20180214 ウルブズ ｖｓ ロケッツ

ロケッツとウルブズです。
特にプレビューはありませんが、お互いのディフェンスを中心にみていきましょう。

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◉スイッチするロケッツ、スイッチしないウルブズ

 

頻繁にスイッチするロケッツですが、初めのマークがバトラーにタッカー、ギブソンにハーデンになっており、それはスイッチをうながす意味もなさそうな雰囲気です。ギブソンがポストアップしますがクリス・ポールのダブルチームに潰されたりとそこの効率が良いわけではありません。

しかし、カペラがタウンズを全く抑えられない形が続き、個人勝負でやられ、合わせでやられ、オフェンスリバウンドを取られ、早々にファールトラブルで引っ込みます。

ウルブズのオフェンスを全く止められないロケッツ

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ウルブズはスイッチを極力しない方向性です。ディフェンスの良いバトラーですが、スイッチしてのカバーリングは下手なイメージ。それでもミドルという選択肢の少ないロケッツなのでショーディフェンスで一旦止めてファイトオーバーする形は機能します。

本来はここにカペラへの合わせが入るのですが、オフェンスでも動きのタイミングがイマイチなカペラ。細かなタイミングなので相手の守り方含めて致し方ない。

 

そしてカバーの意識の高いウルブズ。ボールマン以外のマークは常にカバー狙いでドライブの二歩目を止めに行きます。この形が機能してなかなかオフェンスが決まらないロケッツというスタートになります。

しかし、慣れてくるとカペラへの合わせが決まり連続＆ワン。ネネイに交代してもカバーに出過ぎているタウンズの裏にアリウープと攻略して行きます。攻略しているってとても大切です。

しかし、序盤は３Ｐが爆発しなかった上にフリースローも外したのでウルブズペースは変わりません。

 

ちなみにティーグはスターターが減った終盤に得点を重ねました。個人で守ってくるディフェンスが好きなのか非常に好調。ウエストブルックのディフェンスも好物だったから、自分のタイミングでやりやすいのかな。

１Ｑは３１－２３でウルブズリードに。

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◉お手本のロケッツ

 

セカンドユニットのウルブズはロケッツディフェンスを全く崩せません。個人で守るから個人で勝負を挑むクロフォードがいますが、ライアン・アンダーソンにも苦労して結局はアウトサイドシュートばかりになるウルブズ。ピエリッツァはそれでも決めるけど。

例外が１箇所あってそれは小さいクリス・ポール。上手くスイッチさせてローポストアタックして行きますが、まぁ上手いわクリス・ポール。器用にハンドチェックしてスティールし、そんなプレッシャーからミスを促していきます。

 

止められていくウルブズオフェンス。しかしウルブズのディフェンスも悪くありません。ロケッツが良すぎただけ。

割と崩されていくウルブズなのですが、最後のところでシュートを打たせないと当然エクストラパスをする巧みなロケッツ。しかし、そのパスの出先を抑えていくウルブズ。

 

さて、これは何が起きているのか？
おそらく３Ｐの意識の高さがあるロケッツに対して恐れずに前に出ていくウルブズ。実は裏パスでスカスカな気もしますが、序盤に３Ｐが決まらなかった事もあり、スペーシング出来ているとは言い難いので裏をとらないのか、それともアリーザ不在の影響なのか。

実際にライアン・アンダーソンは頻繁にドライブに成功します。典型的だったのはミドルレンジでオフェンスリバウンドをクリス・ポールがとった瞬間にゴール下にいた２人が前へ出ていきアッサリと抜かれました。抜かれるような場面ではなかったので外へのキックアウトを警戒しすぎています。

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ジェラルド・グリーンが３Ｐを決めたロケッツは次第にインサイドプレーを増やしていきます。そして押し込んだ挙句、ゴール下で打たずにキックアウトするゴードンにカペラ。アウトサイドでフリーの３Ｐが増えていきます。

 

同じような展開はウルブズにもあります。変わらずギブソンのポストアップでハーデンとの対決になり、そしてタウンズの強さもあるのでヘルプに行くロケッツ。そしてキックアウトするウルブズ。しかし確率は上がりません。

