タイリース・マキシーでやり直せるのか

スピード × シュート力

マキシーは速い。とにかく速い。スピードもさることながら、一瞬のキレが凄くて、切り返しやストップモーションをされるとディフェンスはキリキリマイって感じです。どうにも止められないスピードの突破から平然とタフなフィンガーロールを決めてくるの勘弁してほしい。

ただスピードだけなら他にもいるけど、ここにシュート力が加わってくるのがマキシーという選手の最大のストロングポイントです。そんなスピードで動きながら、3Pもミドルも高精度で決めてきます。特に3P成功率はリーグ屈指・・・というかトップ。

6本以上のアテンプトがある選手の中で、最も高い3P成功率

42.7%のカリーをも超える43.4%でした。すげーな。シューター以上の成功率に、止められないスピード。シンプルながら強烈な武器はマキシーの魅力です。

オフボールからの3P

これだけのスピードアタックをする選手だと、ダムダムタイプが多く、オフボールの悪さが目立ちますが、マキシーの場合はチーム事情も含めて、しっかりとオフボールで動きます。逆サイドへ大きくスイングするムーブもあれば、パスアウトを受けるために小さなポジションチェンジも行っており、シュートを打つためにボールを呼び込む能力を持ち合わせています。

トランジションへの切り替えの早さ

オフボールではディフェンスからの切り替えの早さと、シンプルなスピードで速攻を生み出してくれます。シクサーズの速攻はおおよそ1/3がマキシーのフィニッシュになっており、ハーフコートがメインのチームに違いを生み出してもいます。

〇1試合当たりの走行距離 2.58マイル
〇平均移動速度 4.31マイル

走行距離は2位のトバイアスに大きく差をつけてチーム内で1位。平均移動速度は30分以上プレーした選手の中でリーグ9位と、NBAの中でも絶えず動き回る選手となっています。

ちなみにシクサーズの走行距離はリーグ26位と「走らないチーム」の典型なのでハーフコートオフェンスが多いのですが、そんなチームにおいてリーグ9位の運動量はすごい。

タフショットになっても関係なく打っていくし、あまりパスをしないこともあってワガママ三昧なエースキャラのにおいがしますが、しっかりとオフボールで仕事を出来るのは、ワガママエースとは違います。周りにハーデンとエンビードがいたらそうなるといえばそうなるのでしょうが、全体が足を止めてしまうことが多いシクサーズオフェンスにおいてマキシーの存在は貴重です。

シンプルながら止めにくい武器
オフボールでも違いを作れる運動量
高確率なフィニッシュ能力

当初はアップダウンの激しさが目立っていましたが、そこは継続して起用されることで改善してきたし、エンビードがいない試合ではボールが多く回ってくるのでエースの仕事をこなしていました。スコアラーとしてはケチのつけようのない選手へと進化してきています。

「スコアラーとしては」ってのがポイントでもあるよね。

ハーデンが加わったことで大きく改善したものの、シクサーズはアシストが少ないチームになっており、固定化されたポジションからのアタックが中心のため、コンビプレーやチーム全体の連動性が低くなっています。そんな中にいてフィニッシュ能力を発揮するマキシーは、なおさらパスは出しにくい。

プレーメイク能力が足りない

単なるアシストではなく、マキシーは純粋なフィニッシャーであり、ゲームを作る能力を欠いてます。シンプルなプレースタイルはいいんだけど、ツーメンゲームはセオリーしかできないし、パスに迷うならば自分で打つことを選択する。

オフボールの能力そのものはあるけど、パスを捌いてスクリーンに動いてボールを貰いなおして・・・みたいな連続性はなく、あくまでも「自分がシュートを打つための動きが上手い」に留まります。シューター的なんだよね。

スコアラーとしては一流になれそうだけど、ハンドラーとして一流になれる匂いはしない。それがマキシーの現在地です。ハーデンがいることで輝くし、エンビードと並ぶと単発フィニッシャーが並んでいるだけに見える。

エンビードがいなければ何も問題ないけど、格上フィニッシャーのエンビードがいるからにはオプションにしかなれません。

一方でエンビードはゴール下に詰めてくれないセンターで、ストレッチしている時間が長いためゴール下を空けてくれます。これがマキシーのスピードを活かすことにも繋がっており、必ずしも相性の悪いコンビではありません。エンビードがマキシーを活かしている感はあるんだよね。

エンビードの相棒として最適とは言い難い

エンビードが現代センターのようにプレーメイク力をつけるのか、マキシーがハンドラーとしてプレーメイク力をつけるのか。どっちかが成立すれば上手くいきますが、どっちも成立する気がしません。

タイリース・マキシーでやり直せるのか” への7件のフィードバック

  1. ハーデンをクリッパーズへトレードするならついでにウェストブルックをもらってマキシーとコンビ組ませるのはどうでしょう?ディフェンスで不安ですが、マキシーはただ点を取る役割でいられると思います。
    ハーデンが来るならクリッパーズにとっては持て余すと思います。持て余すのが彼らの流儀ですが

    1. 1つのパターンとしてはアリですが、どっちもカバーディフェンスできないし、マキシーがボールに触りにくいのは同じですね。ここがまさにPG選択の難しさになります。

  2. 私はジェイレングリーンが好きなのですが、グリーンにとってマキシーは見習うべき存在だと思ってます。それぐらいマキシーのスコアリングに関しての技術は高いと思うのでこの記事は読んでいて嬉しいものでした。しかしグリーンがこのタイプに成長したとしても結局DF問題がありそうな…この2人はスピードもあるのでせめてスティール能力があれば…そこにパスを読むような動きが出来れば…と思います。

    1. 確かにグリーンのインサイドフィニッシュの課題、安定感の課題はマキシーがクリアしてきた課題ですね。
      グリーンはハンドラーやらせるのか、フィニッシュ専門なのか、ここで分かれますし、ここに悩んでる感じありますね。バンブリートでは解決しなそうな。

  3. タイトルに回答するとしたら「無理」でしょうね。

    シクサーズの体質なのか、苦手課題を克服せず得意分野を伸ばす傾向にあるので、マキシーのプレイメイクや状況判断、ディフェンスの拙さが改善するとは思えません。

    ルーウィリアムスのようなベンチからのインスタントスコアラーが彼の最適解に見えますね。

    1. 4年目なのでインスタントスコアラーから脱却したいところです。
      逆にハーデンがいなくなった方が弱点が改善するかも。

      ムリと決めるのは早いけど、かといって「やりなおす」勇気はなさそうなチームなのが

  4. ハーデンとホリデー交換したらお互い上手くいったりしませんかね?
    ゲームメイクは出来ませんが程よいオフェンス力な気がします

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