◎ブレット・ブラウンとギャンブラーズ
マッコネルが主力の座を掴めた理由であり、運が良かったのはブレット・ブラウンがHCでスーパーパッシングオフェンスをしていたことです。さらにベン・シモンズ加入で勝ち始めるとシューターを増やしたので、なおさらパサーの重要性が高まっていきました。シモンズ加入でプレータイムは減ったけど、シモンズ加入で自分の存在価値は高まったという稀有な例だ。
『得点力がないガード』というNBAでは必要とされないタイプのはずなのに貴重なPGとして機能したシクサーズ時代。アタック能力に勝るはずのフルツの方が遥かに苦しんだもんね。ドラフト3位の同期入団にも、後から来たドラフト1位にも勝った男。激レアさん。
16-17シーズンは2位に26本もの差をつけてリーグNo.1のパッシングチーム(個人能力が低いから簡単なシュートにいけないだけ)となり、50勝した翌シーズンもリーグトップだったシクサーズとマッコネル。
勝てない時期からチーム戦術のベースを作った立役者
シクサーズが勝てるチームになったのは『マッコネルの存在』なんてことは言えないけれど、シクサーズのベースを作ったのは間違いないです。当時のシクサーズは
・フロントコートのタッチ数がリーグ最多
・1タッチ当たりのボール保持時間がリーグ最少
・1タッチ当たりのドリブルがリーグ最少
・ペイントタッチがリーグ最多
こんな特徴も持っており、ハーフコートオフェンスでもドリブル突破ではなく、パッシングからチャンスを作りまくっていたし、そこには上手くペイントへ侵入しまくる仕組みもありました。ちなみに今のシクサーズはタッチ当たりのドリブルが多くなり、ペイントタッチはリーグ最少とチームカラーは一変しています。
ブレット・ブラウン戦術においてマッコネルはチームカラーを象徴する存在でした。
しかし、主力を長く起用するプレーオフになるとマッコネルの出番は減ります。バイアウト市場からベテランを連れてきた事情もあり、一気にプレータイムを落としたマッコネル。そしてシクサーズはシリーズが劣勢になるとマッコネルを起用し、39分のプレーで19点、8リバウンド、5アシストで勝利する、なんてこともありました。
18-19シーズンにバトラーが加わったプレーオフでは完全に出番をなくしてしまい、そのオフにシクサーズと別れを告げ、ペイサーズへと移籍することになります。マッコネルのハッスルプレーはプレーオフの舞台で更に輝いていたし、それがシクサーズに足りない要素であり続けている気もしてしまいます。
シクサーズで過ごした4シーズンでマッコネルは自分の可能性を示しました。でも、おそらくシクサーズがフルメンバーで戦える健康なチームだったらマッコネルにはチャンスがなかったはず。あるいは”普通の”PGを求めるHCだったらロスターにも残らなかったはず。その2つが重なったレアな環境であったことはマッコネルをNBAプレイヤーにしてくれました。
同時に『苦しい状況でこそ輝く選手』であることもマッコネルの大きな特徴へと変わっていきました。もともと持っていたメンタリティでしょうが、アップダウンが大きかったシクサーズだからこそ、そして自分に出番が来るのはチームが苦しい時だからこそ、マッコネルは輝きは磨かれていったといえます。