ネッツの未来はどこにあるのか

1巡目指名権を5つ保持し、そのうち3つをPG獲得に使い、1つはSG、1つはポイントセンターという極端な指名をしてきたネッツ。ただし、PGのデミンは203センチ、サラフも198センチで共に91キロ。SGパウエルは196センチながら213センチのウイングスパンと、トラオレ以外はサイズのデメリットが小さい選手ばかりを選んできました。

ネッツのドラフト戦略はサンダータイプの路線へと舵を切り、マルチポジション並べを実行するのだと予想されました。複数のハンドラーでオフェンスパターンを多彩にしていくのはペイサーズのダブルPGにも似ているし、ファイナルへ進んだ両チームを参考に新たな路線へと未来を描いていくことにしました。

・・・と思ったら、開幕すると驚くほどにしっかりとプレーコールされていました。つまり、各ポジションの動きが定義されているので、多彩なオフェンスパターンではなくて「正確で整理されたオフェンス」という印象です。普通のチームであれば何の問題もないどころか、かなりしっかりと構築しているのでポジティブな印象なのですが、マルチポジションである必要性が薄く、ドラフト戦略との乖離が強く出ていました。

それから2か月。やっていることは変わらないのだけど、次第にルーキーたちの役割も増えてきたし、各選手それぞれに成長がみられるようになってきました。加えてMPJはオールスターレベルのプレーを続け、クラクストンはおバカな部分が消えてグッドプレイヤーになっています。

かなり驚きの変化を見せたし、あまりにも上手くいっているので「この路線を続けるのがネッツにとって最善なのではないか」とすら感じるようになってきました。「もっとルーキーを使え」が自然な意見なのですが、むしろ各選手にミッションを与えて少しずつディベロップメントさせているのだから、着実な歩みとして評価したくなったわけです。

◎基本路線

HCジョルジ・フェルナンデスは、各選手の特徴を混ぜ込んだプレーコールを用意してくるタイプです。そのため戦術MPJを基本としながら、そのプレーはMPJ用でしかセットされず(キャム・トーマスにもセットされるが)他の選手がメインの時は異なるプレーがセットされます。

選手の得意なプレーを使うために「自由にやらせる」というタイプのHCは多いですが、フェルナンデスは得意なプレーを使うために「プレーコールを作り上げる」というタイプの珍しいHCです。多くの場合はエースのためにプレーが作られるし、そのプレーに合ったロールプレイヤーを揃えてきます。これだけマルチポジションな選手を集めて実行するのは珍しい。

ただし、言い換えるとマルチポジションの選手が多いならば、各選手用のプレーコールを作っても「自分用じゃなければロール役をこなす」ことにも繋がります。ものすごく気の長い話になるし、どれだけのプレーコールを作り上げる必要があるのか、甚だ疑問があるというか、気の短いNBAのオーナーやGMたちの性格を考えると、普通は採用できない戦略です。ドンチッチすら放出するマブスだったら絶対にムリさ。

言ってしまえば、この路線は「継続」こそが命です。見ている方も2か月といえども「継続」されたことで、初めて気が付くことも多かった。選手の良さを生かすといえば聞こえがいいけれど、個人としても成熟しなければ良さを生かすも何もないし、チームとしてはすべての選手を活かすなんて無理難題過ぎる。だからこそ時間は大事。継続する時間こそがネッツの未来になってきます。

ネッツの未来はどこにあるのか” への2件のフィードバック

  1. あんまり関係ないけど、ネッツ6勝とか聞くと、ピストンズの28連敗ってとんでもないことだったんですね。

  2. なるほど、やはり高度というか専門的なオフェンスをやってるのですね!
    12月29日現在、さらにチームオフェンスの有機的な繋がりが増してきたような…。後半になれば各チーム、強度も上がってくるのでしょうが。
    ヘッドコーチがフェルナンデスに変わった時に「お、スターより戦術で戦うタイプだな」と記事を見て思ったものですが、こんな短時間にドラフトの不安を解消してかかるとは思いませんでした。MPJの「価値」が「当時のKDクラスだ」と感じています。
    ネッツのこともそうですが、また各チームのディフェンスなんかについてもいつか解説願います!(チームディフェンス構築は、すごく時間がかかると聞くので)

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