ラメロ問題を考える

◎ラメロの特徴

23.3点
6.4リバウンド
8.4アシスト
3.6ターンオーバー
1.3スティール

3年目に残したスタッツは申し分ないものでした。これで勝率を落としたのだから、それ以外の部分が悪かったといえるし、これで勝率が上がらないのは個人よりもチームの責任でもあります。

得点以上にアシストとリバウンドの強さが目立ち、ターンオーバー数もスタッツ全体を考えれば抑えられている方で、スティール力があるのも魅力です。オフェンスの主役なのでディフェンスにパワーを注がなかったとしても、読みの良さからのパスカットやディフェンスリバウンドとカウンターアタックの起点役になっているので、しっかりと機能しています。出来ればディフェンダーとなる相棒SGが欲しく、それはコディの仕事かな。

〇3P 37.6%

さらに、パサー&トランジションタイプにおいては漏れることも多いシュート能力も持っています。乱れ打ちしているのに38%前後の数字を残しており、この点でも選手として使いやすく、数字だけ追っていくと完成度の高い選手です。

パス&トランジション能力
高い3P成功率
リバウンド&パスカット能力

長所が多く、これらの能力を発揮していたら・・・これらの能力だけを発揮するほどソリッドなプレーをしていたら、何の不満もない完成度の選手です。

〇2P  45.0%
〇EFG 51.0% 

ところが2Pの成功率の低さが台無しにしています。3Pとパスで上手くゲームを作れるとよいのですが、エースらしいエースのアタックも好きなので、積極的に点を取りに行きすぎると失敗しがちです。

〇ピック&ロール ハンドラー
10.2回
 8.3点
EFG45.6%

〇ドライブ
14.7回
 2.5点
FG40.9%
1.8アシスト

プルアップ3Pも含むピック&ロールからの得点力も悪ければ、ドライブフィニッシュには大きな課題があります。アシストは稼げているので、ドライブそのものが悪いわけではありませんが、タフショットを選びすぎるし、純粋にフィニッシュ力が低い。

なんだかヤングみたいな悩みですが、ヤングに比べるとファールドローできておらず、トリッキーなプレーはあれど、ディフェンダーとの駆け引きは苦手。サイズのあるガードらしからぬスタイルだったりします。

これらの弱点は克服していけば問題ありません。そもそも克服する気があるのかどうか、3年目に欠場が多かったことでディベロップメントについて証明していないのも悩みではありますが、そこも含めてラメロの進化を期待すればいいだけさ。

一方でラメロとはどういう選手なのか、どういうプレーをさせるのが効果的なのか、あるいは「何をさせないのが効果的なのか」というのが3シーズンが終わっても決めていない事は悩ましいものがあります。まぁドンチッチのマブスも、ヤングのホークスも、成功したと思ったら迷走するから、正解なんてないんだけどさ。

ラメロが個人技で打開する機会を減らし、パス&トランジション能力を全面に出す

苦手なインサイドフィニッシュを減らすためには、周囲が次々とパスコースに顔を出すオフボールオフェンスが向いています。ハードワーカーを揃えたペイサーズっぽいですが、ボレゴだとラメロをウイング的にも活用する強みもありました。もしくはアトキンソンを選んだのは適切に思えましたが・・・なんだか運もないな。

ただ、これを実行したときにラメロの判断能力に対する不信感も出てきてしまいます。いわゆる「目に見えにくい(スタッツに出にくい)」悪い部分です。

ラメロ問題を考える” への8件のフィードバック

  1. モヤッとした「才能は間違いなくあるんだけど・・・」に対するこれほどまでにない言語化をしていただけるWhynotさん、ありがとうございます。
    現地のGM陣なんかより分析しているのでは、と考えさせられます。

    と、さておきラメロの判断力やゲームメイクは本当に鬼門ですよね。
    個人的にはラメロのバックボーンがその能力を育てなかったんだと思います。

    チノヒルズから始まりよくわからんプロリーグ、どっかの外国チーム、そしてNBL。
    どこが悪いというつもりはありませんが、いわゆる強豪校で厳格な指導者で育ってはいないことや決まりごとのない中にいたことが、ご記載の改善点に繋がったのではないかなあと勝手に思っております。

    特にゲームメイクする1番ポジションは弱小チームで独りよがりしてないことが、大事だと思っていたり。
    ビラノバ出身が良い選手揃いなのはそういうことなのかと思っていたり。

    とはいえ強豪校で育った育ったジェイレン・サッグスがバストで、無名大出身のリラードが多いので分かりませんね。笑
    例えが正しいかわ分かりませんが。

    1. そこでいうとサッグスは自己主張が足りないので、それはそれで、って感じです。
      ラメロについては、さすがに自由にやりすぎてきた感じはしますね。
      今回はトンプソン兄弟がそんな状況にあり不安視していましたが、サマーリーグではそんな片りんを見せなかったのは面白く、結局は個人の資質なんでしょうね。

      ビラノバだからそうなったのか、そういう選手だからビラノバが欲しがったのか。

  2. ラメロの良い点、悪い点がはっきり書かれており大変興味深かったです。これだけのスタッツを残せてまだ伸び代があるラメロはやはりポテンシャルは高い選手だなと思わされます。
    オールラウンドな活躍やビハインドで燃えられるメンタルと、プレータイプこそ違いますがウエストブルックのように1人でチームを勝たせるレベルのプレイヤーになって欲しいと思います。

    1. ポテンシャルが高いのはわかったのですが、そこから勝利のために何かを削ったときにポテンシャルが下がるのか
      それともなにも削らずとも勝てるのか、ってところですね。1人で勝てるようになるには、まだまだって感じですが、ウエストブルックも時間かかりましたしね

  3. センスや能力はあるのは間違いないですが、PGとして必要な知性が足りない。。
    契約延長した時のGMとの会話で、MVPいいね、取りたいねと言ったそうですが、その時の笑いながら軽い返事をしている姿が頭に浮かぶ。

    1. 明るく楽観的なのはカリーがNBAに持ち込んだ良さですが、それを周囲に感染させるほどの影響力はないのでね。軽く見えますよね。

  4. シンプルにラメロが目指しているものが優勝ではないのかも知れませんね。
    魅せる。目立つ。スター契約をもらう。そーいった個人にフォーカスしているだけでチームとして大きな何かを成し遂げたいとかそーゆーのがあまり感じられない気が。。。

    1. 「目指しているものが優勝ではない」は確かに!
      もちろん、目指してはいるでしょうが、勝利のためにすべてを犠牲にする選手には見えないです。

      個人の良さを生かしたいHCだと、そんなもんかもしれません。黙らせるほどの結果を出せるかどうか。

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