2017 ファイナル第2戦 データ編

データを使って試合を振り返ります。なお、試合の印象は

「キャブス側が対策よりも今季の自分達のバスケを重視し早い展開に踏み切った。それは通用したけど展開の早さには絶対の自信があるウォーリアーズがスタミナで上回った」

です。点差は開いたけど第1戦ほどの力の差は感じなかった、でも第1戦よりも勝機もなかった。




キャブスの改善事項

自分達の展開を重視したキャブス。いくつかの数字が改善された。

FG35%→45%
アテンプト 86→100
アシスト15→27
ターンオーバー 20→9
(被スティール12→5)

しかし、これは同時にウォーリアーズの数字も改善させてしまった。

FG43% →52%
アシスト31→34

なお、ウォーリアーズはリバウンド数が50→53と増えたのに対し、キャブスは59→41と減っている。その主な要因はラブのディフェンスリバウンドの減少であり、もっと辿ればウォーリアーズのシュート数の減少でもある。
キャブスはディフェンスを頑張り、ウォーリアーズからターンオーバーを引き出した。

スティール 0→15
ルーズボール 6→15
(被ターンオーバー 4→20)

報われない話なのだが、スティールが増えた分リバウンドが減っているので、マイボールに持っていけた回数は殆ど変わらなかったわけだ。(現実は違うけど)スタッツだけでみればキャブスは一発狙いのディフェンスになってしまいイージーにシュートを決められたとも解釈出来てしまう。

まぁ速攻の得点が9→30なのでプラスにはなっている。と信じたい。



キャブスは第1戦よりも21点多く取れた。最大の理由は速攻。合わせてペースアップ。

102.5→108.5と6回もオフェンス機会が増えている。この数字はキャブスからするとプレイオフで最も早いペース。なお、2位は第1戦。
でもウォーリアーズからみると2番目に早く、第1戦は普通くらい。(ただし極端に遅いジャズとの4試合も含めての話)

つまりキャブスにとっては通常よりもかなり早い展開であり、ウォーリアーズにとっては通常レベルだった。
それはレーティングにも現れた。キャブスからみると(プレイオフ平均)

オフェンス 105.3 (120.7)
ディフェンス 120.5 (104.1)

ディフェンスは平均より悪い事も問題だがそれ以上にウォーリアーズのオフェンス平均は115.8だったから、ウエストの各チームよりもキャブスは守れていない事になる。

レーティングの視点からはキャブスのディフェンスが機能していなかった事になる。特に後半にやられた事からスタミナ面を考えると第1戦くらいのディフェンスでリバウンドを取る方が効率的かもしれない。



復調したクレイ・トンプソン

見事にカムバックしたトンプソン。カムバックといえばスティーブ・カーHC。相関性があると思うのだけど、それは本人達にもわからないかもね。
復調の最大の理由は単に打ち続けただけだと思う。でもシュートが入った事はともかく外し方は全然違ったよね、と感じたのでデータを調べてみる。

トンプソンの止め方はキャッチしたポイントには厳しくチェック。ゴール下までのドライブは仕方ないけどジャンプシュートはさせない。ゴール下にはリムプロテクターが待ち構えている。確率が悪い試合ほど中で打たされている変わり者。

でもこの試合ではそんな場面は訪れなかった。

アテンプト 12本(3P7本)
ショットクロック
6秒以内のシュート 8本
6秒以上のシュート 4本(全て3P)

全てのシュートがボール保持から2秒以内

ドリブル0回 9本
ドリブル1回 3本

つまりアーリーで迷わず攻めている。セットになるとインサイドへのドライブをしていない。全て3P。
後半にはかなり遠くから打って悔しがってたけど、あれは狙いのシュートだったのだろう。
偶然的な要素としてグリーンのファールトラブルもあり、デュラントかカリーと一緒に出る時間が増えたためファーストオプションにならなかった。ムリなドライブ不要。



そしてトンプソンだけでなくチームとして変えてきた内容でもある。
3Pアテンプト41本
(プレイオフ平均31.4本)

ゴール近辺でのシュートミスは前半に3本。後半は0だ。トータルで17/20。第1戦はペイント得点が多いとはいえ25/45なので効率が悪いと判断したのだろう。キャブスのブロックは1本だけに終わった。



ケビン・ラブしか攻め手がないのか。

感想でもっとラブに渡すべきとしていたが、そんな印象とは違いスタッツではラブのシュート占有率が高かった。31.4%とキャブスでは最も高い数値だ。

68回のボールタッチで42のパスをしたにも関わらずアシスト0はウォーリアーズがヘルプを使わなかった事に由来するのだろう。

ラブはアシストの少ない選手だが、ウルブズ時代は4.4なんて数値も残している。決して下手なわけではない。合わせられなかったのか、合わせる必要がなかったのか。どちらも正解だろう。

レブロンは29点14アシストといつもの活躍。ちなみにジョーダンやコービーと比較されるがコービー派なので賛同しかねる。あまりレブロンは好きではない。その理由がこの試合のスタッツに現れていた。

29点のうち17点が速攻。4点がフリースロー。ハーフコートでは9点しか決めていない。アーリーでハーフラインくらいから勢いをつけてスピードとパワーが出せる状況で無類の強さを発揮するが、シュートチャンスを作り出す点ではあまり効果的ではなかった。
14アシストは素晴らしいのだが、得点に困った時に積極的に打っていかないのは、かつてコービーにも指摘されてたな。

シャックがレブロンを「シャックとマジックとジョーダンのミックス」と発言したらしいけど、今までで1番しっくりきた。シャックっぽいんだよね。特定のシチュエーションで無類の強さを発揮するところが。



話を戻すとラブのポストをもっと効果的にする手段を考えるのも1つの手だ。身体を張りまくったポストは消耗も激しいはずなので、前半にピック&ポップで決めたようにツーメンゲームを組み込んだり、フライを使って外を空けるような動きも必要だろう。
レブロンとラブの距離感はプランによって変わってくる。後半は遠いのにパスしてたな。

キャブスは22本の3Pをフリーで放ち27%しか決められなかった。



同じ早い展開で別のアプローチをした両チーム

第1戦の反省から早い展開を選択したキャブスはリングへアタックした。アタック出来ている時間は接戦となったが体力がきれた。またアタックからキックアウト3Pの展開にならなかった。
早い展開大好きウォーリアーズは外から打ちまくった。そして空いたインサイドを効率よく攻める。ある意味第1戦の利点を逆手にとった。



キャブスが勝つには?という質問の答えは簡単で3Pを決めろ!に尽きる。打っているけど決まらない。打たない方が接戦。
基本ラインは積極的に打って、オフェンスリバウンドをトリスタン・トンプソン、ラブ、レブロンで拾いたい。

打って空いたらドライブ。ってコレはアーヴィングの好調時そのもの。外を決めて空いたらドライブは怖いけど、ドライブして外が空いたら打つアーヴィングは怖くない印象がある。2戦ともキックアウトを封じられているので打つ事から始める必要がある。ちなみにキャブスはドライブ。ウォーリアーズはパスでインサイドを攻める。

早い展開よりもアーヴィング、レブロン、コーバーのアウトサイドが単純に決めていく事が大切だと思う。それが決まらないから早い展開にしたわけだが、それはウォーリアーズペースだった。

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