。どのタイミングで受け渡すか理解していないからマギーがドフリーになっている。

 

ブラッド君

しかし、このブログでたびたび指摘しているのは、ウォーリアーズがスクリーンをしっかりかけていないことでした。ベルとルーニーによりカリーのコーナー3Pが生まれていますが、全般的には不足しています。スイッチ前提のディフェンスでなければ苦しいかはチームの考え方次第です。

 

ダン君

その通りだな。ロケッツはハーデンやゴードンもいる中で、ベストの選択肢としてオールスイッチを選んだまでの話だ。そしてシーズン中にウォーリアーズ相手に素晴らしいディフェンスを魅せたチームが他にもあったな。

同じくスイッチするもののウエストブルック、ロバーソン、ポール・ジョージという悪夢みたいな3人で対応してくるサンダー。そしてスイッチを前提としないが、ローテーションが非常に上手いセルティックスだ。

 

ブラッド君

字面だけでいえば、デュラントをブラウンが消したわけですが、その前提にあるのはスイッチしていない事になるわけです。

そしてカリーvsアーヴィングの伝説的な打ち合いになった試合がありました。この両者に注目が集まりますが、実質的には他の4人を押さえ込む故にカリー勝負になった印象です。

 

 

ダン君

ハイライトで観ると意外とカリーvsアーヴィングになっていないな。

ただ序盤に出てくるカリーの得点シーンでアーヴィングのディフェンスは何をしたいのかわからないな。ルーズな部分が多すぎる。途中からロジアーとラーキンになってもカリーはシュートを決め続けているが、2人ともルーズなわけではなかったな。

 

ブラッド君

カリーの方は抜かれた後に他の選手を守りに行く場面もありますが、アーヴィングの方はカリーしかみれていません。対人能力のディフェンスだけでなく、ローテーションの早さやオフボールでの立ち位置などでカリーの方が上回るディフェンス能力です。

来シーズンの課題です。

 

ダン君

「NBA選手だからと完璧に!」考えてしまうが、これだけのローテを正確にこなすのはほぼ無理だろう。その意味ではウォーリアーズにイージーシュートをやられてしまうのは致し方ない。あとは程度の問題とリスクマネジメントの問題でしかない。

この手のディフェンスが上手い選手を集めるのはGMの重要な仕事だろう。

 

・・・・・・・・・・

 

ダン君

このままではディフェンスの話だけで終わってしまうな。

 

ブラッド君

キャブスは基本的にウォーリアーズの動きについていけず、3つの穴のうち常に2つが空いてしまうわけです。しかし、ロケッツやセルティックスも1つは空いてしまいます。それでもリスクマネジメントするという理屈は簡単そうで非常に難しく、キャブスが出来なかったからとはいえ否定するほどではありません。

 

ダン君

ファイナルという舞台である事を除けばな。

 

ブラッド君

そこで気になるのはロケッツが残り1つの穴を塞ぐためにどうしていたのかという部分です。

 

ダン君

ドレイモンドとイグダラ、ベルとルーニーをフリーにすることだ。ノンシューターのマークマンはヘルプに出つつ、この4人にイージーシュートは許さないローテーションが重要になる。

 

ブラッド君

ドレイモンドだけは上手くドライブするシーンがありましたが、ベルとルーニーが困るシーンが多くありました。しかし、ファイナルではこの2人が困るシーンは非常に少なくなりました。その差がローテーション力という見立てですか。

 

ダン君

そうだ。フリーにしても怖くない選手から優先的に空けていくしかない。ただしゴール下に飛びこまれたらイージーシュートだ。ボールを持っても打てない位置で持たせることだ。

 

ブラッド君

その対応は上手くいったものの、困ったのはカリーがコーナーに移動して打つ3Pでした。あれはカリーの特殊能力でもあるので、ノーチャンスでした。

 

ダン君

できる限りボールマンのパスを潰していただろう。そもそもカリーのドライブに対して過剰なヘルプは用意していないので、キックアウトされない守り方が出来ていた。しかし、ルーニーとベルは空くのでカリーが一度ボールを預けてコーナーに移動されると苦しくなってしまったな。

 

ブラッド君

やっと第3戦の話にしますが、カリーの3Pが全く決まりませんでした。

第2戦では「3P9本よりも、その前のパスが重要だった」と結論づけましたが、第3戦は逆に3Pの前を押さえた印象がありました。

 

ダン君

出だしにマギーが弱気だったこと、キャブス側が簡単にはコミュニケーションミスをしなかったこと、デュラントへのパスをスミスが2本カットしたこと。

総合的に観てキャブスのディフェンス戦略が成功した形だったな。

 

ブラッド君

イーストプレーオフの中で、キャブスが多用してきたディフェンスはボールマンへ2人でプレッシャーをかけてパスを促すような守り方でした。じゃりさんが詳しく触れられているオラディポを巡る戦術的攻防です。

https://medium.com/the-chewing-gum/

 

ダン君

これは第2戦でも似たような形をトライしようとして、先にパスを捌かれていたな。

 

ブラッド君

映像検証をじゃりさんにしていただかないとわかりませんが、第3戦では特定の形が目立ちました。

それはカリー→ドレイモンド→マギーという形です。カリーに仕掛け、ドレイモンドにパスを出させ、ドレイモンドはドライブからマギーへアリウープを通しました。

 