ロケッツとしてはヘルプに行くのは１人だけなのでローテーションが出来ている事情もあります。それでもシューターならば決めるべきシュートですが、ウルブズにはシューターいないし。

一方でバトラーがカットプレーをするとローテーションミスする場面もあります。そこに絡むのはタウンズの３Ｐなのでさすがにカペラまで含めてのローテーションには難しさがあります。カペラはスイッチを選ぶけど、他の選手は選ばないみたいなコミニケーションミス。

 

そんなディフェンスの戦いは３Ｐも決まりスペーシング出来てきたロケッツがハーデンのドライブも決まるようになり逆転します。お手本のようなロケッツオフェンスの手順です。

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それでも２Ｑ終盤は再びタウンズが打開する展開となりウルブズも反撃します。開始直後ほどはやられなくなったカペラですが、微妙なローテーションミスで離してしまって＆ワンを決められます。

 

最後の攻防ではクリス・ポールからのアリウープを決め、タウンズをブロックしたカペラ。タウンズに１６点を許しますが、自身も１２点９リバウンドを奪いました。

ロケッツが逆転できた理由はタウンズやギブソンにアタックこそされるものの、リバウンドを確保したことにありました。小さいラインナップのロケッツですが、そこで負けないのが重要です。

 

前半は５４－５０でロケッツがリードして終わります。オフェンスではウルブズが上回っていますが、ディフェンス力はロケッツの方が上回っているという点差です。

◯アンドリュー・ウィギンズ
０点 ＦＧ０／７

シューター化すらしていないウィギンズ。

◯ＰＪタッカー
６点 ３Ｐ２／３

シューターのタッカー

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◉ＮＢＡの難しさ

 

ハーデンの６０点トリプルダブルＴシャツが発売されたらしい。ＭＶＰ

流れも切れた中で再びタウンズとギブソンで攻めてくるウルブズに対して苦しいカペラと頑張るハーデンという前半と同じ形です。

違いがみえたのはトランジションディフェンス。クリス・ポールがミスしてティーグとのルーズボール争いになった瞬間にロケッツは４人が戻っていました。そして逆にルーズボールからの速攻をフィニッシュし好調なスタートとなるロケッツ

 

しかし、ディフェンスリバウンドを確保出来なくなってきたロケッツ。カペラのファールがかさみ点差と違い苦しくなります。

そしてお互いにレフリーコールに悩まされてディフェンスが緩くなります。損をするのはフィジカルで止めるタイプが多いロケッツ。
典型的だったのは抜けて行くドライブで打ったハーデンはブロックされ、ディフェンスに当たりに行くウィギンズはフリースローをもらったシーン。レフリーを信じているウルブズ。

ちなみにタウンズが肘を振り回していることは不問のレフリー。リプレイしろ！

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そんなタウンズもファールトラブルでベンチに戻ります。文句は言えないよ。

ロケッツは前半と違い攻略する感じではなく、スクリーンを使ってフリーになります。ネネイはダンクミス。狙うのはディフェンスが悪いクロフォード。それは成功し連続３Ｐを決めるゴードン。しかし、クロフォードにも決められてしまいます。

ちなみにツーメンゲームでジェンが空くけどパスしないで自分でタフショットを打って決めるクロフォード。クロフォードらしいし、ウルブズらしいし。

 

そしてこのディフェンスが大好きなティーグがやっぱり決めまくってウルブズは反撃に成功します。

残り３秒から仕掛けたクリス・ポールにチームファールの数を間違えているジェンがファールしてフリースローを与え、ロケッツはリードをキープしたまま４点差で３Ｑが終わります。

 

お互いに守れていないわけではないけど、レフリーに守らせてもらえない３Ｑとなりました。これがあるからＮＢＡは難しい。

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◉オフェンスに切り替えるダントーニ

 

カペラのダンクと、カペラを狙ってスピードのミスマッチをしかけるウルブズでスタートします。でもカペラはスピード負けしないんだよね。クリス・ポールの巧みなヘルプもあります。

