◎チーム構成
ラメロを他の若手ハンドラーと比較し、どういう選手なのかを考え直してみましょう。一番似ているのはロンゾなのですが、ディフェンス力に違いがあったりと言い出したらきりがありません。ここで大事なのは「個人としての違い」ではなく、「チームとしての違い」です。つまり、ラメロ中心に勝つということは、どういうチームにしていくべきなのか。
ルーキーシーズンのラメロは、初めにウイングとして起用されました。201センチのサイズとリバウンド力、速攻クリエイト能力(あと拙いゲームメイク)があり、チームとしてもヘイワード、ブリッジス、ワシントンなどのウイング陣が流動的にポジションチェンジするので、ラメロもその一部になりました。
当然、他の選手よりもパス能力に優れているのでハンドラー寄りの仕事が多く、グラハムらを放出した2年目には完全にハンドラーになっています。ラメロの悪い部分を上手く隠しつつ、オフボール能力を中心に成長を促すことが出来ました。
ポジションレスのウイングチームにおけるハンドラー
はじめの2シーズンのラメロは自身の特徴を上手く生かされており、機動力オフェンスであり、小さくないスモールラインナップを好むチーム構成にフィットしていました。ハンドラー仕事が中心になりつつも、ウイング仕事もできるし、逆にディフェンスリバウンドを取ったときに周囲が走り出してもくれました。
正直、理想形に近かったと思いますが、ホーネッツのフロントは否定的だったのか、それともラメロの不満にこたえたのかわかりませんが、この路線は終了しました。そしてマーク・ウィリアムスを指名し、時にはカイ・ジョーンズと並べるなど、スモールも終了。見た目的にはオーソドックスなツーメンゲームから構築するハンドラー用のオフェンスになった気がします。なんせ、ラメロもそのほかも欠場が多いから、なんともいえない。
今年のドラフトではウイングのミラーを指名し、ビッグマンのナジもとっています。2年続けてのビッグマン指名と、スクートを避けてのウイング指名なのでわかりやすい変化です。
絶対的なハンドラー × 各ポジションの専門家
こんな感じがしますね。ガード・ウイング・ビッグにそれぞれ専門能力の高い選手を配置しているので、普通に良いチーム構成なわけですが、現代バスケでは逆に珍しいよね。サンダーと比較したら・・・。
いずれにしてもボレゴ時代の2年間とは大きく異なっており、ここでラメロが輝くのかどうか・・・というよりも「勝利の方程式」が成立するのかどうかが大事なことです。少なくとも3年目のシーズンでは何も証明できなかった。
また、ヘイワードがいるとはいえ、基本的にはハンドラーのラメロから始まるのが基本の構成です。ドンチッチやヤングに近い役割にみえ、特にビッグとウイングの組み合わせを見るとヤングのホークスに近づきました。あっちは「ハンドラー欲しい」となった1年前でしたが、ホーネッツも試していく中で「こんな選手が欲しい」が出てくるはずです。
ちょっとここで話を変えてみましょう。全く違うタイプであるハリバートンのペイサーズのチーム構成です。
ペイサーズにきてから合計82試合と、ちょうど1シーズン分を過ごしたハリバートン。チームの中核としてマックス契約での延長を果たしましたが、ある意味でペイサーズは「ハリバートンでどんなチームにするのか」が定まったからこその延長でした。明確なエースキャラというかハリバートンの相棒が定まったとは言えない中でも、チームつくりとしてはペイサーズの方が一歩先をいってます。
センターにマイルズ・ターナーが君臨していることもあり、ペイサーズはスモール気味のラインナップを基本とし、トランジションとシューティングを活かしたスピードのある戦術で構築しています。チーム全体がオフボールの動きを繰り返す中で、パサーであるハリバートンが適切にチームメイトを活用していく流れです。
〇得点
116.3(10位)
ハリバートン 20.7
ターナー 18.0
ヒールド 16.8
マスリン 16.7
ニスミス 10.1
〇アシスト
27.0(6位)
ハリバートン 10.4
マッコネル 5.3
ネムハード 4.5
ペイサーズはリーグ10位の得点でしたが、20点オーバーはハリバートンのみだし、二桁得点も5人です。バランスアタックを実現したのは、周囲の動きをしっかりとみて判断していくハリバートンの能力が中心にありました。第2、第3PGの充実と合わせて機能しており、あとは18位だったTS%を向上させるだけでオフェンスは完成します。
『ハリバートンのパス能力 × オフボール × 運動量』と雑に言えば、こんな感じですが、ハリバートンの能力はしっかりと出ていました。実はラメロもこの形が良いし、それが初めの2年間だったのですが、それならそれで元に戻ればいいだけだ。
では、ホーネッツはラメロの何を活かしたいのか。それがわからないまま終わった3年目でした。いずれにしてもペイサーズのように掛け算されている印象はなく、同時に「ラメロのこの能力」という推しもなく、全ての面でラメロに頑張ってほしそうに見えます。
ラメロはドンチッチやヤングのような全権委任のPGだ!
