さようならセルティックス’23

◎オフボールと役割分担

ロバート・ウィリアムスが欠場することで始まった今シーズン。セルツは5アウトのオフェンスをメインに変更してきましたが、異様なくらいに決まる3Pシュートで開幕ダッシュに成功し、さすがに読まれてきて勢いが落ちたシーズン終盤という流れでした。いずれにしても3P増は今シーズンのキーワードでした。

〇3P
アテンプト 37.1本 ⇒ 42.6本
成功率   35.6% ⇒ 37.7%

3Pはアテンプト数が5本以上増え、成功率も上昇しました。この数字が素晴らしかったのは個人レベルの改善ではなく、チームとしての改善だったことです。ロバートとホーフォードを並べる形がメインではなくなっただから本数が増えることは当然ですが、個人頼みの3Pではなかったのです。

〇キャッチ&3P
アテンプト 26.4本 ⇒ 30.0本
成功率   36.4% ⇒ 39.0%

〇ワイドオープン3P
アテンプト 16.5本 ⇒ 19.6本
成功率   37.6% ⇒ 41.2%

キャッチ&3Pとワイドオープンシチュエーションの増加はチームオフェンスの改革成功でした。ディフェンスで勝っていたセルツがオフェンスでもリーグトップクラスの結果を残すようになり、他のチームは面食らったような序盤戦でした。

〇レーティング
オフェンス  117.3(2位)
ディフェンス 110.6(2位)

数字だけ見ればリーグ最強のチームになっていました。チームとしての効率性アップに成功したマッズーラの手腕は見事だったといえます。勝っているチームが内部改革するって難しいのにね。

〇パス数  289.0 ⇒ 277.4
〇アシスト数 24.9 ⇒ 26.7

見事なパスでディフェンスのチェイスを振り切って3Pを打ったことでアシスト数は増えたのですが、面白いことにパス数は減りました。それだけ効果的なパスを回しており、シーズン序盤はそれこそナゲッツのように「次にフリーになる選手」にパスをしているので、ディフェンスは追いかけても追いかけても追いつきませんでした。

平均5アシストを超えているのはスマートだけですが、テイタム・ホワイト・ブログドン・ブラウン・ホーフォードと6人が3アシスト以上を記録しており、まさに「チーム全体でのアシスト」でした。『個の強さ』ばかりが目立っていたように感じた昨シーズンのチームから、コアメンバーは変わらず増えたのはブログドンくらいなのですが見事に『チームとしての強さ』を感じさせるようになったのです。

アイソレーションが減り、オフボールスクリーンが増え、、、とわかりやすくチームで連動する形が増えたセルツですが、弊害もあってアイソの成功率が微減したシーズンと、アイソの回数が増えていくプレーオフでの困惑もセットだったようにみえます。

マッズーラになって間違いなくセルツは改善したのですが、その改善はプレーオフでのエースアタックという点で問題を抱えるようにもなりました。ここに前述のテイタムに対する懸念も出てくるわけです。

テイタム中心のチームを作るには、しっかりとチームオフェンスする中でのオプション個人技がいいのか、それともテイタム&ブラウンなので個人技中心からの展開してチームオフェンスがいいのか。

個人技中心において、時にはエースを無視してでも変化をつけてくれていたスマートのジャッジメントはセルツにとって重要な要素でしたが、チームオフェンスにおいてのスマートの存在感よりも、ホワイトの気の利いたポジショニングにカッティング、そして3P精度の方が貢献度が高かったです。

ところで、ここでスマートがいなくなったこととポルジンギスについて絡めていきましょう。

セルツのアシストはスマートが多く、誰も同じレベルでアシストを稼いでいませんので1つの不安材料です。さらに今シーズンの内容はチーム全体でアシストしていく流れなので、エクストラパスのジャッジが遅いポルジンギスがコートの中央でボールに絡むのは不安要素になります。

代わりにシュート力においてはスマートよりも信用できるので、単純な成功率は上がりそうです。チームオフェンス派としてはポルジンギスによる弊害の方が大きく、個人技派ならばテイタム&ブラウンからのキックアウトを決める選手が増えます。どっちに傾くでしょうかね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA