タイリース・マキシーでやり直せるのか

◎相棒を考えると

ならば別にハーデンレベルじゃなくても、パサーでゲームを作れるＰＧを連れてくればいいはずです。ルビオみたいな。クリス・ポールみたいな。リラードはちょっと違うな。

ところが、ここで問題にぶち当たるのがマキシーのディフェンス能力です。有り余るスピードを持ち、ディフェンスにやる気もあるのですが、簡単にフェイクにひっかかって抜かれるし、抜かれた後はボールウォッチャーになってしまいます。

もちろん、オフボールディフェンスでもボールウォッチャーになりがちなので、「うっかり」なシーンが出てきます。スピードがあるのでパスが出てからでも追いつくけれど、なまじスピードがあるからパスカット狙いに動いて失敗することもあるしね。

シクサーズ特有の問題としてエンビード狙いのツーメンゲームをされたときに、スクリナーをかわしてマンマークを継続することや、遅れてでもマークマンを追いかけるか、スイッチ⇒オフボールスイッチでミスマッチ解消などを行う必要がありますが、こういう連動系は苦手です。

ただ単に「ディフェンスが悪い」以上に、オフボールでのミスもあるので「使いにくい」タイプのディフェンダーなのです。オフェンスに全振りしてさぼっているタイプじゃないのに、真剣に守っていて守れていない感じがどうにもこうにも。

マキシーの相棒となるＰＧに求められる要素は、こんな感じになってきます。

ゲームメイク能力が高いパサー
マンマーク能力が高く、マルチに守れる
ヘルプ適性があり、スペースを埋めてくれる

はい。かなりのムリゲーですね。ムリゲーというか、なかなかの能力なので必然的にサラリーが上がってしまいます。若いころのクリス・ポールかな。今ならジェイレン・ウィリアムスとかいいかもね。

ハンドラーに求める能力が高いため、マキシーを「主役」にした構成の方が難しい

こんな風に見えてきます。マキシーのためのＰＧを連れてくることを目指すと、そもそも連れてきたＰＧを中心にして考えた方が強くなりそう。「マキシーでやり直せるのか」という題名は、

マキシーという個人に期待する要素は大きくても、チームとしてマキシーとエンビードで作り直すってのは難しそうに見える

という意味です。あるいはエンビードを放出して作り直すならば、ポイントセンターを連れてきたり、マルチウイングを並べてみたりと様々な手法がありそうだし、シューターチックな点の取り方もできるエースとしてマキシーは輝きそうです。

そんな事情も考えてか、シクサーズはマキシーと契約延長せずに４年目を迎えることを選んでいます。ＦＡ市場に出てもマックスレベルの契約を提示されることはないと踏んでいるのかもしれません。実際、今の段階でマキシーをどうしても欲しがるチームってなさそうだよね。

しかし、ハーデンのトレードが現実的ならば、マキシーとエンビードで勝つ方法を考えなければいけません。ひとまずエンビードは無視して、マキシーのために良さげなトレードを考えてみましょう。