ビール、ワシントンを離れる

◎ビッグ3の悪夢

そして悪夢はビールにひっついてフェニックスへとやってきました。ネッツとレイカーズの例をあげるまでもなく、失敗続きの『ビッグ3』戦略に手を出したサンズ。サラリーで言えばエイトンもいるから『ビッグ4』か。恐ろしい話だ。

ただ、サンズの場合はビールがこなくても、クリス・ポールをウェイブしなければ、やっぱり『ビッグ4』だったんだよね。だから、サラリーバランスなんて何も気にしていないのかもしれない。

ジェームス・ジョーンズがサンズのGMになってから、ドラフト指名と補強は「オフボール能力」や「戦術理解力」「ハードワーク」を重視した選手を選ぶようになり、それはモンティの起用法と相まって、サンズは強豪チームの仲間入りをしました。

ところがオーナーが変わってわずか半年で、サンズはパワーハウス路線を明確にしており、オフボールとかハードワークとか何も気にしない様子です。それどころかポジションバランスなんて概念も消して、個人技アタックの組み合わせへと進みたい様子です。

「ブッカーがPGになるんですか」なんてコメントがありましたが、今時ポジションの概念なんて特に意味はないし、ブッカーはそもそもハンドラーすることも多いし。でも、プレーオフで見せた驚異的な成功率はじめ、パサーとして使うよりもスコアラーとして使うのが正しく、デュラントよりも効果的に決めてくれる選手を「ビールのためにパスを出せ」なんて何の意味もないよね。

サンズからネッツにトレードされたミカル・ブリッジスは、ネッツで平均26点を取るエース役に就任しました。いいかえれば25点を取るポテンシャルを持った選手を4番手・5番手で使っていたサンズなわけだし、環境が変わってエース役を任されれば20点オーバーになる選手は他にもゴロゴロいます。

でも、確率が悪ければ意味はないし、ボールは1つなんだから、ボールのないところで貢献できる選手を混ぜた方がチームとしての効率は上がります。

ミカルはTS60%を超える成績をを残しており、20-21シーズンには驚異の67%でした。しかも、みんなが欠場しまくった今シーズンも元気にプレーしている。サンズでは15点プレイヤーでしたが、それがチームをうまく機能させる理由でもありました。

一方でビールはこの5年間TS60%を超えたことはなく、キャッチ&3Pはあまり打たないハンドラータイプとしてスコアリングしてきました。ある意味で「ブッカーがPGをやる」よりも、「ビールがシューターをやる」方がハードルが高いとすら思えます。ウォール時代とは違うんだよ。

『ビッグ3』であることは悪夢とは言えないのですが、ハンドラーなエースキャラを集めても機能しないというか、ボールは1つしかないっていうのは多くのチームが経験してきたことです。それすらもクリアするほどのチーム力を構築できるのか。エゴを消せるのか。エゴを消すっていうか、チームメイトのためにオフボールの仕事を出来るのか。

それ以前にデュラントとビールは何試合同時に出場するんだろうか。ここ3年間で言えばクリス・ポールの方が試合数多いんだぜ。

ウィザーズはフロントを交代させて大きな変換点を迎えましたが、サンズはオーナー変更で大きな変換点を迎えました。クリス・ポールがビールになって、何がどうしたら機能するのか、さっぱりわからないし、クリス・ポールってそんなに働いていなかったのだろうか。

ビール、ワシントンを離れる” への4件のフィードバック

    1. ウォールで失敗の後にビールに同じことして笑ってましたがようやく再建ですね。
      ビール再契約の時に1巡目とサイトレ出来てれば今年のウェンビーガチャももっと確率上げてがありえたのに残念です。

      1. 後の祭りですから仕方ないですね。
        「売れー」と当時は声高に叫んでたのですが、反対意見が多くきましたよ

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