お互いに守った中でクロフォードとライアン・アンダーソンがタフショットを決めます。この違いはクロフォードで完結するウルブズとスペーシングになるロケッツという違いがあります。
ディフェンスで言えば諦めるしかないロケッツとより３Ｐを抑えたくなるウルブズです。その結果、クリス・ポールのドライブに繋がり、そこからキックアウトで３Ｐが決まるロケッツに。

 

しかし、クロフォードが落としたシュートをタウンズが押し込み、さらに３Ｐを決めてしまうタウンズ。こちらも諦めるしかないロケッツ。でも諦めきれないのはトランジションミスでフリーのゴール下をタウンズに決められて怒りを露わにするダントーニ。最近のダントーニではかなり珍しいよ。

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守っていたけど決められてしまったロケッツはタイムアウトからセンターを使わないスモールラインナップにします。３Ｐシューターだらけとも言います。要はタウンズのいるウルブズに対して、オフェンスに軸足を切り替えました。

 

ロング３Ｐの鬼と化すライアン・アンダーソンに連続で決められるとディフェンスは広がります。すると落ちた時にロングリバウンドを拾えるロケッツ。そこからタッカーの３Ｐ、そしてハーデンが個人技３Ｐを決めて１２－０のラッシュに成功したロケッツ。

これを守れと言われても難しすぎます。でも、ゴードンがフリーを外してくれるシーンもあるし、相変わらずレフリーはバトラーの味方なので、なんとも言えないわけです。

 

タウンズの高さは止められないロケッツ。しかし、この試合かなりスピードのミスマッチを止めていたタウンズが遂にハーデンにドライブ＆ワンをやられます。これで５ファールに。

ハーデンは更に３Ｐファールをティーグから引き出します。１１３－９７と１６点リードで残り４分を切ります。

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タウンズが鮮やかに決めます。対してハーデンｖｓタウンズにされ、時間一杯使われて３Ｐ。すぐにウィギンズがミドルを返します。

ウルブズは得点を取れるのですが、ミスマッチを厭わず個人で守ってくるロケッツなのでシンプルに打つのは難しく、それなりに時間を使ってから打つ事になります。ビッグマンはいないけどフリーを作り難い。

 

ロケッツは徹底して大きくスペーシングして、時間を使って最終的にはタウンズ相手に仕掛けていきます。それにしても３Ｐを決めすぎのハーデン。
時間を消費しながら点差を広げるハイパーな活躍でした。ＭＶＰ！

 

◯ジェームス・ハーデン
３４点 １２アシスト
３Ｐ６／１０

見事な活躍ですが、６点くらいは時間を消費したので決まろうが外れようが良いシュートでした。

 

◯ライアン・アンダーソン
２１点 ３Ｐ６／１０

それに対して重要だった３Ｐを決めたライアン・アンダーソン。ダントーニがオフェンスに舵を切った直後に期待に応えた事でリードして逃げ切る展開になりました。展開が違うとウルブズの堅実なインサイドを嫌がる事になったので、単なる得点以上に大きな価値がありました。

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前半のロケッツの攻略手順の見事さは教科書通りって感じです。単なる３Ｐチームだと思ったら大間違いというロケッツ。でも４Ｑはどうかというと３Ｐばかり決めてしまうのだから厄介なチームです。

 

そしてディフェンスに注目した試合で、意外に目立たなかったバーアムーテとタッカー。それはウイングディフェンダーとして相手を消していたという事です。

◯ジミー・バトラー
１５点 ＦＧ５／１３

◯アンドリュー・ウィギンズ
７点 ＦＧ２／１４

決して見事なブロックをするわけでもスティールをするわけでもないけど、ゲームトータルで相手を困らせた２人でした。

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ウルブズもタウンズが意外と守れてて驚きました。そしてギブソンもハーデンとの勝負を嫌がりませんでした。ここまでやるとは思っていなかったので、見え難い成長ですがチームの好調な理由の１つにタウンズのディフェンスがありそうです。

ハーデン相手にあれくらい守れれば十分でしょう。

 

ホームで１３連勝中だったらしいウルブズですが、ロケッツが見事に粉砕したという試合でした。そしてディフェンス目線で書いていくのも悪くない試合でした。