ダン君

そのプレーは何度もあったが、かなりギリギリだったな。アリウープパスは不要だったと思うが、何とか押し込んだマギーだった。ベルは少し失敗していたな。

そう考えると僅かな差で失敗したものの、ドレイモンドとマギーという2人にプレーを促し、なおかつ第2戦のように直接マギーにはパスが出てこないプレーだったということか。

 

ブラッド君

キャブスベンチの勇気ある決断でしたが、第2戦で失敗した作戦を修正して第3戦でも使ってきました。第2戦の内容がおそ松さんだったというのか、第3戦が良かったというのか難しいですが、結果だけをみればカリーのリズムを大きく乱すことに成功しました。

 

ダン君

カリーがボールキープするとろくな事がないが、その理由にキャブス側の仕掛けも関係していたという見方か。マギーのアリウープ連発だったが、カリーの3Pを消したのだから作戦として失敗とは言いがたいな。

 

ブラッド君

カリーをハーフライン近くまで押し戻し、パスが出る先は必ずドレイモンド

そこがハッキリしているので、ディフェンス側も遅れてマークに行けますし、そもそもドレイモンドが3P打ってくれるなら悪くないチョイスです。ただし、マギーに関しては早めのローテでレブロンが潰しに行っています。

誤算だったのはドレイモンドが予想よりも判断が良く、マギーが思ったよりも高かったことかもしれません。もっとも1Qはマギーがレブロン相手に外すシーンも多かったので、総合的に鑑みればキャブスの策は成功したといえるでしょう。

 

ダン君

ロケッツは基本的に全てを守る中で、リスクの高い穴から消していった。

キャブスは守ることは出来ない代わりに、大きな穴に誘導して守ろうとしたと言うことか。

 

ブラッド君

そうです。ある意味ドレイモンドとマギーというオフェンスの弱点を狙いに行ったといえます。

 

ダン君

まぁ他の3人にプレーさせるよりは遙かにマシだな。

 

 

・・・・・・・・

 

ダン君

カリーは完全にリズムを失ってしまい、セレクションも悪くなり、無理矢理打っていったわけだが、きっかけを作ったのはキャブスのディフェンスでの仕掛け。懐かしのカリー潰しまではいかなかったが、対抗策はわかっていたわけだ。

 

ブラッド君

第1戦のラストプレーが勿体なかったわけですが、この考え方だと第2戦の仕掛けのミスも勿体なかったです。第2戦でもドレイモンドにパスを出させる形にしてしまえば、少なくとも3P9/17はなかったです。

 

ダン君

後手を踏んでいるというか、対策への対処が遅れたという感じだな。もっともシーズン中からトレーニングを積んでいれば、第2戦の惨状はなかっただろう。

 

ブラッド君

しかしウォーリアーズが突然の変化に困ったことも事実です。その一方で積極的な仕掛けはキャブス側の体力を奪ったのではないでしょうか。

 

ダン君

ペイサーズでは評価しがたかった部分だな。あれだけディフェンスで動いたら疲弊するのが普通だ。

 

ブラッド君

後半のキャブスはFG35%、3P17%、5オフェンスリバウンドでした。

 

ダン君

ディフェンスで疲弊したと言い切れるわけではないが、ウォーリアーズのディフェンスが著しく良くなったわけでもないからな。もっとも、後半に失速するのはシリーズ通じて言えることだった。

 

ブラッド君

そしてファイナルに限らず後半に失速する傾向があります。

 

ダン君

ホームに戻って調子の良かった1Qにリードを奪えなかったのが響いたな。そこにいるのはデュラントというわけだ。

 

 

・・・・・・・・・

 

外出するのと意外と長くなったので、ここまででいったんアップします。続きはデータを観ながら後日。

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイナル第3戦を振り返る(仮)” への6件のフィードバック

  1. キャバリアーズを見ているとロケッツのディフェンスの固さがよくわかりますね。
    個人でもチームとしてのレベルが違います。
    KDのアシストが増えている要因の一つですかね?

    1. KDのアシスト数は気になりますね。

      ロケッツがいかに優れているかを晒してくれているキャブスです。

  2. おい!!ルー

    結局フッド使うなら最初からクラークソンなんか使わないでくれよ

    もしスイープされたらレナード無しサンアントニオよりも弱いってことになるぞ

    お前はレブロンを信じ続けるとこだけ偉いよ。けどJRも信じ続けるからプラマイゼロだけどな

    このブログ読め

    お前とフッド顔面白いんだよ

    大好きなんでルー君の参加希望します。

    1. レナードなしスパーズ > キャブス > ラプターズ

      凄い構図だな・・・。

      ファイナルの最後の試合が終わったらルー君とカー君にしましょうか。

  3. すいません 少しオフトピックになるのですが、オフシーズのどこかでフリーエージェントについての記事を書いてもらえませんか?
    フリーエージェントには制限付きとか完全faなど種類がありますが複雑すぎてよく理解できないんです
    一考お願いします🙇🏻‍♂️

    1. ブログを書いていくと「全員知っているでしょ?」みたいな事項が多くなって前提を省いていきます。
      ファイナルも終わればリセットしてゼロベースでスタートしたいので、そんな記事も書いていきたいです。

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