1029　ロケッツｖｓラプターズ

なんかよくわからない自チームに嫌気がさしたのか、パートルがお休みのラプターズ。本日はコリン・マレー・ボイルズをスターターセンターにおいて、サイズとウイングスパンと機動力だらけの布陣にしてきました。これで守れない選手ばかりというヘンテコラインナップでもあります。

ロケッツはスーパービッグラインナップを辞めて、空いた枠にオコギー。普通なら成立しないのですが「オフェンスのための」スーパービッグになっており、スピード不足過ぎてゾーンしかできないディフェンスになっていたので、「ディフェンスのための」オコギー起用です。理にかなっているという不思議な状況。

試合は何人目かのデュラントだった過去を持つイングラムが押し込んでのフェイダウェイに、パスアウトを受けての３Ｐで始まります。本家が衰えを見せているのに対して、全盛期になっているので、身体能力等では上回っているようにみえるイングラムだけど、本家の方が遥かにシュートが上手いってのは何も変わらない。でも、シュートが決まる日ならば負けてはいけないぜ。

これに対してスッカリとシェングンに主役の座を譲っている本家。流れが行ったり来たりして、開始６分半で３つのタイムアウトが飛び交うシーソーゲームとなります。

◎ラドコビッチ

ラプターズについて、ちゃんと書くのは今シーズン初めてなので、少し振り返りながら見ていきましょう。ラドコビッチがＨＣに就任するとスコッティ・バーンズのおバカさが薄れました。『状況判断』でオートマティックな動きを求めていた前任者のオフェンスに比べて、『積極性』で済むので気持ちよくプレーして成功したような印象でした。

サイズとスピードのアドバンテージを生かしてドライブアタックが実行しやすいスペーシングと、変に３Ｐにはこだわらず、オフボールでもしっかりと動いていくのが「ＰＧはいないが、オールラウンダーが多い」ラインナップにも合致していました。

昨シーズンはケガ人だらけの中で、ディックやアバジといった判断力を持ってプレーする選手が加わり、破壊力には欠けるけど、ペイント内で点を取れるチームオフェンスになっていました。ケガ人が返ってきた中で２つが融合すれば強そうですが、そんな簡単な事にはなりません。平均１２２点とオフェンスはいいようにみえて効率は悪いっていう単なるハイペースチームでもあります。

さて、本日はロケッツがシェングンとジャバリをスターターに並べ、ベンチからアダムスが出てくるわけですが、自分たちにはパートルがいない。だからボイルズは常にスピードのミスマッチだし、そこを絡ませてツーメンゲームすれば、バーンズもイングラムもスピードのミスマッチを使えます。もちろん、クイックリーも同じですが、こちらはアメンやオコギーの存在もあるので、絡めることのデメリットも大きくなります。

しかしだ。ｖｓシェングンでパスコースを探した後に３Ｐを打ってしまうバーンズ。っぽいね。っぽいな。正直、形としては理想的なマッチアップに誘導してのアタック＆展開が期待できるところで３Ｐを打ってしまうのは悪手だし、ディフェンスを崩すというプレーにはなりません。そう、結局はインテリジェンス不足が襲い掛かってくるわけよ。

１Ｑ終盤にマムがドライブを決めたシーンがあるのですが、それはｖｓシェングンになっていたのでスピードで抜き、ヘルプにアダムスが来るところでパスアウトフェイクで動きをけん制してレイアップでした。単なるドライブに見えて、相手の弱みを突いているわけだ。このギャップがラプターズの泣き所。

全員で走って、どこからでもドライブアタックができて、いろんなギャップを使っていける。それがラドコビッチのラプターズだけど、スピードのミスマッチでも３Ｐを打って、ギャップがないところで攻めていくような選手が混じってしまうと意味はない。起用しているラドコビッチが悪いのか、それとも選手のインテリジェンスが改善するということなのか。

ベンチメンバーの方がよく見えるのは単純に「仕掛けるべきスペースで」「仕掛けるべき手法で」アタックしているからなんだよなー。ということで、感想があるようでなかった１Ｑ。上手いところで攻めた時は点が取れるし、そうじゃなければ停滞する。そして守れない。ハイスコアの展開で６点のビハインドで１Ｑが終わります。

そして２Ｑ序盤はフリーになったバーンズがキャッチ＆３Ｐを決めて追い上げたのですが、決まったのをいいことにトランジションでのプルアップ３Ｐまで打って外すバーンズ。ラドコビッチの心の声が聴きたい。