こんな風に見えました。でも、残念ながらラメロはそこまでではない。ホーネッツがラメロ中心のプレースタイルをどのように想像しているのか。特に想像しないで「良い選手を集める」スタンスならばスクートを指名するのがスタンダードだっただけに、どんな掛け算が行われるのかが重要です。同時にラメロが証明できていないことは
自分のために、どんなロスターを構築すればよいのか
「優勝」ではなくて「プレーオフ」を目標とした中でも、まだ見えてこないラメロ中心の適正なロスター構成。これからいろいろと試していく中で、若手の成長も含めて確立していくことになります。ただ、それは4年目ではちょっと遅く見えるし、マックス契約のPGならば、かなり遅く見えるのでした。
まぁ6年目でやっと・・・なフォックスもいるし、遅いからと言って悲観しても意味はない。ただ、どうしてもラメロの自由奔放さは気になってしまうよね。
モヤッとした「才能は間違いなくあるんだけど・・・」に対するこれほどまでにない言語化をしていただけるWhynotさん、ありがとうございます。
現地のGM陣なんかより分析しているのでは、と考えさせられます。
と、さておきラメロの判断力やゲームメイクは本当に鬼門ですよね。
個人的にはラメロのバックボーンがその能力を育てなかったんだと思います。
チノヒルズから始まりよくわからんプロリーグ、どっかの外国チーム、そしてNBL。
どこが悪いというつもりはありませんが、いわゆる強豪校で厳格な指導者で育ってはいないことや決まりごとのない中にいたことが、ご記載の改善点に繋がったのではないかなあと勝手に思っております。
特にゲームメイクする1番ポジションは弱小チームで独りよがりしてないことが、大事だと思っていたり。
ビラノバ出身が良い選手揃いなのはそういうことなのかと思っていたり。
とはいえ強豪校で育った育ったジェイレン・サッグスがバストで、無名大出身のリラードが多いので分かりませんね。笑
例えが正しいかわ分かりませんが。
そこでいうとサッグスは自己主張が足りないので、それはそれで、って感じです。
ラメロについては、さすがに自由にやりすぎてきた感じはしますね。
今回はトンプソン兄弟がそんな状況にあり不安視していましたが、サマーリーグではそんな片りんを見せなかったのは面白く、結局は個人の資質なんでしょうね。
ビラノバだからそうなったのか、そういう選手だからビラノバが欲しがったのか。
ラメロの良い点、悪い点がはっきり書かれており大変興味深かったです。これだけのスタッツを残せてまだ伸び代があるラメロはやはりポテンシャルは高い選手だなと思わされます。
オールラウンドな活躍やビハインドで燃えられるメンタルと、プレータイプこそ違いますがウエストブルックのように1人でチームを勝たせるレベルのプレイヤーになって欲しいと思います。
ポテンシャルが高いのはわかったのですが、そこから勝利のために何かを削ったときにポテンシャルが下がるのか
それともなにも削らずとも勝てるのか、ってところですね。1人で勝てるようになるには、まだまだって感じですが、ウエストブルックも時間かかりましたしね
センスや能力はあるのは間違いないですが、PGとして必要な知性が足りない。。
契約延長した時のGMとの会話で、MVPいいね、取りたいねと言ったそうですが、その時の笑いながら軽い返事をしている姿が頭に浮かぶ。
明るく楽観的なのはカリーがNBAに持ち込んだ良さですが、それを周囲に感染させるほどの影響力はないのでね。軽く見えますよね。
シンプルにラメロが目指しているものが優勝ではないのかも知れませんね。
魅せる。目立つ。スター契約をもらう。そーいった個人にフォーカスしているだけでチームとして大きな何かを成し遂げたいとかそーゆーのがあまり感じられない気が。。。
「目指しているものが優勝ではない」は確かに!
もちろん、目指してはいるでしょうが、勝利のためにすべてを犠牲にする選手には見えないです。
個人の良さを生かしたいHCだと、そんなもんかもしれません。黙らせるほどの結果を出せるかどうか。